ふりかえれば…まろ

まろやパンダは最近露出が減ってますが、時折更新されてます。

豊かな恵みの意味するところ

2005-08-15 | 美味
これ、なんだかご存知ですか?
エビみたいに丸まっていて、シャコみたいな手もついています。

有明海で「マジャク」と呼ばれている珍味。
ヤドカリのお仲間で、学名は「アナジャコ」といいます。
形はシャコと少し似ているんですけれどもシャコとは別種。
大きさは体調10cm程度で殻も柔らかいえ、茹でたりから揚げにしたりして、頭から丸ごと食べます。
実はこれは父の日にうおたけの通販を利用して父の日に贈ったもの。
有明海沿岸で育った父にはきっと喜んでもらえると踏んでいたんですよ。
でも…。微妙な反応だったらしいんですよ。原因はなんでしょうかね?

やっぱりこのお顔ですかね。コワイですか。目が退化しちゃってますね。
ずっと干潟の中で生活しているから必要ないんですね。きっと。

私が実家に帰るまで冷凍庫でやつらは眠っていたんですよ。
でも解凍したのと揚げなおしたのと、食べてみたんですけれど…。
美味しいじゃん!!!
高知で食べたときのエガ二の内子みたいな、あるいは子持ちシャコの子の部分みたいな美味しさもあるですよ。
茹でたてだったらもっともっと美味しいはず。ざんねん。
やっぱりできればその地で食べてみたい!!

「まじゃく」は、筆を使った伝統的な捕り方があるのだそうです。
マジャクの棲家らしき穴を見つけたら、筆を入れます。そうすると、マジャクが穴から異物を出そうと筆を掴みつつ押しあげるので、そのまま引っ張りあげて穴から取り出すのです。
父が、話してくれました。
有明海がもたらしてくれていた恵みのこと。
マジャクのほかにも、シャコやトビハゼやムツゴロウを捕ったこと(でもカンタンにたくさん釣れるわけではないこと)。
でも干潟の浅瀬では、子供でも、アサリや赤貝なら、どれだけでも、今では考えられないほどの量が捕れたこと。

日本の干潟は激減していて、係争中の諫早干潟(a)なども含めると戦前の約半分くらいに減っている(b)のだけれども、現在残されている干潟のうち、その40%は有明海に残されている(c)と云われています。
こんなに美味しいモノがあって、そしてその地域でなくては捕れないモノがある。私にはそれこそが基準です。「生きていくこと」や「生かされていること」の大切さは、「食べること」の中にこそ隠れているって思うのです。

【参考】
a.ISAHAYA HIGATA NET
b.NACS-J ~藤前干潟の保全に関する要望書・資料
c.WWFジャパン ~WWF有明海プロジェクト

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4 コメント

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お父さん (こちろう)
2005-08-15 15:03:22
>有明海沿岸で育った父

ココに反応してしまいました。



長崎、佐賀、福岡、熊本のどこかですね。

私は高校まで佐賀で暮らし、今も母が佐賀におります。先月も帰省してきました。小学校のころ、親戚の家に行って、そこのおじさんによる、潟スキーでのムツゴロウ釣りを見たことがあります。知ってますか?「ガタスキー」。
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ちょっと不気味 (家鴨)
2005-08-15 17:57:51
穴ぽこに筆を入れるって漁(?)、テレビで見た事ありますー。

そういや、これを獲っていたのか。

なんだか不気味なお姿ですね。

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粒子の細かい泥たちのおかげ (きく)
2005-08-15 19:48:58
こちろうさん、こんばんは。

ガタスキー、私も見たことあります。

今はガタリンピックなどが行われていますものね。



干潟のなんともぬるぬるしたあの感覚はとっても不思議なのですよね。

たくさんの生き物たちがあの中に隠れているのに、素足を突っ込んでもはさまれないのが、不思議だなぁって思うんですよ。
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実物を目の前にするともっと不気味 (きく)
2005-08-15 19:54:43
家鴨さん、こんばんは。

マジャク釣り大会なんてのが、各地の干潟で行われているらしいので、その模様がテレビで取り上げられていたのかもしれないですね。

ホンモノを目の前にすると、さらに不気味ですよ。

でも殻が柔らかくってとっても美味です。

ふしぎふしぎ。
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