以前タバコの害は、科学的に証明されているかは怪しいことを書きました。ここではたばこの健康への影響としてよくあげられる、疫学調査について述べてみます。
タバコの害を科学的に調べるのであれば、成分を取り出して検討するのではなく、タバコの煙を直接使って動物実験をすれば、確実な結果が得られるはずです。このような研究もいくつか報告されていますが、あまり納得性のある結果が出ていないようです。この方法が難しいのは、いくつか原因がありますが、ある意味根本的な問題は、タバコの煙を集めたものが非常に溶けにくいという点です。タバコの煙の成分はほとんどがタール分となります。これはタバコの葉という植物成分を燃焼させて出てくるものですので、当然難溶性物質の集まりとなってしまいます。これは特殊な溶剤にしか溶けず、動物実験に使う水系にすることが難しいのです。
そこで疫学調査の結果が使われるようになってきました。本来疫学調査は、感染症の流行に対して、その原因や要因を見つけるために行われる方法です。私は、感染症疫学調査の解析を少し手伝ったことがありますが、非常に大変な作業でした。いろいろな要因別にデータを組み直し、原因につながるような因子を探すのですが、ちょっとした恣意的な感覚が入ってしまうと、発症者数と何かの因子が関連しているようなデータとなってしまいます。
タバコの害を疫学的に調査する場合は、喫煙者のほうが悪いという前提があるような気がします。
タバコの害の疫学調査の生データを見ることはできませんが、公表されている数値にどの程度信頼性があるかが疑問です。よく言われている肺がんの死亡者数と喫煙の有無の関係は、正確な数値はわかりませんが、10万人当たりの死亡率は非喫煙者が100人程度とすると、喫煙者が200人となり、喫煙によって肺がんの危険性が2倍高くなるという結果となります。私は統計はよくわかりませんので、この差が有意差かどうかわかりませんが、死亡率わずか0.1%程度のところでの差に意味があるのか、残りの発病しない9万9千人以上の人はどう説明するのか、疑問が残ります。
実際の疫学調査は、非常に時間もかかり(場合によっては5年、10年という追跡調査が必要となります)、喫煙の有無だけではなく他の環境因子なども調査しているはずです。例えば肺がんの死亡率調査でも、年齢の要素や生活習慣・環境といった因子でかなり変わるはずで、他の因子を無視してすべて含めて喫煙の有無だけの数値を出すことは、あまり意味がないような気もします。特に喫煙率はこの30年ぐらいで大きく減っている、すなわち途中禁煙者がかなり多いはずで、このような人はどう扱われているのかもよくわかりません。
以上のように、疫学調査の結果も出ている数値が信頼できるとは言えないような気がします。
タバコの害を科学的に調べるのであれば、成分を取り出して検討するのではなく、タバコの煙を直接使って動物実験をすれば、確実な結果が得られるはずです。このような研究もいくつか報告されていますが、あまり納得性のある結果が出ていないようです。この方法が難しいのは、いくつか原因がありますが、ある意味根本的な問題は、タバコの煙を集めたものが非常に溶けにくいという点です。タバコの煙の成分はほとんどがタール分となります。これはタバコの葉という植物成分を燃焼させて出てくるものですので、当然難溶性物質の集まりとなってしまいます。これは特殊な溶剤にしか溶けず、動物実験に使う水系にすることが難しいのです。
そこで疫学調査の結果が使われるようになってきました。本来疫学調査は、感染症の流行に対して、その原因や要因を見つけるために行われる方法です。私は、感染症疫学調査の解析を少し手伝ったことがありますが、非常に大変な作業でした。いろいろな要因別にデータを組み直し、原因につながるような因子を探すのですが、ちょっとした恣意的な感覚が入ってしまうと、発症者数と何かの因子が関連しているようなデータとなってしまいます。
タバコの害を疫学的に調査する場合は、喫煙者のほうが悪いという前提があるような気がします。
タバコの害の疫学調査の生データを見ることはできませんが、公表されている数値にどの程度信頼性があるかが疑問です。よく言われている肺がんの死亡者数と喫煙の有無の関係は、正確な数値はわかりませんが、10万人当たりの死亡率は非喫煙者が100人程度とすると、喫煙者が200人となり、喫煙によって肺がんの危険性が2倍高くなるという結果となります。私は統計はよくわかりませんので、この差が有意差かどうかわかりませんが、死亡率わずか0.1%程度のところでの差に意味があるのか、残りの発病しない9万9千人以上の人はどう説明するのか、疑問が残ります。
実際の疫学調査は、非常に時間もかかり(場合によっては5年、10年という追跡調査が必要となります)、喫煙の有無だけではなく他の環境因子なども調査しているはずです。例えば肺がんの死亡率調査でも、年齢の要素や生活習慣・環境といった因子でかなり変わるはずで、他の因子を無視してすべて含めて喫煙の有無だけの数値を出すことは、あまり意味がないような気もします。特に喫煙率はこの30年ぐらいで大きく減っている、すなわち途中禁煙者がかなり多いはずで、このような人はどう扱われているのかもよくわかりません。
以上のように、疫学調査の結果も出ている数値が信頼できるとは言えないような気がします。