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ウナギの「完全養殖」に向けて人工孵化に成功

2024-02-28 10:32:29 | 自然
ウナギは何となく夏の物というイメージがありますが、いつ食べても美味しい食材です。

このウナギはほとんどが養殖で、私の会社も宇部の方の工場で出てくる温排水を使ってウナギの養殖をしていました。これはいろいろ難しい問題があるようで、宇部研究所に水産技術研究所を併設し研究を行っていました。

私も見学に行ったことがありますが、プールのような大きな水槽にウナギが泳いでいるのを見た記憶があります。この売り上げなど見たことがありませんので、社員が消費する程度だったのかもしれません。

こういったウナギの養殖は完全養殖ではなく、シラスウナギと呼ばれるいわば稚魚を捕獲して、育てるものでした。近畿大学水産研究所は、昨年二ホンウナギの完全養殖に成功したと発表しました。

人工孵化で育ったオスとメスから得られた「第2世代」の受精卵が昨年7月に孵化し、10月中旬「レプトセファルス」と呼ばれる柳の葉のような形の赤ちゃんウナギが約600匹育ったようです。

自然界でウナギが生まれるのは日本から南へ2500キロ離れた太平洋・マリアナ海溝付近で、産卵期を迎えた成魚は夏にこの海域で卵を産みます。

孵化した赤ちゃんウナギは、海流に乗って移動しながら成長し、冬頃に細長い形のシラスウナギとなって日本沿岸にたどり着くことが近年分かってきました。ウナギの大半は養殖ものですが完全養殖ではなく、捕獲したシラスウナギを育てたものです。

完全養殖で難しいのが、環境の変化に非常に弱い受精卵をシラスウナギまで育て上げることのようです。近畿大学は、質の良い受精卵を得る方法や手間がかからないエサの開発など課題は多いが、実用化に向けて研究を進めたいとしています。

日本人が2022年に食べたウナギは5万8000トンで、うち3分の1が国内で養殖された二ホンウナギです。しかし乱獲や護岸工事などの影響で、1963年に232トンだった国内のシラスウナギ捕獲量は、2023年には5.6トンと40分の1に激減しています。

そのため国は2050年までにシラスウナギをすべて天然から人工生産に替える目標を掲げています。課題は生産コストで、天然のシラスウナギは1匹当り180〜600円ですが、水産研究・教育機構によると、人工では2016年当時、1匹2万8000円となったとしています。

同機構によると、量産化を進め2020年には3000円まで下がりました。今後は1匹1000円を目指し、数百円の上乗せでかば焼きが食べることが可能になるなら、理解も得られるのではと語っています。

このところ二ホンウナギは非常に高価になっていますが、早く安くて美味しいウナギが出ることを願っています。


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