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脳グリコーゲンと認知機能

2019-11-27 11:25:53 | 健康・医療
運動は毎日やるよりも1~2日おきにやる方が良いという説があるようです。

「超回復」といって運動により筋線維の一部が破断したり、筋肉のエネルギー源となるグリコーゲンが枯渇したりした後に24~48時間休養を取ると、前より筋力や持久力がつくためとされています。

この超回復が脳でも起こる可能性が、筑波大学の研究グループによって示唆されました。この研究の前提として、持久力を損なう原因である運動時の疲労とは、必要な力が発揮できなくなった状態と定義し、末梢性の筋肉の疲労と中枢性の脳の疲労によるようです。

中枢性の疲労とはマラソンランナーがコースを間違えたり、ゴール後に倒れこんだりする状態です。末梢性の疲労の主な原因は、筋のグリコーゲンの枯渇によるエネルギー源の不足とされています。

研究グループは、運動機能や認知機能が低下してしまう中枢性疲労も同様に、脳グリコーゲンの枯渇が要因ではないかという仮説を立てました。

動物の貯蔵糖質であるグリコーゲンは、運動時の筋肉の重要なエネルギー源となり、持久性に寄与することはよく知られています。脳のエネルギー源については、これまで血液由来のグルコースのみであると考えられてきました。

しかし最近研究では、脳にもグリコーゲンが貯蔵されていて、それが認知機能を支える重要なエネルギーとなることが分かってきました。

脳は神経細胞(ニューロン)とグリア細胞、血管という3つの細胞や組織から構成されています。グリア細胞の一種のアストロサイトに貯蔵されているグリコーゲン由来の乳酸が、運動時の脳の重要なエネルギー源として、持久性の維持に貢献することが明らかになりました。

運動時に筋肉で産生される乳酸が、脳の活動を担うニューロンのエネルギー源になることは知られていました。研究グループは、筋グリコーゲン由来の乳酸だけでなく、脳グリコーゲン由来の乳酸によって運動時の脳の活動が維持されることを明らかにしました。

ラットに疲労困憊運動をさせて脳を調べても、グリコーゲンはラットの死後すぐになくなってしまうので、なかなか測定できなったようです。そこで研究グループは、独自の長時間運動ラットモデルとマイクロ波照射装置によって、脳グリコーゲンを測定解析し仮説を実証しました。

また筋肉で超回復が起こるような条件で、やはり脳でも超回復が起きていることも発見しました。確かに骨格筋グリコーゲンが増えるような状況で、運動や認知をつかさどる大脳皮質と海馬でグリコーゲン濃度が増加しました。

この研究が通常の認知機能のアップにどうつながるかは分かりませんが、グリコーゲンを高める食事法などが有効なのかもしれません。


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