携帯電話業界ブログ

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シャープ、高機能携帯端末分野に集中 ソフトとハードの組み合わせで差異化

2010-11-20 |  シャープ



 シャープが情報通信事業の経営資源を高機能携帯端末分野に集中する動きを強めている。多機能携帯端末の開発に生産から撤退したノートパソコン部隊を投入。

 携帯電話事業も一気にスマートフォンへとかじを切った。製品投入に合わせて独自のコンテンツサービスも提供する計画。ソフトとハードの組み合わせで差異化を図る考え。


●携帯電話事業を拡大

 シャープが15日に開いた携帯電話事業の説明会。

 大畠昌已執行役員はスマートフォンの国内販売台数を2-3年以内に年間500万台に引き上げ、約30%のシェアを目指す方針を示した。

 同社の2010年度の携帯電話国内販売目標は約900万台。スマートフォンの販売実績は公表していないが、2010年4-9月で十数万台と見られる。

 それがこの冬春商戦にスマートフォンだけで5機種を投入。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの通信大手3社に製品を供給するなど、他社にはない規模で事業を拡大する。

 12月には多機能携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」も発売し、タッチパネルで操作するタブレット端末市場にも打って出る。

 新端未開発のため、10月には「メビウス」などのパソコン開発を担っていた旧パーソナルソリューション事業推進本部を母体にして、ネットワークサービス事業推進本部も新設。パソコンから携帯端末へのシフトも鮮明にした。

 2011年中に累計販売台数を100万台にすることを狙っている。


●ソリューション事業に注力

 シャープがこうした取り組みに動き出す背景には独自性が発揮しにくい従来型のパソコンや携帯電話ビジネスから脱却して、端末とコンテンツとを組み合わせて収益を上げるビジネスモデルの構築にある。

 ガラパゴス端末もスマートフフォンもOSは米グーグルのアンドロイドで共通なため、通信会社にかかわらず1つの巨大な市場と見なして事業を展開する考え。

 2月からカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と組んで始めるガラパゴス端末向けの電子書籍。音楽配信サービスも来春にはスマートフォン向けにも配信する計画。

 「今後は端末に独自コンテンツを組み合わせたソリューション事業に注力する」。

 シャープは中国に続き、月内にもインドに進出する計画だが、将来は海外市場の攻略も端末とコンテンツをセットにした方式で進める考え。

 今後はそれぞれの地域に適したコンテンツをどう確一保していくかが、海外事業拡大のカギを握ることになる。




【記事引用】 「日経産業新聞/2010年11月16日(火)/3面」


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