
イクラちゃんのブログにも転載されたからでしょう。
糞爺の警告文では、必ず上位になります。
高校生になると、山登りに目覚めた。
目覚めたというより、少年期の多感な焦燥感が芽生えたのだ。
山登りを始めたが、それこそ、中学生時代の
運動靴で登った。
駅前商店街にある質屋のガラスケースに
革製登山靴とカメラがあった。
通るたびに見詰めた。
ガソリンスタンドでバイトして
やっと、中古品の登山靴とカメラを手と脚に身に着けられた。
昼夜学校とバイトであったが
土曜午後になると、丹沢山塊に向かった。
深夜 山小屋に着く。
小屋の管理人と登山客は一瞬戸惑った。
「坊や 一人で登ったの」?
頷く。
雪山も一人で登った。
粗末な登山姿の小柄な少年が
雪を掻き分け戸を開けたのだ。
山小屋のオジサンは驚く。
憂愁と焦燥を癒すには、緑深い渓谷から
見上げる天空は碧の中に
ゆっくりと綿雲が流れて谷間を通り過ぎるの眺めた。
僕は人好き相が不器用で苦しんだ。
僕が懸命にしたことは
独りでいられる力だ。
山登りすることで孤独になれ、
よぅやく、居心地の良さを感じた。
回想すると、16歳17歳は
無知無謀の判断の境目はわからないのだ。
無限とも思える体力と耐力が
沸きほとばしるのだ。
女の子への関心興味がなかったわけではない。
男兄弟3人だったので女の子への接し方がわからない。
ずっと後年、僕はもしかして
同時代のクラスメイトの女の子は
ぼくのことを遠くから眼差しを送っていたのかもしれない。








黒いオルフェ