ごっとさんのブログ

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肥満症のクスリ2種類登場、その違いは

2024-06-29 10:34:07 | 
私は2月に新型コロナに感染し、間質性肺炎を発症して10日間入院しました。

その後後遺症もなく元気になったのですが、かなり瘦せてしまった体重がなかなか戻りません。それほどひどくはないようですが、ベルトの孔が2つぐらい小さくなってしまいました。

太っている人が体重を落とすのは大変なようですが、私のようなやせ型が太ることも思ったより大変なことです。さて肥満に加えて関係する病気などをかかえている状態を肥満症と呼んでいます。今年に入り、肥満の治療や予防のための薬が2種類発売されました。

運動や食事の改善と併せて使うことで、体重を効果的に減らせるようになると期待されています。肥満は脂肪細胞に脂肪が過剰に蓄積した状態で、肥満の度合いを示すBMIが25以上を肥満、35以上を高度肥満と日本肥満学会は定義しています。

国の2019年の調査では、男性の33%、女性の22%が肥満となっています。肥満の中でも、肥満に関係する病気などを併発している、または内臓に脂肪が一定以上蓄積している場合に肥満症と診断されます。

併発する病気には、2型糖尿病や高血圧の他、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わるものがあります。肥満症の治療は、減量によって併発する病気の状態を改善することが基本となります。

まず運動やバランスの良い食事といった生活習慣の改善を進めますが、効果が十分に出ない場合に薬物治療を検討します。これまでの治療薬は、BNIが35以上など対象が限られていました。こうした中今年2月に治療薬の「ウゴービ」が発売されました。

国内では約30年ぶりの新薬の登場となり、食欲を抑えたり満腹感を高めたりして減量をする効果があります。日本人も参加した臨床試験では、ウゴービを1年3か月使った群は体重が13%減り、偽薬のの群の2%減よりも大きく減りました。

高血圧を合併している等の使用条件があり、医師に処方してもらい週1回腹部などに注射で投与します。肥満症を予防する薬「アライ」も4月に発売されました。脂肪の吸収を抑える働きがあり、国内の臨床試験では内臓脂肪と腹囲を減らす効果が見られました。

処方箋は必要としませんが、薬剤師が直接販売する要指導医薬品に位置づけられています。購入には腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上などの条件があります。近年美容やダイエットを目的に、ウゴービと同じ成分の糖尿病治療薬が使われる事案が起きました。

ウゴービには低血糖や急性膵炎、アライにも副作用のリスクがあります。専門家はそれぞれ肥満症の専門医や薬剤師の指導の下で適切に使うことが重要と指摘しています。