Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

リアエンドサポーター 完成

2012-10-24 20:33:56 | 製作・加工
友人のケイリン選手に使ってもらおうと制作を始めたリアエンドサポーター 
思いの外時間が掛かりましたが今回で完成です 今回はクイックレリーズを
少し加工します




前回はクイック用の中空シャフトを使いサポーターの
巾やシャフトの長さを調整しました 今回は実際に
クイックレリーズを装着してみましょう




在庫しているクイックから今回使えそうな物を
出してみました






この黒いレバーの物は大変使い難いです レーバーの
横のスペーサーに方向が有り それを確認しながらの
使用にかなりストレスを感じます ここは下のシマノの
物を使う様にしましょう






実際に使ってみました う~ん、シャフトのネジの
切り方が短いので コニカルナットが締まりきらず
クイックレバーを倒してもサポーターを固定 出来
ません




この先端のネジをもう少し奥まで切ってやる必要が
有ります まあこれは 130mm巾用のクイックですから
初めから想像していた事です




使えない物は仕方がない 使える様にしてやりましょう






ダイスで新たに奥までネジを切ってやります
このネジは 5mmです




ダイスをハンドルにセットし シャフトは仕事が
し易い様にバイスに挟みます






この様な金属を刃物で切削したりネジを切る時には
必ず切削油を使います これを怠ると工具の刃が
焼けたり毀(こぼ)れたりしてしまいます






ダイスでの作業は完了 この工具は誰にでも買える程度の
お値段の物ですが ゆっくり慎重に使えば何とか使えます




この様な仕上がりです 使う場所を考えたらこの位で
充分ですよね






これでサポーターもしっかりと固定出来ました シャフトの
長い部分は切り落としましょう ここが出ていると良く足に
当り痛い思いをします・・・




これでスッキリ 良いですよね






じゃ一度仮組みした物を分解し 綺麗に掃除を
してやりましょう
ルーターで持ち主のお名前を刻みたいのですが 
材質が硬いから難しいだろうな・・・






必要な所には防錆のためにグリスを少量塗り






回転部にはオイルを追加塗布し 丁寧に組み付け
ました






さて完成した物を装着し確認してみましょう
チェーンラインも前後通っています クランクを
回してもチェーンが外れる事は有りません






競輪選手の方達はこの様な状態で自転車を整備
される事が多いと思いますが この時ベアリングで
回転するチェーンレストで チェーンのメンテナンスも
やり易くなれば良いですね 

これで完成です・・






色々な事を考えながら 少しでも綺麗に 少しでも
使い易い様にと作業を進めて来ましたが 計画倒れも
有りました そしてこの溶接には私の進歩が有りません
この辺りはお目こぼしを頂きたい処です





今回の一連の作業意外に時間が掛かりました 自転車整備やこの様な作業は
何時も使う方の事を考えながら進めています そして喜んで頂ければそれに
こした事はありません

前回の記事 【 リアエンドサポーター シャフトの工作 】 

 
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リアエンドサポーター シャフトの工作

2012-10-23 20:25:11 | 製作・加工
ケイリン選手の方から製作の希望が有り 先日から加工をしているリアエンドサポーター 
自転車のリアホイールを外した時リアエンドの保護とチェーンの処理を兼ねた金物です






先日の日記でピストレーサーのリアホイールを
外しましたが 再度チェーンを掛けずに後輪を
取り付けます






リアの小ギアのチェーンラインを前ギアのラインと
通す為、現車の小ギアの位置を測っておきます
リアエンド内面からギア面までが 17mm程ですね
この寸法を参考にこの後の作業を進めましょう






前回ベアリングに小ギアを溶接したチェーンレスト部を
シャフトに仮付しましたがこの状態で小ギアの位置を
確認してみます






この部品の組み合わせで リアエンドから 15mm
後 2mmギアを内側に入れてやれば良いですね






リアハブ用のスペーサーは色々な寸法を用意して
いるので何か合えば良いですね




ちょっとシャフトも変えたいので 作業テーブルで
作業を進めます






今回はトラックレーサー限定で使う備品なので
普通の丸シャフトとハブボルトを使う仕様で一つ
作ってみます 

車輪を外す時に工具を使うので このエンドサポーターに
工具を使うのもそれ程面倒では無いのですよ 案外その
方が使い易いかも分りません これは私がその仕様の物を
使っています








でもこの計画は実現出来ないな・・ シャフトのネジが
もう少し長く切ってあれば良かったのですが これでは
ギア側のナットが掛からないです この案は却下ですね

元々細かな図面無しで進めて行く作業なので この様な
計画倒れは良く有ります でも挫(くじ)けない(笑)






さて無垢のシャフトは諦めてクイック用の中空シャフトで
作業を進めましょう 

先程の寸法合わせのワッシャーに 丁度の寸法の物が
無かったので それに代わる物を作ってしまいます
使う材料は、内径 10mmのアルミパイプです






内バリをリーマーで削り 必要な寸法を罫書きます




パイプのカットはこの小さなチューブカッターを
使いましょう これはハンドル等をカットする時に
使う道具の小型版です






工具を回転させながら 少しづつ刃を深く入れて行きます







刃が最後まで入れば切り落とせます 内バリも
取っておきましょう






希望の寸法のワッシャーが出来ました




このワッシャーと中空シャフトを使い組み付けました






私のピストのバックエンド巾は 124mm有ります これは
ハブの巾 120mmにチェーン引きの厚みを足した分ですね

フレーム合わせでセット出来ないので 作業台の上で
120mm巾に調整しました




さてその調整をすると このシャフトはロード用で
エンド 130mm巾の物 このままでは長いのでこれも
切り落として調整しましょう






ここは電動工具サンダーを使います 
先程のチューブカッターは シャフトのネジが螺旋状
なので使えないでしょうね 試していませんがネジ山に
沿って刃が動いてしまうのじゃないかな




そんな事を考えている内に このくらいのカットは
一瞬で終わります






カットした状態ではどうしてもバリが残ります
ここの面取りは綺麗にしておきましょう

さて次はこれに合うクイックシャフトを用意
しないといけません これがまた 130mm巾の
クイックレリーズが使えないんですよ・・
使える様に加工をしないといけないですね





小雨が降った朝のお花 ピンクがとても瑞々しいですね

今回の制作依頼を貰った時に2つ制作し片方は普通のハブシャフトを使うつもりだったのですが
その計画は達成出来なかったですね 同じ構造で小ギアが 12tと 13tの二つ作るので使い易い方を
使って下さったら良いですね 

今回の工作、シャフトの寸法決めでフレームのバックエンド巾 120mmに合わせて作りましたが
これではチェーン引きを使う、競輪競走用のフレームには使えないですよね 
でも今はチェーン引きを使わない NJSで120mm巾のフレームが有るんですよ 
それはカーボン・・・ これでこの金物はどの様な方が使われるかお解りに
なりますか?

前回の記事 【 ピストの リアホイールを外す 】

次の記事 【 リアエンドサポーター 完成 】

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シクロクロスバイク FOCUS MARES

2012-10-22 20:20:53 | よもやま話
冬の自転車競技シクロクロス これに使う自転車はやはりその特異なコースから
ロードレーサーとは違います 友人が愛車を駆って、私の自転車小屋へ立ち寄って
くれました そのシクロクロス車を少し見てみましょう




友人の愛車は FOCUS MARES フォーカスのカーボンフレーム マレス
これにカンパニョーロのコンポを基本に組んで有ります

関西では関西シクロクロスとして年末から春先に掛け 開幕を予告する
プロローグ戦とその後 10戦が各地で行われています 今回の友人も
この自転車でフル参戦をするのじゃないかな






シクロクロス(以下 CXに書き換えます)のブレーキは
やはりカンチが多い様です キャリパーブレーキでは
泥詰まりを起こすからでしょう




そしてタイヤはこの様なブロックのパターン これは
クリンチャーですが 友人は練習の時だけクリンチャーで
試合ではチューブラーを使うと言っています

実はこのチューブラータイヤの貼り方が CXならではで
リムセメントを一缶使うとか リムテープとリムセメンを
併用するとか 中にはボンド G17まで使う選手が居るくらいです

この理由は試合で使う空気圧は 2.5~3.0kg そのくらいの事を
しておかないとタイヤが外れるからですが チューブラーと W/O
これは選手に依って色々らしいです






これも CXバイクならではのワイヤー処理
トップチューブに 3本並べるのは泥の影響を受け難いのと
自転車を担ぐ時に邪魔にならない理由が有ります これを
三味線と呼ぶ様ですね






そのワイヤー処理をされたリアディレーラー
トップの一番手前のワイヤーがシートステーの
裏を沿って変速機まで来ています








フロントディレーラーも上からワイヤーが降りて
来ますが 変速機の下でこの様に滑車を使い
ワイヤーの方向が変えられています




友人がわざわざお土産を持ってきてくれました
これは地元の宝塚で人気が高い 菅屋(すがや)さんの
和菓子 結構なお値段がするのに申し訳ないです 
有り難く頂きます

でも Kino自転車工房へ来て下さる方はどうぞ手ブラで
遊びに来て下さいよ




実はこの写真、3~4日前の日没前の時間 自宅から六甲山方面を見ているのですが
凄い夕焼けでした 何か映画のシーンに出て来そうで 凄いでしょ?

私もシクロクロスには一シーズンだけ帯同しただけであまり良くは知らないのですが
実際に参加している選手の方々は面白いらしいですね はまるって言っています

コメント (6)
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ピストの リアホイールを外す

2012-10-20 20:46:15 | ピスト
ピストのリアホイールを外す 何か唐突ですが久し振りに保管してある
ピストを自転車小屋の奥から出して来ました この自転車もたまに触って
あげないといけません





IRIBE イリベのトラックレーサー フレームは友人の競輪選手が使っていたもので
当然競輪競走で使える NJS認定フレームです 私も競輪場を走る機会も無いので
自転車小屋の奥の壁に掛けて保管していますが 今日は少しこの自転車に助けて
欲しい事が有り久し振りに出て来てもらいました






イリベさんの工作はこの様に何時見ても綺麗だと
感心します 

その工作を際立たせる為か薄目の塗装がされており 
フォーククラウンなど汗の掛かり易い処などは その
影響を受け易いので 注意が必要ですね





ホイールカバーを外しました やはり自転車はこうする事で戦闘的な姿に
変わります このまま少し倉庫の中を乗ってみましたがロードレーサーとは
違う動き方をします 

私が選手時代に乗っていたピストとも又違い凄く俊敏な動き方をします 
真っ直ぐ走る為には気を使う自転車ですね 競輪と言う独特な競走に
特化したフレームなんでしょう でも乗っているとワクワクしますよ




さてこの自転車のリアホイールを外しましょう






この整備には競輪選手の方が良く使う 倒立台という
メンテスタンドを使いましょう






この整備台はこの様に自転車を逆さまにして整備を
しますが 後輪の脱着を頻繁に行うトラックレーサー
ならではの発想ですね 慣れれば凄く便利だと思います

実はこれも自作です わずかな金額で作れます
それはこちら 過去日記 【 自作 倒立台 】




では後輪を外しましょう 場所をちょっと移しました

これに意味はそんなに無いのですが 写真を写すのに
その光の加減です 折角なので少しでも見易い写真が
撮りたいですから・・・






トラックレーサーの車輪は 一般車と同じ様に
ハブナットとチェーン引きが使われています




ハブナットは前後共 15mm 写真上の 3種類は一般的な
メーカーの物 下の左 3本は Campagnolo カンパ 下の
右 3本は SUGINO スギノでそれぞれが 15ミリのレンチです

どれを使っても良いのですが 女性やナットが固く締まった
ものには ハンドル部の長い物が良いかも分らないですね






チェー引きには 10mmの工具を使いますが 特に決まりは
有りません スパナでも小さなモンキーでも結構です
この写真は HOZAN D-850-10 ナットドライバーです




すみません、前振りが長くなってしまいました
では始めましょう






今回は カンパレンチを使います UT-FC050 の品番ですが
まだ購入出来るのかな? 3000円程のお値段です




レンチをハブナットに掛け力を入れます チェーンステーや
他の所で手を挟まない様に注意しながらの作業です
※ このナットは正ネジです



先程の 10mmの工具でチェーン引きのナットを緩めます
チェーン引きのナットは 8mmの物も有るのでそれに応じた
工具を使って下さい ※ ここのネジも正です




これで車輪を外す準備が出来ました 車輪を手前に
引いてもまだ外れません 逆に車輪を奥へ押し込みます




これでチェーンが目一杯緩みました






チェーンを前ギアから内側に脱落させます 
指でやっても良いですが 手に持っている工具を
使ってやると手が汚れなくて良いですね

※ このチェーンを前ギアから外す工程ですが
ホイールをバックエンド一杯前に取り付けている時などは
チェーンが外れません そんな時はチェーンを切る必要が
有りますね




これでチェーンから後輪が自由になりました




後輪を後ろに引っ張ります これで車輪はリアエンド
から外れました






後輪を外すとチェーンが垂れるので バックエンドに
掛けておけば良いですね




これでピスト用のリアホイールが外せました
そんなに難しい作業ではないですよね





今回この作業をしたのは 先日から自作している
バックエンドサポーター これを実車に併せて作り
たいからで これからその作業に掛かります

これも少しでも良い物をと考え 進めて行くのですが
中々遣り甲斐の有る仕事ですね





お天気の良い朝に写しました眩しいくらいの日差しですね お花も元気です

この後もリアエンドサポーターの製作が続きます 次回もお付き合い下さい

前回の記事 【 バックエンドサポーターを制作 】

次の記事 【 リアエンドサポーター シャフトの工作 】 

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バックエンドサポーターを制作

2012-10-19 20:12:55 | 製作・加工
自転車のフレームのバックエンドを守る金物 リアホイールを外して移動する時など
これを装着しておいた方が良いですね それの使い易い物を作ってみます





これはリアエンドサポーターなどとも言うのでしょうか そんな商品も販売
されていますが自転車愛好家として もっと使い易くアイデアを盛り込んだ
ものを自分で作ってしまいましょう




これは以前から自分用には何種類か作っています
バックのエンドにシャフトを挟み そのシャフトには
しっかりとチェーンを掛けるギアを付けています

自転車の車輪を外し移動する際 エンドの保護と
チェーンの処理の両方が行えます






これに使う部品達 小ギアは用途に合わせ
厚歯と 9sの薄歯を用意 そしてベアリング

ベアリングはシャフト径やギアの事を考え
6300シリーズを選んでいます この規格は
内径 10mm 外径 35mm 幅 11mmと言う寸法






ハブシャフトと玉押しやロックナット そして
クイックレリーズが使えれば便利ですね






使う道具は安定化電源と溶接機 この小さな物でも
結構重宝しています 遮光用のメガネは面と違い
両手が使えて便利 でも弊害も有り、溶接焼けで
顔の皮がめくれます・・・






では始めましょう 最初の工程はこのベアリングと
小ギアを使います

今回の使用目的はケイリン選手の方が ハードケースに
入れる時に使うので厚歯を使います 歯は DURA-ACE 13t
この歯数は色々と使い易さを考えた結果選びました






ベアリングと小ギアを重ねこの接点を溶接で固定します






今回の作業ではこの溶接が大事で ギアとベアリングが
歪みの無い様にセットする必要が有ります






ベアリングと小ギアがどの方向に対しても真っ直ぐに
セットし金物で固定します この辺のセットは目視に
頼っています






それをバイスに挟み慎重に溶接をします この溶接は
幾らしても素人の域から抜けれません難しいです・・




しかしその素人工作でも付いてくれるのが溶接(笑)

ここの溶接はあまり時間を掛けると ベアリングケースが
熱で歪み回転しなくなってしまうので 短時間で終わらせる
必要が有ります






こうして色々と気を使いながら仕事を進めて行くのですが
このベアリングと小ギアの接合部分でどうしても歪みが
出てしまいます 

ここが横方向に歪むと回転させた時にギアが左右に暴れ
掛けたチェーンが外れてしまいます 2回やり直しましたが
上手く行かない・・・ これでは使えません






実はこの厚歯を溶接で工作するのは今回が初めて
事前に何度も双方を合わせ工作手順を考えた時は
上手く行くだろうと思っていたのですが 実際には
その通りに行かなかったですね 次には上手く
出来る様、もっと努力します

今回は使うチェーンが 1/8(厚歯用) なので小ギアは
薄歯でも問題は有りません 工作実績のある薄歯の
物を作り直しました





この白い花も長い時期、目を楽しませてくれましたがそろそろ冬の支度でしょうか

今回の工作 知人のケイリン選手の方が私のチェーンテンショナーを見て
欲しい と希望して下さったので作る事にしました でも人の物は難しいですね
自分の物の様に妥協が出来ないですから・・ 

ここからはシャフトを装着し仕上げて行きますが この後も結構手間が掛かっています 
その様子は次回にご紹介しましょう

次の記事 【 ピストの リアホイールを外す 】

 
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