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直腸ガンのリスクと最近の治療法の進歩

2023-05-22 10:33:08 | 健康・医療
少し前に有名人が直腸ガンで亡くなり色々と話題となっています。かなり前ですが私の職場の同期が直腸ガンで亡くなりましたが、彼は気の毒な経緯でした。

彼は元々痔もちで中年になってからひどくなり、手術をすべきかを悩んでいたようです。痛みや出血などもあり結局手術したのですが、痛みが治まらず検査しなおしたところ直腸ガンの末期であることが分かりました。

どうも直腸ガンの症状を痔のためと考えていたため、手遅れになってしまったようです。さて大腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の6つの部位から構成されています。

直腸ガンは肛門に近い部位にあり他の部位の大腸ガンと異なる手術方法が必要であるため、他の大腸ガンと区別して扱うことがあるようです。初期の直腸ガンには症状はありませんが、ガン検診で発見し治療することでガン死亡率が下がることが分かっています。

日本では40歳以上の人は年1回、便の中のわずかな血液を検出する便潜血検査が推奨されています。海外では検診目的の大腸内視鏡をしてもよいとする指針もありますが、便潜血検査と比べると負担が大きく、一律には推奨されていません。

かみさんが大腸内視鏡検査を受けましたが、前日からの色々な準備で本当に負担が大きいと感じました。進行すると便に血が混じったり便が細くなったりといった症状が出ます。さらに進行すると便の通り道をふさいで、便秘になったり腹痛を起こしたりします。

これらの症状は下行結腸ガンやS状結腸ガンでも起こるようです。直腸がんのリスク因子は他の大腸ガンと共通しており、動物性脂肪や肉類、特に赤肉(哺乳類の肉)や加工肉の過剰摂取、喫煙、飲酒、運動不足、野菜の摂取不足、肥満、家族歴などとなっています。

こうしてリスク因子を見るとよく言われることではあるのですが、本当にリスクになるのかは怪しい気もします。

直腸ガンの治療法は、ガンの進行度によって変わります。ステージ1であれば、腹腔鏡による直腸切除及びリンパ節切除で済みますが、一次的に人工肛門を作ったり、便の回数が多くなるなどの後遺症は出るようです。

さらに進行しリンパ節に転移していたり直腸の外側まで広がっていたりした時は、抗ガン剤治療が行われます。ステージ4の大腸ガンは、有効な抗ガン剤治療が無かったころの生存期間の中央値は6〜8か月でしたが、現在は30カ月以上にも改善しています。

2022年に「ドスタルリマブ」という免疫チェックポイント阻害剤が、局所進行直腸ガンの12例中すべてでガンが消失したという報告があります。

私の希望的観測では、手術なしに薬だけで直腸ガンが治る時代がやってくるのかもしれません。


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