Kenshunブログ Swingin' Cafe♪

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たかが動物ではない

2008年05月15日 | Weblog
水戸市の千波湖で4月末、白鳥など8羽が撲殺された事件で、
市内の中学生2人が4月28日、湖畔に落ちていた桜の木の枝を使い、
白鳥と黒鳥の頭や首などを次々に殴って死なせたと明らかになりました。
2人は「羽を広げて抵抗してくる鳥を殺すのが楽しいのでやった」などと供述しており、
同17日に千波湖で白鳥と黒鳥計7羽の死骸が見つかった事件でも、
棒で殴ったことを認めているとの事。
水戸署は、鳥獣保護法違反の疑いで、市内の中学3年の男子生徒を水戸地検に書類送検、
同じ中学2年の男子生徒を茨城中央児童相談所へ書類送致したそうです。

えっ?鳥獣保護法違反容疑?書類送検?
そんな程度の罪で済んでしまうんですね。
日本の法律のレベルの低さに絶望する瞬間です。

みなさんはこのニュースどう思いましたか?
「羽を広げて抵抗してくる鳥を殺すのが楽しいのでやった」
という理由にゾッとした人が殆どでしょう。
『このクソガキが!』と思った人もいるでしょう。
『どんな家庭環境に育ったんだ!』と思った人もいるでしょう。
僕なんて『これは快楽殺人と変わらない』とすら思いました。
なぜ、この中学生二人はこんな事をしてしまったのでしょうか?

必死で抵抗する白鳥を撲殺するのが“楽しい”というのはどういう心理なのか?
まったくもって理解しがたいものがあります。
彼らはそれを“楽しい”と思ったらしいですが、
自分の命を守るため必死で羽を広げて抵抗している様子が目に浮かんで涙が出てきます。

 
白鳥は夫婦間の絆が大変強く、一度“つがい”になると一生同じパートナーと
生活を共にするといわれています。
子育てに関しては、多くの渡り鳥がメスが子育てを担当、
オスが手伝うことはないのに対し、白鳥は子育ても夫婦で協力し合い、つがいで育てます。
ここからも白鳥夫婦の繋がりの深さをうかがうことができます。
基本的につがいと幼鳥で行動する白鳥ですが、
時折、成鳥1羽と幼鳥だけで行動している場面を目にすることがあります。
この行動には仲間思いの白鳥ならではの秘密があるのです。
越冬のため、はるばる繁殖地のシベリアからやってくる白鳥。
3000キロという長い距離と、厳しい自然を旅する途中、
残念ながら目的地にたどり着くことなく死んでしまう白鳥もいます。
親に先立たれ、幼鳥だけが残された場合、メスの成鳥が親代わりとして付き添い、
残された幼鳥と一緒に旅を続けるのです。
また、パートナーを中継地で亡くした白鳥が、その死骸が雪で見えなくなるまで
傍を動かず悲しみに暮れる、なんて話しも聞いた事があります。

まるで人と同じような家族の絆、仲間同士の思いやり、助け合いの心。
命を懸けた旅の中で白鳥はこんなにも優しさで溢れているのに・・・
最近では人の方がそれを失ってしまったのではと思えてなりません。


さて、今回の事件では13歳の生徒は刑事責任は問われませんが、
2007年の改正少年法の適用を受け、15歳の生徒とともに家裁の審判を受ける見通し。
少年とはいえ、それが法律とはいえ、あまりに軽すぎやしませんか?

現在、アメリカでは動物虐待は20以上の州で重罪へと変えられたそうで、
今もその動きは広がっています。
それは今までの調査で動物虐待を軽視することは、
人間への危害に繋がる可能性が充分起こりえるということを想定しての結果です。
とある州では動物虐待を繰り返す事により終身刑を宣告された事もあるそうです。

しかし、日本ではまだこの関係性がきちんと熟知されていません。
然しながら、日本でも宮崎勤、酒鬼薔薇事件、池田小事件、佐賀バスジャック事件などの犯人が、
事件以前に動物虐待を繰り返していた事が明らかになっています。
もしこれらの犯人が動物虐待を行っていた事件で逮捕になっていたら、
これらの事件は起きなかったかも知れません。

動物虐待?
たかが動物と受け止めていいのでしょうか? 

感情を言葉として伝えられない、表現できない動物達。
どんなに痛かっただろう・・・
どんなに苦しかっただろう・・・
恐かった?
切なかった?
死んでしまう瞬間、どんな気持ちだったんだろう・・・
想像するだけで悲しく、涙が出てきます。

こんな事件がまた起きないためにはどうしたらいいのでしょうか。。。


カメラを持つ僕に寄ってきて離れなかった、とても人なつっこいハクチョウ。
浜頓別町クッチャロ湖にて
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