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認知機能の衰えない高齢者「スーパーエイジャー」

2024-06-01 10:32:20 | 健康・医療
私は77歳となりましたが、それほどもの忘れなどは出てきていないような気がします。ただ昔から苦手だった人の顔と名前が本当に覚えられなくなりました。

テレビの連続ドラマなどでは、出演者が先週何の役だったかが分からず、ストーリーを理解するのに時間がかかったりしています。

新しい研究結果によると、「スーパーエイジャー」と呼ばれる少数の幸運な高齢者は、実年齢が80歳を超えているにもかかわらず、脳の健康状態は50~60代と同等の水準を維持しています。

今回スーパーエイジャーは同年代の一般的な人と比べて、記憶力や認知能力に関連する大脳組織である白質の減少が少ないことが明らかになりました。ヒトの脳は灰白質と白質という2種類の組織で構成されています。

認知に関する議論や研究でよく話題になり脚光を浴びるのは灰白質です。灰白質はニューロンが集まる脳の領域であり、学習、記憶、推論といった複雑な脳機能のコントロールセンターの役割を果たしていることから当然と言えます。

白質は脳の奥深くに位置しており、主な役割はいわば交通網のように、脳のさまざまな領域を相互に接続することです。認知機能の健康には灰白質と同様に、白質も重要だという理解が次第に深まってきました。

白質が減少して両者をつなぐ道路網がなくなれば、脳のさまざまな部位が適切に情報を共有したり、機能を調整することができずその結果認知機能が低下してしまいます。

スーパーエイジャーと他の高齢者の違いを明らかにするため、今回の研究では80代の高齢者119人を対象に10年間にわたる追跡調査を行いました。研究参加者の内訳は、スーパーエイジャーが64人、年齢相応の推理力を有する高齢者が55人でした。

研究期間中に参加者は、記憶力と推理力のテスト、定期的な採血、複数回の脳スキャンを受け運動習慣、食生活、喫煙と飲酒の有無など生活習慣に関するアンケートにも答えました。スーパーエイジャーと一般的な高齢者の主な違いは、白質にありました。

一般的な高齢者の脳では、加齢とともに白質のかなりの部分が失われたが、スーパーエイジャーでは白質は大きく萎縮することなく、その傾向は特に記憶と密接に関係する領域である海馬と嗅内皮質で顕著でした。

またスーパーエイジャーは認知のさまざまな面に関与する前頭葉の領域間における接続性も良好でした。重要なのはアルツハイマー型認知症の兆候を示した参加者が一人もおらず、認知や記憶の変化がアルツハイマー病に起因している可能性を排除できたことのようです。

私もこのスーパーエイジャーであることを期待しますが、まあ自然の成り行きに任せるしかないようです。