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ガン補完代替療法の効果は

2019-12-06 10:34:33 | 健康・医療
遺伝子変化で発症するガンは1981年以後日本人の死因のトップであり、高齢者ほど発症しやすく、高齢化社会を迎えた日本は、今後もガン患者の増加はほぼ確実と思われます。

ガン治療は過去四半世紀で急速に進歩したものの、ガン細胞はヒトの正常な細胞を超える様々な生存の仕組みを持っており、その制圧はまだまだ困難です。

現在はガンも含めさまざまな病気の治療については、関係する専門家が結集した医学系学会で過去の研究結果を批判的に吟味し、そのうえで科学的根拠に基づいて一定の効果が認められる治療法を「標準治療」としてまとめた「診療ガイドライン」が存在し、治療はおおむねこのガイドラインに沿って行われます。

ネットなどの色々な広告媒体では、こうした標準治療に該当しない健康食品などにより「ガンが消えた」などとする情報にあふれています。

こういった健康食品や特殊な効果を謳った様々な商品や治療法など、標準治療に分類されていない治療法は、医学的に「補完代替療法」と総称されます。

2001年に厚生労働省ガン研究助成金による研究班が、全国にあるガンセンターやホスピスなど56施設に入院または通院するガン患者の補完代替療法の利用に関する、全国規模の実態調査を初めて実施しました。

この結果回答者3461人で1種類以上の代替療法を利用している患者の割合は44.6%と半数弱に上りました。利用している代替療法は、キノコやハーブなどの健康食品・サプリメントが最も多く96%、次いで気功4%、鍼と灸が各4%などでした。

この利用していると回答したガン患者が、それにかけている費用は月平均5万7000円にも達しています。2018年の給与所得者の平均年間給与は441万円ですので、代替療法を利用しているガン患者は、年収の10%以上をこの治療法につぎ込んでいることになります。

当然専門家は、こういった代替療法に科学的根拠はなく、効果は期待できないとしています。こういった代替療法に頼るのは、やはりまだ標準医療に問題があるからでしょう。

ステージが進んだガンの余命が2か月だったものが、1年になり大きく進歩したなどと言っている間は、代替療法の方が良いのかもしれません。ガン患者にとって余命が2か月から1年に延びることは、何の意味もないことです。患者は単純に治してほしいのです。

こういったことから、私は代替療法にもいわゆる「プラセボ効果」が出るのではないかと思っています。何の効果もないはずのプラセボ(偽薬)で、約20%の患者が良くなってしまうというのは製薬業界ではよく知られた事実です。

プラセボで治るというのは何の科学的根拠はありません、というより医療関係者は無視して調べようとしないのかもしれません。このプラセボ効果については改めて書くつもりです。


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