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留辺蘂町「山の水族館」に行ってきた

2013年12月16日 | Travel

2012年にリニューアルして以来、数々のテレビで取り上げられた「山の水族館」に行ってきました

万年赤字経営の小さな水族館が今や北海道屈指の観光スポットとなっています

その秘密は何といってもアイディア溢れる「行動展示」にあると思われます

「山の水族館」では自然に近い環境だからこそ魚本来の行動が見られるんです

「滝つぼ水槽」では、実際に滝つぼの中で泳ぐ魚を下から見上げられます

水槽の中に滝を作り激流を生むことで、本来どんなに力強く魚が生きているのかを知ることができます

また、魚はわずかな川の変化を敏感に感じとって生きていると言われてますが

その習性を利用した「ジャンプ水槽」は時間によって水量を変化させ、魚の川上りを見ることができます

そしてさらに、これこそ温根湯ならではの世界初の展示「四季の水槽」

温根湯は冬になると-20度を下回る寒い地域なですが、その寒さを利用したのが凍る水槽なんです

冬になると分厚い氷の下にじっと耐える渓流の魚たちを見ることが出来るそうです

もちろん冬以外にも、今までの水族館にはなかった白波が立つほどの急流が水槽内に再現されており

ここでもまた躍動感あふれる魚たちの姿を楽しむことができるのです

そして、もう1つ温根湯ならではのものが「魔法の温泉水」を利用していること

ここでは「温泉」と「冷泉(地下水)」をほどよくミックスした水を使用しており

通常の濾過水で育てられた魚よりも綺麗に大きく育つのだとか!

当然、水道代もかからず高価な濾過装置も入れる必要がないというわけですね


そんな「山の水族館」仕掛け人は日本で唯一の水族館プロデューサー中村元氏

中村氏といえば、新江ノ島水族館、池袋サンシャイン水族館のリニューアルなどをプロデュースされ

いずれも収益性の高い水族館づくりで、水族館界では超有名な達人です

しかも、水族館新設には数十億~百億越えというのが当たり前の世の中

名古屋港水族館あたりは実に400億円もかかっているそうです

それなのに、この水族館のリニューアル工事費は3億5千万という超低予算

なぜ、そのような人が、建築費も少なく規模も小さいという条件の中、引き受けたのでしょうか

その理由について、北見市は「内緒」と発表していますが、全国ニュースで何度か取り上げられてました

当初、中村氏は建設予算が少なすぎることを理由に水族館移築を諦めるように促したようです

ですが、交渉相手の若い水族館職員からの「街の活性化につなげたい」という情熱に押され

例え負け戦でもベストを尽くそうと思い直し、ボランティアでも引き受けようと決意したのだとか

まさに、その若い職員の「熱意」と、中村氏の「プロ魂」の結晶による水族館と言えるでしょう

“でっかい水槽を造る金がないから、庭を掘って水槽に見せよう”

“そんなに寒いなら、川が凍り付くのを見せよう”

“地下水も温泉も湧いているなら濾過装置も必要ないだろう”

という具合に、結果的に中村氏の水族館コンセプトとアイディアが凝縮された水族館になったのです

今の時代『逆境を生き抜く強さと逆転の発想』こそが最大の武器だと感じました














ほかにも温泉水を使い世界の熱帯淡水魚を展示しています

ピラルクなどアマゾンの巨大魚や、東南アジアの珍しい淡水魚が多数見られます

中には「ブタバナガメ(スッポンモドキ)」なんていう面白いヤツもいました

金魚を万華鏡型の水槽で展示しているのも素晴らしかったです

金魚はもともと上から鑑賞する時に美しくなるように改良された魚だという事を思い出しました














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