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急性から移行する慢性心不全

2020-03-14 10:20:14 | 健康・医療
心不全は、心臓の機能が停止したという意味での死因としてしか認識されていませんでした。

しかし高血圧や高血糖などが原因となり、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や心臓弁膜症を発症することで、全身に血液を送り出す機能が低下し、呼吸不全やむくみなどの症状を少しずつ自覚するようになり、心不全を発症します。

心不全は急性期から慢性期まで診療は広範囲に及ぶようです。その中でも「慢性心不全」は大きな社会問題となっており、治癒することなく憎悪と寛解を繰り返すため、早期発見と早期の治療開始がカギとなります。

全身に血液を送り出すポンプ機能の役割を果たしている心臓は、機能が低下すると内臓だけでなく手足を含めた各臓器に栄養や酸素を十分に送り出すことができず、臓器障害を引き起こすことがあります。

その結果全身の倦怠感やむくみ、歩行や階段昇降時の息苦しさなどの自覚症状が生じてきます。倦怠感やむくみは心機能の低下が進行するにつれて強くなり、起居などの日常活動への影響も招き、生活の質(QOL)に大きく影響を及ぼすようです。

本来は自覚症状が出る前に発見して治療を開始するのが良いのですが、患者の大半は急性心不全の症状を発症してから受診しているため、どうしても治療開始が後手に回ってしまうようです。

診断と治療の開始が遅れればそれだけ症状が悪化し、機能の維持が難しくなるためです。実際問題としては、自覚症状がないのに受診することは無いため、下肢のむくみや血液検査のBNPという心臓の内圧を反映する数値などを参考に受診すると良いとしています。

急性心不全を起こした後では、投薬などを重ねてもなかなか心臓機能の回復は期待できず、治療は病状悪化を抑制し、心不全再入院を回避することを目標に掲げています。

心不全が進行すると、心臓の機能低下だけでなく日常の活動量の低下という問題も生じます。この結果として、運動に必要な筋肉量が失われるサルコペニアや、身体機能が低下するフレイルなどの問題も生じてしまいます。

2019年に心不全のガイドラインが改定され、急性・慢性心不全診療ガイドラインとして発行されました。

しかし多くの循環器専門医は内容を把握していますが、一般内科を専門にしている実地の内科医には必ずしも浸透しているわけではなく、どれだけ心不全診療に結びついているかは疑問視されています。

この辺りは我々患者側はどうすることもできませんので、息切れやむくみで心配になったら、かかりつけの医師に相談し、専門医を紹介してもらうのが良いのかもしれません。


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