ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

農薬は洗えば落ちるのか

2020-09-15 10:27:13 | 
野菜はよく洗い果物は皮をむいて食べれば、農薬の心配はないというのが一般的な情報のようです。

しかし最近は作物の内部に浸透して高い殺虫効果を発揮する「浸透性農薬」の人気が、生産者の間で高まっています。このタイプは成分が作物内に残留しやすいため、表面を洗ったり皮をむいたりしても落ちず、従来の常識が通用しないようです。

浸透性農薬は水溶性のため土や作物に散布すると、殺虫成分は実の表面などから水と一緒に吸収され、植物の組織の隅々まで行きわたります。作物全体が殺虫剤と化し、その一部をかじった害虫は神経をやられて死に至ります。

作物の内部に染み込んでいるためせっかく散布した農薬が雨で洗い落とされるといったロスも少なく、農家にとっては便利な農薬といえます。

浸透性農薬を代表するのが、ネオニコチノイド系と呼ばれる殺虫剤のグループです。1990年代に普及し始め、現在日本を含め世界で最も人気の殺虫剤といわれています。日本では野菜や果物の栽培のほか、稲作にもよく使われています。

最近ネオニコチノイド系農薬は、人体への影響が強く懸念されています。欧州連合(EU)の専門組織で、食品の安全性評価を担う欧州食品安全機関は2013年、ネオニコチノイド系のアセタミプリドとイミダクリプトに関し、人の神経の発達や機能に影響を及ぼす可能性があるとの見解を発表しました。

ネオニコチノイド系農薬は、人だけでなくミツバチやトンボといった身近な昆虫、様々な種類の野鳥、ウナギやエビなどの魚介類、野生の哺乳類の繁殖にも深刻な影響を与えているとの報告が相次いでいます。

このためEUやカナダ、韓国、台湾など使用禁止や規制強化に踏み切る国や地域が、ここ数年で急速に増えています。

この残留農薬量を農民連食品分析センターが実験しました。市販の長野県産と山形県産のリンゴ4種類を使い、皮と果実に残留している農薬を測定しました。

アセタミプリドは4種類すべてに残留しており、皮の部分には平均0.578マイクログラム、果肉の部分には2.040マイクログラム検出されました。比率的には、リンゴ1個に残留しているアセタミプリドの78%が果肉に残留している計算となります。

病気の予防に使われる殺菌剤も数種類の残留がすべてのリンゴで確認されましたが、残留していたのはほとんどが皮の部分でした。こういった結果が出ると、日本でもこういった農薬の使用禁止や規制強化がされると思われます。

ただ私としては、たとえリンゴを10個か20個一度に食べたとしても、人間に害を与える有効濃度にははるかに及びませんので、安全面では問題ないと思っています。

ただ農薬などが(有害でなくても)わずかでも残っていると、拒否して有機栽培に手を出すという消費者心理は分からないでもありません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿