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30年以上放置されてきた「少子化問題」の本質 その2

2023-03-15 10:32:28 | 時事
前回「少子化問題」は30年以上放置されてきたことを書きました。

出生数が80万人を割り込んでおり、このまま人口減少が続けば1億人を切ってしまうのはそれほど先ではないという予測もされています。

岸田首相も「異次元の少子化対策」と騒いでいますが、このトレンドを反転させることは極めて難しいといえそうです。これまでの出生数減少で、出産可能な年齢の女性人口が今後どんどん減少していくためです。

厚生労働省の人口動態統計によれば、2021年に出産した女性の9割近くが25〜39歳となっていますが、この女性人口と25年後にこの年齢に達する0〜14歳の女性人口を比較すると約25%も少なくなっています。

わずか25年でここまで「少母化」が進んだのでは、何らかの対策が講じられて仮に出生率が上昇したとしても、出生数は減り続けてしまいます。少子化の理由をめぐっては専門家などがさまざまな分析を加えていますが、この「少母化」こそが本当の原因ではないでしょうか。

これは政策によって解決できる問題ではありません。さらにある専門家によれば、日本社会は「低出生率の罠」にかかっているとしています。

合計特殊出生率の低迷が長期化して出生数が激減していくと、当然社会は子供が少ないことを前提として形作られて行きます。こうなると子供を持つ人の経済的コストは増加し、いつしか子供を持つこと自体が負担となり、「損なこと」と受け止める価値観が定着し始めます。

こうして人々が子供を持とうとする意欲を失っていきます。こうした一連の状況をさして「低出生率の罠」と呼ぶようです。これは簡単にいえば子供向け産業の需要の減少です。

出産費用や教育機関の授業料の値上げが続いているのも、「低出生率の罠」の影響といえるのかもしれません。ただこの辺りは政策によって改善することは可能な分野であり、何らかの対策を期待するところでもあります。

少母化対策としては、近年下がり続けている結婚率を上げる工夫が必要ではないでしょうか。数字は出しませんが私のような団塊の世代がほぼ100%の結婚率に対して、現在は大幅に減少しています。

当時活躍した「お見合いおばさん」の減少が婚姻率を下げ生涯未婚の人たちが増えている原因とする説もあります。もちろん子供支援を拡充することによって、育てやすい環境を作ることは必要ですが、結婚する人の数を増やすことの取り組みがまず必要な気がします。

少子化問題を長年先送りしたことによる「少母化」は避けられませんが、せめて現在の若者の多くが結婚したくなるような環境づくりが必要なのではないでしょうか。

既に「危険水準」にある今の日本にとっては、出生数の減少スピードを幾分なりとも遅くするだけでも意味がありそうです。


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