HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

トウワタ(唐綿) キバナトウワタ(黄花唐綿)

2017-10-28 | 草 果実・種子

従来からの用語では綿毛と呼ばれるものの内、
種子についているものは「冠毛」ではなく「種髪」と呼ばれている。
花被片と萼片、果実と種子を区別するのであれば、この区別も必要だ。
区別しないのであればいずれも綿毛で済ませる方が無難だ。

トウワタとキバナトウワタがあるようです、そう説明されたからそう書いている。
二種類あるのだからそう書くべきだとは思うのだけれど
知らなければどちらもがトウワタになる。




▲ 副花冠と呼ばれている場所には蜜が滲み出ている。▼





▲ この画像だけから、トウワタ、キバナトウワタを区別出来る…だろうか。無理だ。▼

▲ たまたま花がまだ残っていたからそう言えるだけのこと。当たり前の事だ。▼









▲ 複雑ないでたちだけれど、やはり一つ一つのパーツには名前が付けられている。
花を愛でるだけだと、殊更難しい事は覚えている必要も無い気がする。

広がっているのが花冠、その内側に副花冠、時折蜜が溜まっている。中心部にはめしべ・おしべが合体した蘂柱(肉柱体)▼



キバナトウワタ(黄花唐綿)キョウチクトウ(←ガガイモ)科トウワタ属 Asclepias curassavica f. flaviflora


トウワタ(唐綿) キョウチクトウ(←ガガイモ)科トウワタ属 Asclepias curassavica
分類体系の違いだからカガイモ科が間違いと言うことでは無い。
キバナトウワタは、トウワタの一品種として区別されている。
 (2017.08.24 林)

赤い花冠(花びら)が、おしべのようにも見える橙色の角状の突起を持った副花冠(ここには昆虫が集まる蜜が滲み出ている)を取り巻く。
副花冠の内側には、おしべとめしべが合着した蘂柱(肉柱体/gynostegium)。
副花冠と蘂柱の間には隙間(ガイドレール)があり、よく見ると上部に焦げ茶色の物体。
この物体に花粉塊(文字通り、花粉粒が塊になっている)が付いていると解説されている。
ネジバナなどでも確認出来たが、ピンセットで慎重につまみ撮る事が出来る。
蜜を求めてやってくる蝶などの訪花昆虫が花粉塊を足につけて、他花の隙間から落とすことで受粉…となるようだ。
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トウワタ  ヤナギトウワタ


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4 コメント

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トウワタ・キバナトウワタ (こいも)
2017-10-29 00:21:51
林の子さん
トウワタもキバナトウワタも綺麗なお花ですね。
まだ見たことがありません。
夢中でお花にかぶりつくテントウムシが可愛いです。
今年フウセントウワタを初めて見たのですが
嬉しくて興奮しました。
フウセントウワタは下を向いて咲いていました。
今まですべて綿毛ですませていたのですが
種子についているものが種髭なのですね。
キラキラと綺麗な種髭ですね^^
こいもフウセントウワタの種髭を見てみたいのですが
まだ早いのでしょうか・・・
まだ風船のまま膨らんでいます。


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用語は難しいです。 (林の子)
2017-10-29 10:18:57
タンポポの綿毛は、果実(痩果)に付いているので「冠毛」と呼ばれ、萼が変形したもの。
キョウチクトウやトウワタなどの綿毛は、果実の中にある種子に付いているので「種髪」と呼ばれ、珠皮(種皮)が変形したもの。
似てるようですが、植物のどの部分が起源なのかで呼び方が違っているだけです。

殊の外難しい用語を使われる方たちは、
タンポポの果実を痩果とお呼びになるので、
その場合は綿毛ではなく冠毛と記述しないといけないでしょう。
ですからその時には、種髪との区別がついていないとまずい訳です。

と言う事で、いずれにしても綿毛と言う表現は間違いではないと思います。
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難しいですね。。。 (こいも)
2017-10-29 20:56:45
林の子さん
とても難しいですね。
ずっと果実にタンポポ綿毛・・・でした。
『綿毛と言う表現は間違いではない』
なんですか…ホッとしました。
こいもには一番合っているような気がします。
ありがとうございました。
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難しい用語。 (林の子)
2017-10-30 00:02:34
殊更難しい用語を使うのも良し悪しです。
正しく覚えるにはそれ相応の勉強も必要だし、それ以上に正しい使い方を覚えるのも大変。
専門家気取りで専門家が口にする用語を使っても、中身がすぐに露見する。
須磨で毎月やっている見どころ散歩でも、資料には果実、種子と書いたり、
冠毛・種髪と書いたりしますが、果実は果物と間違えやすいので「実・み」、
種子も「種・たね」と表現することにしています。
間違いではないわけで、中身が理解されると用語も理解出来るものだ…と思っています。
殊更難しい用語を使う、或いは使いたがる人たちには、物足りないことでしようけれど。
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