携帯電話世界最大手、フィンランドのノキアの4-6月(第2四半期)決算は、端末出荷の落ち込みが響いて売上げは前年同期比7%減の92億7500万ユーロ(約1億810万円=6月末レートで換算)。
純損益は、前年同期2億2700万ユーロの黒字から3億6800万ユーロ(約429億円)の赤字に転落した。赤字決算は09年第3四半期以来7四半期ぶり。
●首位の座を明け渡す
同期の携帯電話端末の出荷台数は、前期まで維持してきた1億台を割り込む8850万台。前年同期比20%減、前期比ベースでも18%減となった。
このうちスマートフォン出荷数は1670万台で、1年前より25%減少。
先に米アップルが発表した4-6月の「iPhone」出荷台数2034万台を下回り、長らく続いたスマートフォン市場首位の座を明け渡した。
iPhoneほか、アンドロイドOSベースの端末製品の攻勢で、特に欧州、中国で需要が落ち込んだ。
スマートフォンの平均単価(ASP)は142ユーロ。1年前より4ユーロ低下したが、前四半期よりは若干上向いた。スマートフォンを除く携帯電話端末出荷数は7180万台で、前年同期比16%減。
ASPは36ユーロで1年前より4ユーロ低下した。
端末全体の地域別出荷数は、欧州が同30%減の1840万台、中国は同41%減の1130万台、アジア太平洋は同20%減の2450万台。北米は同42%減の150万台。
中東・アフリカは同2%減の2050万台。南米は同10%増の1230万台を記録した。
●通信機器は好調
携帯電話・サービス事業全体の売上げは同20%減、営業損益は2億4700万得の赤字。このほか、デジタル地図データのナブテックも売上げが同3%減と低迷した。
一方、通信機器のノキア・シーメンス・ネットワークスは、ほとんどの地域で製品、サービス売上げが拡大、米モトローラのソリューション事業買収効果もあり、売上げは同20%増を記録した。
【記事引用】 「電波新聞/2011年7月25日(月)/2面」