ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

プラセボ(偽薬)を使って本当に病気が治るのか

2021-06-27 10:33:49 | 
このところ「プラセボ(偽薬)効果」とホメオパシーとの関連につていろいろ述べてきましたが、なぜプラセボ効果が生じるのかについて私見を書いてみます。

私は長年創薬研究を行ってきましたが、その中で薬は本当に病気を治しているのかという疑問を持っていました。これは大部分の薬が「対症療法」であって、なぜ病気になったのかの原因を治す薬がほとんどないためです。

つまり例えば降圧剤にしても、なぜ高血圧になったかの原因を治療するものではなく、高くなった血圧を下げるだけの薬です。それでも薬を飲めば病気が治ることも確かです。

そこで私は次のような仮説を考えてみました。病気の症状(痛み、発熱、炎症など)を薬によって抑えていると、その間に人間の持つ恒常性維持機構(常に健康な状態を維持する機能)が働き、病気の原因となった部位を修復するのではないかということです。

この思いは色々な病気の薬(実際にはある症状を抑える薬)のメカニズムなどを知れば知るほど、強くなってきました。このブログの副題である「病気を治すのは薬ではなく自分自身」は、こういった意味を込めて書いています。

何万とある薬の中で「抗生物質」は、病気の原因となる病原菌を抑える薬と言えるかもしれません。それでも抗生物質は病原菌を殺すのではなく、増殖を抑える薬(静菌作用)です。

従って侵入してきた菌をすべてなくすことはできず、数が減ってきたところで人間の持つ免疫が働き、残った菌をすべて殺して病気が治ることになります。免疫機能が低下してしまうと、現在でも結核や肺炎で亡くなる人が出てしまうのはそのためと言えます。

ですから唯一に近い原因を排除する抗生物質でも、完全に治すのは人間の力と言えるのかもしれません。

頭痛がするから鎮痛剤を飲むと、その間自分自身がなぜ頭痛がするのかの原因を探し、それを治してくれるから頭痛は治まるわけです。この自分自身が治す力が弱い人は、鎮痛剤が切れると又痛くなり慢性的な頭痛になってしまうこともあるわけです。

実際に腎臓や肝臓のような臓器が痛んでしまうと、それを治すような薬は存在しません。単に臓器の機能を補助する程度の薬しか存在しないのです。これが良くなるのは、やはり自分自身が治しているということになります。

そこで先ほどの頭痛の時の鎮痛薬や機能補助剤が本当に必要かという問題になります。私は単に人間が自分の身体を治そうとするきっかけを与えているにすぎないと思っています。

こういったことから、これを飲めば良くなるはずというきっかけを与えるプラセボで、十分効果が出るのではないかというのが私の意見です。


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