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生存に不利でも生き残れる「自然淘汰」の不思議

2021-05-25 10:25:53 | 自然
生物の進化というのは本当に面白いものですが、環境に適応するように進化すると考えられています。

生物の進化は基本的には遺伝子の突然変異によって何らかの変化が起き、それが環境に即していれば生き残り、適していなければ滅んでしまうという、いわば結果論ともいえます。

これを「自然淘汰」と呼んでいますが、生きていくために不便な特徴が進化することもあるという記事を読みました。生きていくために便利な方向よりも、子孫をより多く残せるような方向に進化することを「性淘汰」と呼んでいます。

その代表例として、ここではシュモクバエを取り上げています。シュモクバエは主にアフリカやアジアの熱帯に生息するハエで、左右の眼が非常に離れています。頭部から眼柄(がんぺい)と呼ばれる棒のような構造が左右に伸びており、その先端に眼がついています。

眼柄はオスにもメスにもありますが、特にオスの眼柄は長く、片側だけで体調を上回ることさえあるようです。この眼柄は非常に長いので、飛んだり獲物を取ったりするには邪魔になりそうで、生きていくためには不便な特徴と考えられます。

ところが長い眼柄を持ったオスには多くのメスが寄ってくるのです。オスはなわばりを持っていますが、ここに他のオスが来ると眼柄が長いオスがその縄張りを持つようになるようです。つまり長い眼柄をもつことで、より多くの子孫を残すことができるシステムとなっています。

このような進化のメカニズムを通常の自然淘汰と区別して性淘汰と呼ぶこともあるとしています。自然淘汰は「生存」に有利になるように働き、性淘汰は「繁殖」に有利なるように働くと表現できます。

しかし自然淘汰をよく考えていくと、より多くの子孫を残す変異が増えていくということになり、性淘汰は自然淘汰に含まれることになります。

ここではその他の性淘汰の例として熱帯魚のグッピーのオスのオレンジ色の例を挙げています。グッピーのメスはオレンジ色を好みますが、この色は外敵に発見される可能性を高めています。

つまり外敵から身を守る安全性を犠牲にしても、子を残す可能性の高い進化が残ったということになるようです。こう見ていくと生物の進化というのは不思議なことが非常に多くありそうです。

非常に奇妙な外観を持ち生存に不利そうな生物も、性淘汰を考えると自然なことなのかもしれません。残念ながら生物の進化は何世代にもわたる世代交代の結果出てくるものですので、人がその進化を見ることはできません。

現在問題となっているコロナの変異株も、感染力が強い株が生き残るという自然淘汰の一種と捉えればこの感染を防ぐことは無駄な努力と言えるのかもしれません。


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