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タバコ消費量は減少しているのに肺ガン死亡率は上昇

2023-10-22 10:34:59 | 煙草
昔からタバコと肺ガンの関連性は指摘されており、長年の喫煙者である私もいつ肺ガンになってもおかしくないと思っています。

数年前に政治家が、喫煙者が減っているのに肺ガン患者が増えていることに疑問を呈して物議をかもしたそうです。喫煙と肺ガンには因果関係がないともとれる発言ですが、ネット上などにはこうした言説が出回っています。

実際はもう何十年も前から喫煙と肺ガン発症には、疫学からもタバコ成分評価からも強い因果関係があるとされてきました。近年喫煙率は右肩下がりに減り続け、タバコ消費量も減少し続けています。また肺ガンの患者数や死亡率が増加傾向にあるのは確かです。

男女ともに肺ガンの死亡率は上がっており、男性の死亡率では1998年以後肺ガンが1位となっています。しかしこれは高齢化などの影響が大きいようで、それを排除した「年齢調整死亡率」という方法があります。

これはガンなどの病気は、高齢者は発症しやすくなりますので、比較する年度の高齢者割合がそのまま変わらなかったと仮定した場合の死亡率などを算出する方法です。具体的にどう計算するのか分かりませんが、統計的にはよく用いられる手法です。

この年齢調整死亡率を見ると、喫煙率が女性より高い男性の肺ガン死亡率は、1990年代の半ばから減り続けていることになります。また女性の肺ガン死亡率も、横ばいまたは漸減傾向となります。つまり肺ガンの死亡率はむしろ減っていることになるわけです。

またタバコを吸っても、すぐに肺ガンやCOPDなどにかかるわけではありません。タバコによるニコチン依存症になると、毎日間欠的に1日中タバコを吸い続けます。こうした生活習慣を長く続けた結果、喫煙者は非喫煙者の15倍から30倍という高リスクで肺ガンになるという研究結果があります。

ただし私はこの年齢調整死亡率というものに懐疑的な印象を持っています。簡単にいえば、ガンだけではなくどんな病気も年齢調整をすれば減少してしまうのです。

これは亡くなる人が圧倒的に高齢者が多いため、高齢者比率が変わらないとすると、若い人の死亡確率は低いためや、医療の進歩などにより当然死亡率は下がってしまうのです。

こういった統計処理をしたグラフで何か議論をしても、ほとんど意味が無い仮定の議論のような気がします。私は喫煙と肺ガンの関連性を否定するわけではありませんが、世の禁煙信奉者はかなり無理なこじつけをしているような気がします。


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