なぜか久しぶりに銭湯に行ってみたくなり
子供の頃によく父親や町内の幼馴染と通った「梅の湯」に行った
番台は昔と違い外にあったり、ロッカーがあったりしていたが
中は殆ど変わっていなかった
昔と変わらず“あっつい”お湯
利尻富士と氷雪の門が描かれたタイル絵
体が真っ赤になるくらいの熱い湯に浸かっていると様々な記憶が蘇ってきた
当時はシャワーなどなく、それぞれの場所に蛇口が2つのみ
青は冷たい水、赤は熱湯、それをケロリン桶に入れて使う
よく加減を間違えて火傷しそうな程の湯に悲鳴を上げたものだ
そうそう、毎日、着物姿で通ってた怖い顔したおじいちゃんがいたな
顔をヒクヒクさせながら鬼のような形相で入っていた
その湯船は小さな子供には怖いくらい深く大きかったが
大人になってみれば小さく感じる
こんな小さな湯船に大人達が何人も肩寄せ合って入っていたんだな
脱衣所には竹で編まれた丸い脱衣籠があった
大人はそれを使う時なぜかゴミを払うように床に「トントン」としていた
それは今も変わらずあり、20数年の時を経てそれを真似てみた
昔、脱衣所には映画上映のポスターがたくさん貼られていた
小学生当時には市内には3つも映画館があったのだ
そのポスターの裏に一番に名前を書くと公開が終わった後で貰えることになっていた
みんなでジャッキー・チェンの映画のポスターを取り合ったものだ
その脇にはパーマ屋さんのような見た目の髪がぐるぐる回るドライヤーがあった
風呂上がりに飲む瓶のカツゲンは最高だったな
帰りには角の小さな商店で買い食いするアイスキャンデーも欠かせない
友達同士で行くと帰り道にある家にピンポンダッシュしていたずらしたものだ
帰り道と言えば、とある夏の日には父親とUFOを見た
真っ赤な光が上へ行ったり下へ行ったり・・・
ちょうど、矢追純一のUFO特集がテレビでよくやっていた頃で
「間違いない、あれはUFOだね」と
湯あがりにしばらく二人で空を眺めていたけれど
やはりあれはUFOだったのだろうか
それとも幼い僕の夢を殺がないように父親が合わせてくれていたのだろうか
とにかく色々なことを鮮明に思い出す
梅の湯の湯船はまるでタイムマシーンだな
幼い頃の記憶の旅へ出かけたくなったらまた来よう
あぁ懐かしの梅の湯
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梅の湯
【住所】稚内市宝来1丁目4-6
【TEL】0162-23-4060
【営業時間】16:00~21:30
【定休日】月曜