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なぜヒトの睡眠は2種類あるのか

2024-05-24 10:32:37 | 自然
私は健康は食事と睡眠からをモットーにしています。食事に関してはかみさんに任せていますが、それなりに注意しているようです。

睡眠に関してはゆっくり眠れるように工夫していますが、大体7時間か7時間半ぐらいで自然に目が覚めています。途中トイレに行ったりもしますが、すぐ寝つけており今のところ問題はないようです。

睡眠に関してはなぜレム睡眠とノンレム睡眠があるのかは疑問ですが、実はこれは非常に難しいようです。

地球上全ての生物が共通の祖先からその子孫へ枝分かれしながら進化したとする進化系統樹に沿って動物の睡眠状態を観察すると、系統的に古い順に昆虫、魚類、両生類、爬虫類くらいまではレム睡眠もしくはそれに類似した行動しか認められません。

レム睡眠に類似した行動とは、巣穴など安全な場所で一定時間周期的に動かなくなる現象のことで、レム睡眠中は骨格筋が弛緩する特徴があり、その原型がこの不動状態だと考えられています。

一見生き残りには不利とも思える不動状態を特徴とするレム睡眠が自然淘汰の過程でなぜ残ったのでしょうか。何らかのメリットがあるはずで、「巣穴でじっとしていれば外敵に遭遇せず安全だから」「筋肉の収縮は大きなエネルギーを消費するため、レム睡眠状態になることで省エネと飢餓対策になる」など諸説あります。

一方のノンレム睡眠がしっかり認められるようになるのは、系統的により新しい鳥類や哺乳類からです。進化が進むにつれてノンレム睡眠の発生源である大脳皮質や間脳と呼ばれる新しい脳が発達するためです。

特に大脳皮質が発達した霊長類では、ノンレム睡眠の中でもより深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の占める比率が大きくなります。深いノンレム睡眠中には大脳皮質の活動性の指標である脳波は、周波数の遅いデルタ波が大部分となります。

実際脳の温度や脳血流は低下し、大脳皮質細胞のエネルギー源である糖の利用率も下がるなど代謝も減少します。これらのことから、深いノンレム睡眠は「覚醒中にオーバーロードになった大脳皮質細胞のクールダウン」のために進化の過程で出現したなどの説が提唱されるようになっています。

レム睡眠の出現時刻は体内時計で決まっていることが先行研究から分かっています。実際寝ついてからの90分〜120分経った頃に最初のレム睡眠が出現しますが、その持続時間は短いです。睡眠後半になるほど持続時間が長くなり、明け方のレム睡眠が最も持続時間が長くなります。

このように体内時計で決まっているレム睡眠と、脳を休ませるためのノンレム睡眠の組み合わせてよって、理想的な睡眠が得られているといえそうです。


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