多くの人が農薬など人間が作ったものは危険という考えを持っているようです。私は長年薬の研究をしていましたが、人工物は危険で天然物は安全という思い込みは危ないなような気がします。
ひとつには人工物であっても、ヒトに対する安全性などは徹底的に調べられており、むしろ天然物はそこまで安全性が確認されていません。当然ですが天然物にも人に害となるような物質は多数存在しています。
今年10月から、東京品川区が小中学校の給食で使う全野菜を有機(オーガニック)野菜に切り替える計画が発表され、話題になりました。安全のため、給食の質の向上がその理由としています。
農薬=身体に毒というイメージを持つ人もいますが、農薬は国の基準で健康被害がないとされる量が用いられています。有機農業とは、化学合成肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用せず、環境への負担を抑えた方法で行う農業のことです。
約40種類の農薬は使えるため、完全無農薬とは異なるのです。通常使われる化学合成農薬についても、今と昔で種類が異なります。使用量も厳しく定められ、残留物もごくわずかで健康的な影響もありません。
むしろ適切に使用したほうが栽培中や保管中にカビが発生し、食中毒などの健康被害を及ぼすカビ毒などが食品に残ることを防げます。病害虫の多い日本で有機農業を大規模に行うのは難しいのが現状のようです。
イギリスや欧州でまとめられた報告書では、従来の方法で生産された食品と有機食品を比べ、違いがないとしています。農薬や肥料のせいで土が痩せ、今の野菜は栄養がないとする意見もありますが、それも根拠がありません。
たとえば昔の苦みの強いピーマンは消費者に好まれず、さらっとした食べやすいものを選ぶ傾向にあり、需要に合わせた品種が市場を占めています。
有機農作物を飼料として家畜に与えて育てた有機畜産物も徐々に増えていますが、日本で有機栽培の飼料を確保するのは難しく、輸入された飼料を用いざるを得ません。環境負荷をできるだけ低減するという有機農業の本来の目的とは齟齬が生じています。
大量生産が難しい有機食品は一般的な方法で育てた野菜や畜産物より価格が高めになります。それでも理念に共感し、地球にやさしいという観点で有機食品を選ぶのはいいことだと思われます。ただ一般的な農産物と比較して健康にいいとは言い切れないのです。
健康や美容にいいとされる食品の一つに、玄米や全粒粉、キビ砂糖といった未精製の茶色い食品があります。玄米に関しては、白米よりも血糖値が上がりにくいという科学的根拠があります。ただし玄米を消化しづらい体質の人もいて、摂取により下痢や腹痛を起こす人いるようです。
無農薬野菜が話題になっていますが、私の家では従来の野菜で十分満足しています。
ひとつには人工物であっても、ヒトに対する安全性などは徹底的に調べられており、むしろ天然物はそこまで安全性が確認されていません。当然ですが天然物にも人に害となるような物質は多数存在しています。
今年10月から、東京品川区が小中学校の給食で使う全野菜を有機(オーガニック)野菜に切り替える計画が発表され、話題になりました。安全のため、給食の質の向上がその理由としています。
農薬=身体に毒というイメージを持つ人もいますが、農薬は国の基準で健康被害がないとされる量が用いられています。有機農業とは、化学合成肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用せず、環境への負担を抑えた方法で行う農業のことです。
約40種類の農薬は使えるため、完全無農薬とは異なるのです。通常使われる化学合成農薬についても、今と昔で種類が異なります。使用量も厳しく定められ、残留物もごくわずかで健康的な影響もありません。
むしろ適切に使用したほうが栽培中や保管中にカビが発生し、食中毒などの健康被害を及ぼすカビ毒などが食品に残ることを防げます。病害虫の多い日本で有機農業を大規模に行うのは難しいのが現状のようです。
イギリスや欧州でまとめられた報告書では、従来の方法で生産された食品と有機食品を比べ、違いがないとしています。農薬や肥料のせいで土が痩せ、今の野菜は栄養がないとする意見もありますが、それも根拠がありません。
たとえば昔の苦みの強いピーマンは消費者に好まれず、さらっとした食べやすいものを選ぶ傾向にあり、需要に合わせた品種が市場を占めています。
有機農作物を飼料として家畜に与えて育てた有機畜産物も徐々に増えていますが、日本で有機栽培の飼料を確保するのは難しく、輸入された飼料を用いざるを得ません。環境負荷をできるだけ低減するという有機農業の本来の目的とは齟齬が生じています。
大量生産が難しい有機食品は一般的な方法で育てた野菜や畜産物より価格が高めになります。それでも理念に共感し、地球にやさしいという観点で有機食品を選ぶのはいいことだと思われます。ただ一般的な農産物と比較して健康にいいとは言い切れないのです。
健康や美容にいいとされる食品の一つに、玄米や全粒粉、キビ砂糖といった未精製の茶色い食品があります。玄米に関しては、白米よりも血糖値が上がりにくいという科学的根拠があります。ただし玄米を消化しづらい体質の人もいて、摂取により下痢や腹痛を起こす人いるようです。
無農薬野菜が話題になっていますが、私の家では従来の野菜で十分満足しています。