メンタルを保つ４つの基本的なホルモン

人間関係や仕事、恋愛、子育てなど、現代人は日々何かしらの精神的なストレスを受けています。

自暴自棄にならず気持ちを落ち着かせ、時には慰め、幸せな精神状態を保てるのは、脳内から分泌されるホルモンのおかげといえます。

メンタルにかかわるホルモンはいくつかありますが、基本的な4つが重要な役割を果たしているようです。まずは脳内麻薬ともいわれるセロトニンです。セロトニンは感情をコントロールし、心のバランスを整えてくれるホルモンです。

これがきちんと分泌されると、アドレナリンやドーパミンが暴走するのを抑え、常に心を平静に保つことができます。肉や魚、卵や乳製品、大豆食品に含まれるタンパク質は、セロトニンの原料となるトリプトファンがたくさん含まれています。

太陽の光をたっぷり浴びたり、一定のリズム運動を定期的に行うことでセロトニンの分泌量は増えるようです。セロトニンは心のバランスを整えてくれるホルモンといえます。

次が緊張や興奮で分泌されるアドレナリンです。アドレナリンは恐怖や不安を感じたり、興奮や緊張状態になって交感神経系が優位になると副腎髄質から分泌されるホルモンで、血圧を上昇させたり心拍数を増加させます。

大勢の前にプレゼンで登壇した時など、ドキドキするのはこのためです。アドレナリンが分泌されると痛みや疲れを感じにくくなったり、普段以上に力が出たりします。

競馬やパチンコなどのギャンブルにはまった時、スポーツの応援、筋トレを必死にやった時やコーヒーなどのカフェインを摂った時など、アドレナリンが出る場面は実に多いようです。最たるものが恋で、人に恋した時のドキドキはまさにアドレナリンによるものです。

その一方で、過剰な分泌は攻撃的な性格になるデメリットもあります。3番目がドーパミンで、何か嬉しいことや良いことが起きると脳内で分泌され、快感を得られるホルモンです。これが出ると意欲的になり、もっと嬉しいこと楽しいことをしたくなります。

また目標を達成し、そのご褒美としても分泌されます。好きな芸能人やミュージシャンなどの映像を見るだけでうれしく、その時は脳内にドーパミンが出まくっている状態です。恋人と付き合い始めの恋愛がすべてに優先する状態も同様です。

その一方で対象に対する依存性が高くなりすぎるのがドーパミンの欠点で、他の大事なことを放り出すようになったら危険といえます。

最後の心を落ち着かせるホルモンがオキシトシンです。不安な気持ちを落ち着かせたり、他人への信頼を回復させたりさまざまな精神的ストレス解消にもつながる大事なホルモンです。こういったホルモンが正常に分泌されることにより、安定した精神状態が保たれるようです。

これらは意識的に出したり止めたりできないものですので、自分ではコントロールできませんが、知っておくことで何かの役に立つのかもしれません。