![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/0a/4eca3c325d2c6bfc264aac8957dfb865.jpg)
果実が揺れている。
葉が存分に茂って、ちょっとした木陰が出来るのだけれど
今日は暑すぎて、子どもたちしかここには居ない。
モミジバスズカケノキは、スズカケノキとアメリカスズカケノキの交雑種。
排ガス、悪環境に強いので街路樹・公園樹などに採用されている。
ただ旺盛な成長力で枝が伸びすぎる為に、毎年剪定を繰り返され
その為に瘤があちこちに出来、見栄えは良くない。
葉の違いでモミジバスズカケノキとアメリカススカケノキの区別点が解説されているのだけれど
交雑種起源のモミジバには、スズカケノキ、アメリカスズカケノキの
各々の形質が混じっているだろうから心許ない気がする。
▲ 果実は普通2~3個、稀に4個と解説されているのだけれど、ここではいつも1個だけ ▼
▲ 葉の切れ込みはスズカケノキとアメリカスズカケの木の中間くらい…らしいけれど
雑種起源、入り混じっている。▼
モミジバスズカケノキ(紅葉葉鈴懸の木) スズカケノキ科スズカケノキ属 Platunus x acerifolia
アメリカスズカケノキ(亜米利加篠懸の木) スズカケノキ科スズカケノキ属 Platanus occidentalis
モミジバスズカケノキはスズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種
(2021.05.03 田町)
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この果実の房を「鈴懸」に準えた…と言うのが定説。
『和名のスズカケは下垂する果実を山伏が身につける鈴懸に見立てたことに由来する』などと今でもブログ上の画像解説に書かれている。
ところが「鈴懸」は本来、修験者が衣服の上に着ている麻の法衣のこと。
確かに房は付いているのだが「鈴懸」では無く、首から下げられている「結袈裟(ゆいけさ)」についている。
だから「鈴懸」に房が付いているのでは無い。
和名をつけた時、どなたかが勘違いしたのだろう…と、後年聞かされて苦笑いしたものだ。
▲ 結袈裟の房、前に左右各2個、後ろ側に2個 ▲
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▲ モミジバスズカケノキの葉 基部は心形(葉柄部分に対して凹む形) アメリカスズカケノキの葉 基部は切形(ほぼ並行)▲
と、説明はされているけれど、交雑種故にモミジバスズカケの葉には幾つものバラエティがあるだろうし
単独でも、異形葉の現出の可能性もあるはずだ。
だから葉身基部よりも、葉の切れ込み具合で区別するのが妥当かも知れない。
ただこの区別とても、幾つもの遺伝子が絡み合っていることを考えると単純化は出来そうに無い。
☆
▲ 画像では確かに二つぶら下がっている方が普通に見える。▲
▲ 果実は風散布で、落下すると球形の集合果が分解する。果肉はなく、綿毛が詰まっている集合果。
中には種子が500個以上らしいが数えたことはない。樹皮は鱗状に剥がれる。▲
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モミジバスズカケノキの冬芽・葉痕 モミジバスズカケノキの果実
モミジバスズカケノキの緑葉と雌花 公園内のアメリカスズカケノキ 果実 スズカケノキの葉
公園外周のモミジバスズカケノキ
来季は葉がもっと青々としている頃から見てみたいです。
こいものところでは、何とも言い難いこの樹が一本しかないのです。
今後も見ていけたらと思います。
いつも、色々と教えていただきありがとうございます。
似たような姿の樹が一緒に幾つも植栽されていると
どれがどれだかわからなくなることも多いですが
一本だと確実に名前が憶えられて、冬枯れから始まる一年分を
のんびりと見てゆけるから良い対象になる気がいたします。