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70歳を過ぎたら大学病院に行ってはいけない理由

2022-11-21 10:37:30 | 健康・医療
最近タイトルのように、70歳を過ぎたら大学病院(これはいわゆる大病院も含みます)に行ってはいけないという論説を見ました。

私は一昨年に「75歳、医療からの卒業」という本を出しましたが、高齢になると体の部位が傷んでくるがこれは現在の医療では治らないので、痛みなど苦しみを除く以外は医療から卒業すべきだという私の持論です。

私の意見とも一致しますし、現代の医療の問題点もついていますので、ここでその一部を紹介します。

高度な専門治療が受けられ、あらゆる担当科があり色々な故障を一カ所で診てもらえるから便利として、大学病院を信頼し通院している高齢者は多いようです。しかし高齢者にとって大学病院のような大型病院には多くの問題が存在します。

多くの大学病院は「臓器別診療」が徹底しており、臓器別に専門分化されています。例えば今の大学病院のほとんどに「内科」という診療科はなく、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科などに分かれており、これは外科も同じに細分化されています。

高齢者はひとつの臓器だけでなく、複数の臓器にガタが来ているのが普通で、高血圧でコレステロール値が高く糖尿病も抱えているというケースも珍しくありません。

その場合循環器内科で降圧剤やコレステロール値を下げる薬を出され、内分泌・代謝内科では血糖値を下げる薬を処方されることになります。高齢者になるほど薬を飲んだ時の肝臓の代謝機能や、腎臓のろ過機能などは落ちて来るので、多剤服用による腎機能障害のリスクも高まってきます。

さらに治療の際も「臓器に良いもの」を「身体に良いもの」より優先してしまいがちです。こういった「臓器は診れども人は診ず」という臓器別に専門分化した治療よりも、全体を診ることができる総合診療医が必要ですが、まだまだ少ないのが実情です。

もうひとつが9割の医師が陥っているといわれる「正常値絶対主義」があります。多くの医師は健康診断などで示される数値が「正常値」を外れていると、それを正常とされる値に戻すために多剤服用を進めたり、食事制限を課したりします。

しかし臓器別診療の弊害と同じで、検査数値だけを見てそれを正常値内に収めようとすると、場合によっては多剤服用による体調の悪化など生活の質に悪影響が生じかねません。

身体のあちこちにトラブルが生じる高齢者にとってみれば、正常値から外れるのは当たり前のことといえます。また正常値に収まっていれば健康が保証されるわけではありません。

別に現在の大病院の専門医制度を否定するわけではありませんが、こういった問題のある大学病院には高齢者はいかない方が良いという結論になりそうです。


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