真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

若者にもヘッドハンティング

2007年07月18日 | Weblog
「若手エリートを確保せよ」というTV番組を観た。入社3年目くらいの優秀な社員を引き抜く、いわゆるヘッドハンティングビジネスの話であり、また、新卒で採用した社員に、退職されないための様々な対策を講じている企業の話でもあった。

今は、大卒が入社3年目で3割が転職する時代である。一般に753と言われ、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が3年以内に退職していくと言われている。今の若者には、終身雇用などということは考えも及ばず、企業の規模や知名度などにも関係なく、辞めたければさっさと何の未練も無く退職して行く時代になった。若者の間では人材流動化が確実に始まっていると言える。

一方、中年以上にとっては、終身雇用制の下で雇用され、転職など思いもよらずにひたすら働いてきたと言える。皮肉なことに、景気後退と共に、本人達は全く望んでいないのにリストラによって転職を余儀なくされた人たちが沢山いる。つまり、今は若者だけでなく勤労者総てに、望むか否かに関係なく人材流動化がおきているのだ。

今日のTV番組を観て、私はあっと思った。私は15年前にヘッドハンティング会社から電話があり、引き抜きにあったことが数度ある。一度はイギリスの語学学校で、もう一度はアメリカのコンピューターの部品会社、そして、国内の金融会社だ。そのいずれもと合意に至らず転職はしなかったのだが、私のデータをどのようにして知ったのかが気になった。

当時からヘッドハンティング会社は有ったのだが、ヘッドハンティングの会社自体が外資系だったし、対象は外資系の日本支社の管理職を対象にしていたのだ。まだ国内で人材の流動化が始まってなかった頃で、日本に進出してきた外資系企業は優秀な日本人を採用出来ずに困っていた時代だったからだ。

ところが、今は若者を対象としたヘッドハンティングの会社が現れ、入社3年目くらいの人たちをヘッドハンティングしているのだ。利用している企業は、やはりベンチャー系の企業や、IT関係の企業が多いようだ。大企業などで働いている優秀な社員を引き抜いて、即戦力として使おうということだ。

若者の耳に心地よい言葉、「今、お勤めの会社よりも我が社は小さいですが、やりがいや、あなたが自由にやれる仕事の範囲は格段に広がり、好きにやって下さって結構です」というのが殺し文句のような気がする。そして、極めつけは「将来、会社の幹部役員になって頂いて、共に会社を成長させていただきたい」と言うのだ。

25歳くらいの人たちがこのようなことを言われたら、舞い上がるだろうことは想像に難くない。「えっ、私ってこんなに高く評価されているの?」って思って当然だ。考えてみれば、新卒で採用し、会社が手塩にかけて育てた人材を、お金で横取りしていくようなものだ。新人くらい自社で育てられなくて、どうなんだろうと思うが、知名度も無く、企業規模も小さいところは、仕方ないのかも知れない。

入社3年迄は企業の新人への投資なのに、引き抜かれた方は、たまんないだろうと思う。自社で育てた社員を引き抜かれないためには、魅力がある会社にならなければならないし、人材を十分に活用できるシステムを作らなければならない。今の若者はドライなようで、「お金よりもやりがい」で仕事を選ぶという人が案外私の周りには多くいるので、ほっとする。

大切な事は、自分が生かせる仕事に就くことだ。それは各自それぞれ違って当たり前で、その基準もそれぞれだと知っていれば、他人に左右されることは無い。
コメント (2)
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