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脳のグリア細胞がシナプスを食べ記憶を支える

2022-12-09 10:41:14 | 自然
近年脳科学が進展していますが、記憶や意識といった問題はまだ不明な点が多いようです。

東北大学などの研究グループが、脳内の神経細胞をつなぐシナプスを神経細胞の隙間を埋めるグリア細胞が食べることで、記憶の定着が進むことを発表しました。

グリア細胞は神経細胞のような活動電位を発しないため、これまで情報処理に関わらないと考えられてきましたが、この仕組みをさらに解明すれば記憶力の向上や精神神経疾患の治療に役立つ可能性がありそうです。

記憶はシナプスが新たに接続したり信号伝達が強くなったりしてできるばかりでなく、逆に接続が経たれたり不要な伝達が弱まったりすることもありますが、その仕組みは未解明でした。研究グループは脳の部位のうち、スポーツや楽器演奏のような体で覚える学習を担う小脳に着目しました。

食べられた神経細胞を見つけやすいように赤い蛍光タンパク質が働くように遺伝子を改変したマウスを作り、電子顕微鏡で脳組織を3次元で高精度に解析する方法も活用しました。

この結果グリア細胞の一種「バーグマングリア細胞」が周囲のシナプスや神経細胞の一部を食べている過程を、詳しく観察することに成功しました。さらにマウスの眼球運動から、学習や記憶への影響を調べました。

例えばヒトが電車の窓から景色を眺めるとき、景色の動きに見合うだけ眼球が無意識に動き、景色がぶれずに見える仕組みがあります。このように水平に動く像をマウスに繰り返し見せると、小脳の学習の働きで眼の動きの幅が大きくなります。

この学習をしたマウスの小脳では、バーグマングリア細胞がシナプスの一部を食べていました。この時食べないようにする薬を与えるとシナプスはあまり小さくならず、学習が抑えられていました。

またバーグマングリア細胞がシナプスを食べるために重要な遺伝子を突き止め、この遺伝子を欠損させたマウスは学習の一部が抑えられました。一連の結果からグリア細胞による記憶の新たな仕組みが判明しました。

統合失調症やアルツハイマー病などの多くの精神神経疾患では、シナプスの異常な収縮や消失が起こります。グリア細胞が食べる働きの役割や、疾患時の異常をさらに理解すれば治療法の開発につながる可能性があるようです。

またグリア細胞の食べる働きが、記憶以外にも重要な役割を持つ可能性もありそうです。以上のグリア細胞の働きについて、私が好きなサイエンスポータルからの抜粋ですが、どうもよく理解できないところがあり分かりにくい文章になってしまいました。

それでも記憶や学習といった具体的な研究が困難な分野も、脳科学の進展で少しずつ明らかになっていることは確かなようです。


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