タイトルの幻覚剤で思い出したのですが、私が現役のころ部下が合成した化合物の構造をチェックしていた時、どこかで見たような気がしました。
調べてみると幻覚剤として当時はやり出したLSDにかなり近いことが分かりました。覚せい剤などは非常に特徴のある構造をしていますが、幻覚剤はかなり色々な構造があり気が付きませんでした。
この化合物の幻覚剤としての作用を調べてみたかったのですが、この研究所にはそういったアッセイをするところがなく確認できなかった記憶があります。こういった新しい薬の合成をしていると、偶然既存のものに似てしまうことはよくあり注意が必要です。
さて米ホプキンズ大学の研究チームは、うつ病や依存症に苦しむ患者に幻覚剤であるマジックマッシュルームの有効成分であるシロシビンを投与する治療法を研究しています。
最近の結果では、重いうつ病の患者24人に対して心理療法と併用してこのシロシビンを2回投与したところ、1年後の寛解率は58%と発表されています。幻覚剤にはLSD、アヤワスカ、メスカリンなどの意識を変容するタイプの薬物と、MDMAなどの共感を強めるタイプの薬物があります。
専門家はこれらの物質は正しく使用する限りは基本的に安全だと考えています。米疾病対策センター(CDC)によれば、多くの米国人が精神的な健康問題を抱えるなか、新しい治療薬の開発が急務となっていることが、幻覚剤の研究が進む背景にあるようです。
幻覚剤はLSDの様に合成されたものもありますが、ほとんどは天然物で植物が作り出しています。つまり製薬業界の歴史は、天然の物質をヒントにしてより安全で効果的で、副作用の少ない簡単に製造できる物質を研究室で作ることといえそうです。
幻覚剤についても、効果が表れるタイミングや強さ、持続時間も改善したいと考えています。幻覚剤は聞き始めるまでに1〜2時間かかることがあり、一旦効果が出るとLSDでは約10時間、シロシビンでは約6時間も持続します。
これは医療従事者の監視下に置くには長すぎるようです。そこで求められているのが、幻覚剤を投与してから5〜10分で効き始め、1回の治療が1〜2時間程度で終わるようなタイプが望ましいようです。
現在は天然物質を改良した分子を作り出すために、人工知能(AI)の活用が盛んになっています。AIは好ましくない副作用などの相互作用を予測することも可能となっています。新しい幻覚剤の候補を迅速に特定するための革新的な手法もいろいろ開発されています。
ここではまだ「理想的な良い幻覚剤」の発見には至っていませんが、現在の技術を使えばそう遠くない時期にうつ病などに用いる薬剤が開発できそうな気がしています。
うつ病や依存症といった治り難い病気が、簡単に治癒できる時代は近いのかもしれません。
調べてみると幻覚剤として当時はやり出したLSDにかなり近いことが分かりました。覚せい剤などは非常に特徴のある構造をしていますが、幻覚剤はかなり色々な構造があり気が付きませんでした。
この化合物の幻覚剤としての作用を調べてみたかったのですが、この研究所にはそういったアッセイをするところがなく確認できなかった記憶があります。こういった新しい薬の合成をしていると、偶然既存のものに似てしまうことはよくあり注意が必要です。
さて米ホプキンズ大学の研究チームは、うつ病や依存症に苦しむ患者に幻覚剤であるマジックマッシュルームの有効成分であるシロシビンを投与する治療法を研究しています。
最近の結果では、重いうつ病の患者24人に対して心理療法と併用してこのシロシビンを2回投与したところ、1年後の寛解率は58%と発表されています。幻覚剤にはLSD、アヤワスカ、メスカリンなどの意識を変容するタイプの薬物と、MDMAなどの共感を強めるタイプの薬物があります。
専門家はこれらの物質は正しく使用する限りは基本的に安全だと考えています。米疾病対策センター(CDC)によれば、多くの米国人が精神的な健康問題を抱えるなか、新しい治療薬の開発が急務となっていることが、幻覚剤の研究が進む背景にあるようです。
幻覚剤はLSDの様に合成されたものもありますが、ほとんどは天然物で植物が作り出しています。つまり製薬業界の歴史は、天然の物質をヒントにしてより安全で効果的で、副作用の少ない簡単に製造できる物質を研究室で作ることといえそうです。
幻覚剤についても、効果が表れるタイミングや強さ、持続時間も改善したいと考えています。幻覚剤は聞き始めるまでに1〜2時間かかることがあり、一旦効果が出るとLSDでは約10時間、シロシビンでは約6時間も持続します。
これは医療従事者の監視下に置くには長すぎるようです。そこで求められているのが、幻覚剤を投与してから5〜10分で効き始め、1回の治療が1〜2時間程度で終わるようなタイプが望ましいようです。
現在は天然物質を改良した分子を作り出すために、人工知能(AI)の活用が盛んになっています。AIは好ましくない副作用などの相互作用を予測することも可能となっています。新しい幻覚剤の候補を迅速に特定するための革新的な手法もいろいろ開発されています。
ここではまだ「理想的な良い幻覚剤」の発見には至っていませんが、現在の技術を使えばそう遠くない時期にうつ病などに用いる薬剤が開発できそうな気がしています。
うつ病や依存症といった治り難い病気が、簡単に治癒できる時代は近いのかもしれません。
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