男性型脱毛を飲み薬で防ぐ

ある程度の年齢になると、人間の頭髪が減っていくことが大きな悩みとなっています。

この男性型脱毛（ＡＧＡ）について医療的な対処ができるようになってきました。ＡＧＡの原因は、ホルモン（抜け毛に関わる男性ホルモンの一種のジヒドロテストステロン）と毛根周囲の血流低下とされています。

生活習慣や手入れの方法なども原因とされてはいますが、単に気分の問題で主な原因は上記2つのようです。遺伝が原因として挙げられることも多いのですが、ホルモンと毛根周囲の血流のいずれかの原因が生じやすい体質が受け継がれているという事のようです。

男性は10代後半になると、男性ホルモンのテストステロンの分泌が増えて男性らしさが増してきますが、このテストステロンが還元されたジヒドロテストステロンも増加します。

女性の場合は閉経すると相対的に増えてきますので、閉経後の薄毛の原因はやはりこのホルモンと考えられています。

最近このジヒドロテストステロンの生成をブロックし、男性ホルモンを抑えることなくほとんどの男性に劇的な効果が期待でき、副作用の心配もない治療法が出てきました。これは抜け毛ホルモンといえるジヒドロテストステロンを作る還元酵素を阻害する薬剤で、「プロペシア」など何種か開発されています。

この酵素阻害剤は、男性としての機能に悪い影響を与えることはなく、頭部の抜け毛だけをブロックするため、ほとんどの男性は安心して使用し続けることができます。

ただしこれらの酵素阻害剤の飲み薬の場合、抜け毛を防ぐことができるのは飲んだ日だけで、毎日継続して服用する必要があるため、経済的負担は軽くありません、保険適用とならない自由診療ですので、医療機関によって費用に違いも出てくるようです。

ある例では、薬代を節約するために1日置きに服用したところ全く効果が出ず、医師が毎日の服用に変えるようにしたところ、一気に効果が進み数カ月で別人のように髪の量が増えてきたそうです。

副作用としては頭髪以外の毛髪、特に手の甲や指、胸毛、下腿の毛が増えてしまうことがあるようです。特に副作用という程の問題ではないような気がしますが、同じメカニズムで生じる現象といえます。

私はこの歳までそれほど脱毛はなく（もちろん薄くはなっていますが）、あまり気にしていませんでしたが、ＡＧＡの治療がここまで進んでいるとは思いませんでした。悩んでいる人は多いはずですので、病気ではないものの保険適用になっても良いような気がします。