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コロナ禍での昨年度医療費の減少

2021-11-02 10:25:54 | 健康・医療
コロナ感染者数は落ち着いてきており、重症者も減少し収束した感が出てきました。

厚生労働省から8月に2020年度の概算医療費の詳細が発表になりました。年間医療費はこのところ毎年増加していましたが、昨年度は42.2兆円となり3.2%の減少となりました。

減少額は一昨年が43.6兆円でしたので1.4兆円程度となりますが、本来例年通り2%程度の増加するであろう点を考慮すると、大幅な減少と言えるようです。単純減少額、減少率ともに1954年以降で過去最大となっています。

医療費減少の要因として、患者の受診控えと病気そのものが減少したためと考えられています。病気の減少は奇妙に感じるかもしれませんが、昨年度はインフルエンザの流行が無かったことなどが挙げられるようです。

それでも一番の要因はコロナの影響で、軽症の患者が医療機関への受診を控えたことが大きいと思われます。本来受診の必要がない人の過剰医療が適正化されたという側面が大きいのですが、治療が必要な患者が受診を遅らせることで病気を悪化させるリスクも少しはあったかもしれません。

もうひとつは人々がコロナの感染対策として、石鹸での手洗いや消毒、マスクの着用などを徹底した結果、他の感染症の拡大が防止できインフルを含む風邪などや食中毒などが減少したためと考えられます。

この減少は日常の公衆衛生の対策の重要性を示すものと言えます。今回の厚生労働省から公表されたデータでは、こういった要因ごとの減少の内訳をみることができませんが、こういった要因分析が進むことを望んでいます。

月ごとの動きを見ると、最初の緊急事態宣言が発令された2020年4〜5月には、対前年同月比で10%以上の大幅のマイナスになっています。その後マイナスの率は縮小していますが、2回目の宣言の2021年1月にはまたマイナス幅が拡大しています。

このように緊急事態宣言が医療費抑制につながるというのは面白い事です。その他1人当たりの医療費の変化では、未就学者と75歳以上の高齢者の減少が大きくなっています。

小さな子供は早めの受診が必要ですので、この部分が減少したのは問題ですが、高齢者の減少は過剰医療の適正化として良いことだと思っています。

また診療科ごとの増減を見ると、ほとんどの診療科で減少していますが、産婦人科のみ増加しています。減少が大きかったのは、小児科や耳鼻咽喉科となっています。このあたりは小さな子供が受診控えてしまった結果のようです。

このコロナで医療費の減少といった事態が、コロナ終息後どうなるのか(まだ収束していませんが)興味があるところですが、特に高齢者はあまりにも過剰医療がひどかった気がします。

コロナが治まればまた高齢者の病院通いが始まるのか、この流れが続くのか注視したいと思っています。


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