シャープがブラジル市場の本格開拓に乗り出す。19日にサンパウロに販売会社を設立し、複写機や液晶テレビ、携帯電話などを拡販する。
ブラジルは新興国の中でもサッカーワールドカップや五輪の開催で家電市場の拡大が期待できると判断、2004年に撤退して以来の自社拠点を設けて再進出する。
●厳しい競争も
販社の資本金は3000万レアル(約15億円)でシヤープが全額を出資した。社員は30人程度。海外販売拠点は26カ国30カ所目だが南米では唯一となる。
シャープは1972年に現地企業との合弁でブラジルに現地法人を作り、複合機などの生産も手掛けていた。だが業績悪化を受けて04年に合弁を解消し撤退。08年から三井物産の現地子会社を通じて複合機などの販売を再開していた。
新設した販社はこの三井物産子会社の事業も引き継ぐ。ブラジルはデジタル放送規格で日本方式を採用しているため、テレビやワンセグ機能付きの携帯電話などを売りやすいメリットもある。
ただ、液晶テレビなどでは既に韓国メーカーが高いシェアを持っている。海外の他地域と同様に厳しい競争が予想される。
【記事引用】 「日経産業新聞/2011年8月29日(月)/3面」