ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

進化し続ける喘息治療「自己注射療法」

2023-03-14 14:08:55 | 健康・医療
私の母は喘息に悩まされており、発作が出そうになるとステロイドを飲んで対処していました。

80歳を過ぎ認知症の症状が出始め自分で対応できるかを気にしていましたが、この頃から喘息がすっかり治まってしまいました。この辺りはヒトの身体の良い仕組みなのかもしれません。

私も10年ほど前ひどい咳に悩まされ、呼吸器科で喘息という診断を受け吸入薬を処方されましたが、その後すっかり治まりもう気にする必要は無くなったと感じています。

喘息は日本人の5〜10%が持っているありふれた病気で、慢性的に咳が続いたりひどい発作が出ることもあります。喘息治療は急速に進歩しており、最近は自宅で「自己注射」の治療を受ける患者も増えてきたようです。

喘息は何らかの刺激によって一時的に気管支が狭くなり、咳が出る病気です。悪化と改善を繰り返すことで、健康な気管支と比べて喘息の気管支は細くなっています。ほとんどの喘息はアレルギーによるものですが、気管支が過敏な人は軽く運動しただけでも咳が出ることがあります。

あまりにも狭くなると、増悪(発作)と呼ばれる状態になり、夜も眠れないほどぜえぜえ、ヒューヒューと呼吸がつらくなってしまいます。喘息と似た症状で、寒暖差で起こる乾いた咳では、咳喘息の可能性もあります。

喘息は吸入薬を使ってコントロールしますが、炎症を抑えるステロイドを吸入して、狭くなった気管支を穏やかな状態に保つ効果があります。国内で吸入薬が使われ始めたのは1970年代で、2000年以降たくさんの吸入薬が発売されました。

吸入薬が普及するまで喘息の死者数はかなり多かったのですが、最近は亡くなる患者は減り吸入薬は喘息の歴史を劇的に変えています。しかし重症のアレルギーを持っている人や、長い間喘息を患っている人は、喘息のコントロールができないことがあります。

そこで登場したのが、身体の喘息の反応を抑えるモノクローナル抗体と呼ばれる注射薬です。アレルギーに関与する物質をブロックする抗体を定期的に体内に注射することで、喘息を改善することができます。

コロナ禍において人前で咳をすると白い目を向けられ、つらい思いをした喘息患者は多いのですが、注射薬によって復職できたという患者もいるようです。2〜4週ごとの自己注射なので、定期的に自宅で注射すればよいというのがメリットとなっています。

この注射薬は主に重症の患者に使用されますが、吸入薬が喘息の歴史を変えたように、注射薬もまた歴史を変える薬といえるようです。

ただし注射薬は抗体ですのでどうしても薬価が高くなり、高額医療制度を適用する必要が多くなるのが問題かもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿