ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「かゆい」と「痛い」は全く別物という事実

2023-10-24 10:32:53 | 健康・医療
私は比較的「かゆみ」には強く?、どこかかゆいところがあっても我慢してしまうことが多いような気がしています。

最近は「かゆみ止め」の良い薬があり、虫刺されなどでかゆくなっても塗れば治まってしまうことが多いようです。このかゆみの感覚というのは、なかなか面白い現象のような気がしています。

このかゆみは一般的には、皮膚で感じてから脳で認識するまでの神経伝達のスピードが異様に遅い情報のようです。一度かゆみが生じると、それを鎮めるのは簡単ではなく、かきむしって皮膚を傷つけそれが原因でさらに皮膚がかゆくなるという悪循環が生じます。

早期にこの悪循環を断ち切らないと、「かゆみ」が慢性化してしまいます。かゆみを「かきたい衝動を引き起こす不快な皮膚の感覚」と医学的に最初に定義したのは、ドイツの神経生理学者でした。

この定義では、いわゆる掻爬(かきむしり)を生じさせる感覚はすべて「かゆみ」に該当します。その症状は一様でなく、発症原因やそのメカニズムも複雑なものになります。

もともとかゆみは、異物を物理的に取り除くために必要な、重要な生体防御反応のひとつであったと考えられています。かゆみは、皮膚の感覚受容器が受け取った刺激が引き金となって生じる感覚のように思われますが、それだけではなく、脳などの中枢神経系で発生した刺激が原因で発生するものもあります。

つまりかゆみは皮膚に刺激があったからかゆいと感じるものと、脳がかゆいと感じたから皮膚がかゆくなるものの2種類があるのです。健常な人でも、皮膚が特に刺激されたわけでもないのに、無性にかゆくなることが頻繁に起こります。

さて「かゆみ」とよく似ているのが「痛み」という感覚です。かゆみも痛みもいずれも不快な感覚で、生体にとって不都合な状態や危機的状況が起きていることを脳に伝える役割を担っています。

その後の研究で、痛みを抑えるモルヒネを投与しても、痛みは軽減するもののかゆみが増すことが分かり、痛みとかゆみとは「別の感覚」という意見が出てきました。病的なかゆみをとっても、主な区分だけで4種類があります。

1.乾燥肌など皮膚の異常に伴うかゆみ、2.腎臓や肝臓などの内臓疾患に伴うかゆみ、3.抹消や中枢の神経障害によって起こるかゆみ、4.精神疾患に伴うかゆみ、などです。

それぞれのかゆみの発生原因は異なっており、発生メカニズムもそれぞれ異なり、解説するには分厚い専門書が書けるほどとしています。結局虫刺されのかゆみなど以外は、注意すべき病気の症状として捉える必要がありそうです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿