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ごっとさんのブログ

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日焼け止め物質は体内に吸収

2019-05-25 10:21:24 | 化学
もう日差しが強くなり、外出するときなど日焼け止めを塗る必要が出てきているようです。

私は海水浴に行ったとき以外には日焼け止めなど塗ったことはありませんが、女性にとって紫外線は美肌の大敵となっています。太陽光に含まれる紫外線(UV)が健康に悪影響を及ぼすことは、よく知られています。

陽の光を浴びるときは、皮膚ガンなどを防ぐために肌を守らなければならず、外に出るときはとにかく日焼け止めを塗るのが鉄則とされています。

ところが日焼け止めに配合される紫外線防御剤が、皮膚から体内に吸収されるのではないかという疑いが出てきました。そうなると処方箋無しで買える一般用医薬品と同じように、食品医薬品局(FDA)の許認可を得るべきではないかという議論が出ています。

こうした状況を受け、アメリカで最も一般的な日焼け止め配合成分4種類について、FDAが小規模な臨床試験を行いました。

研究チームは、日焼け止めが皮膚の表面に塗布されてからわずか数時間で、配合成分が血液中に取り込まれることを発見しました。これにより血液中の紫外線防御剤の量はFDAの閾値を超えたため、さらなる調査が必要となります。

体内への吸収は被験者24人全員で確認されました。男性12人と女性12人からなる被験者グループは、市販の日焼け止め4種類(スプレータイプ2種類、クリーム1種類、ローション1種類)からランダムに選ばれたものを、メーカーの推奨する方法に従って4日間にわたって肌に塗布しました。

具体的には、1日4回、4時間ごとに身体の表面の75%(水着をした際に露出する部分の面積に等しい)に塗布しました。研究チームは日焼け止めを使った4日間とその後の3日間の計7日間、数時間ごとに被験者から血液を採取し、オキシベンゾンなどの配合成分4種類の量を測定しました。

紫外線防御剤の吸収はどの日焼け止めでも観察されましたが、体内に取り込まれる速度は種類によって異なっていました。スプレーおよびローションの場合、血液中の化学物質のレベルは塗布をやめても実験終了まで上昇し続けました。

一方クリーム状の日焼け止めは、化学物質のレベルが低下するのは早かったようです。紫外線防御剤が体内に取り込まれると何らかの影響があるのかは、現時点では全く分かっていません。

これを調べるためのさらなる研究が必要ですが、特に乳幼児や小さな子供について緊急調査が求められているようです。こういった課題がこれから問題となるようですが、私の感じでは少量が血液中に吸収されても、全く問題ないだろうと思っています。

紫外線防御物質の構造から考えても、体内に入って何らかの作用をするとは考えにくい気がします。それよりほぼ完全な遮蔽膜である皮膚が、このような化合物を通過させてしまうというのは面白い知見と感じています。