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脳にとっての「最高の刺激」とはなにか

2023-03-20 10:34:41 | 健康・医療
近年脳科学は大いに進歩し、未知の臓器であった脳の機能などが明らかにされています。

脳の健康はその人がどのくらい長く生きられるのかを示す最も有力な指標となりそうです。その割には脳の健康を保つ方法はあまり明確になっていません。

脳には代わりがなく、基本的には生まれたときに持っていたニューロン(神経細胞)と、特定の狭い領域に追加されたニューロンのみから構成されています。衰え始めたニューロンを救い、より強くするすることはできるのでしょうか。

アインシュタインの脳を調べた研修者として知られる脳科学者は、脳の働きを向上させるのには遅すぎることはないとしています。1960年代この脳科学者は、実験用のラットの2つのグループを比較しました。

第1のグループは刑務所のような環境に閉じ込め、生きていくのに必要なエサは与えるが、脳に刺激を与えるような遊びや訓練や仲間との触れ合いはさせませんでした。

第2のグループはおもちゃやボールで遊ばせ、迷路を探検させ筋肉やニューロンに十分な血液が送られるように運動をさせ、仲間のラットと経験を共有させました。

そして両グループのラットに同じ迷路を走らせてタイムを競わせたところ、心身を活性化させる環境で飼育されたグループのラットの方がはるかに良い成績を納めました。

続いて勝者と敗者の脳を解剖して調べたところ、勝者の大脳皮質は刺激の乏しい環境で飼育されたラットの大脳皮質に比べて、より厚みがありました。大脳皮質が厚くなったラットは神経の結びつきが多く、これは精神活動が活発であることを示しています。

それまでの研究で精神の活動が脳の物理的な状態に表れることを示す具体的な証拠を集めていました。運動が筋肉を鍛えるように、学習が脳を鍛えることは明らかでした。

この研究には工夫があり、実験で使ったのは若いラットではなく、人間で言えば60〜90歳に相当する中高年のラットでした。つまりこの研究は老いたラットの脳にも新しい経験に応じて形を変える「可塑性」が備わっていることを示したといえます。

この半世紀以上前の実験結果は、ごく「当然」のような感じがします。その後脳科学は進歩し、実験方法も開発されてきましたがそういった新しい実験でも結局この古い結果を裏付けるだけのようです。

つまり脳科学によって脳のどこの部位が活性化されるかなどは分かってきましたが、基本的な活性化の方法はここに出てきた学習や仲間との共有など以上のものは出てきていません。

特にヒトの脳の活性化については、限らていますので、自分が楽しいことや友人たちとの会話などを積極的にやる程度なのかもしれません。


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