木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

審査基準と三段階審査(2)

2011-08-10 16:57:43 | Q&A 憲法上の権利
・・・。さて、

「この条例の法文が、
 通常のデモ行進にまで適用されるとすれば、確かに違憲であるが、
 この『交通秩序を乱』すとは、
 だ行進など、ことさらな秩序かく乱をいうと限定的に解せば、問題ない。
 よって、被告人は有罪。」

の論証。

途中式を全て書くとこうなります。

 ①まず、この条例の法文が適用されうる行為として、
  A:通常のデモ行進 と
  B:だ行進などを含むことさらな秩序かく乱行為 がある。

 ②では、A:通常のデモ行進を規制する合憲性を審査しよう。

 ③よし、A:通常のデモ行進は、表現の自由に含まれるから・・・
 (以下、『急所』34ページ 2 防御権の実体判断 の手続 で審査)

 ④ふむ、A:通常のデモ行進を規制したら違憲だ。

 ⑤では、B:だ行進・・・について合憲性を審査しよう。

 ⑥よし、B:だ行進を含むデモ行進も、表現の自由に含まれるから・・・
  (以下、『急所』34ページ 2 防御権の実体判断 の手続 で審査)

 ⑦ふむ、B:だ行進の規制は合憲だ。

 ⑧よしよし、そうすると、この条例は
  Aへの適用を根拠づける部分は違憲、
  Bへの適用を根拠づける部分は合憲 といえるな。

 ⑨合憲的適用例があるから、法文違憲ではないな。

 ⑩限定解釈ができそうだから、そうすればよいな。よし限定解釈すべき。

 ⑪限定解釈した法文適用すると、被告人はだ行進してるから有罪だな。

はい。ご覧ください。これが途中式を全て書いた文面審査こと法令審査です。

どうでしょう。法令審査の途中式全て書いた論証って、どのように思います?


そうです! しちめんどくさいのです!!!

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