携帯電話業界ブログ

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ノキア、1万人追加削減を発表 端末工場・研究開発施設を閉鎖、経営陣も刷新

2012-06-18 |  ノキア



 スマートフォン事業の低迷が続くフィンランドのノキアは14日、端末工場や研究開発施設の関鎖などを通じ、携帯電話・サービス事業で約1万人を削減すると発表した。

 また、経営陣の刷新や、ウインドウズ・フォンへの注力により、同事業部門のの生産性拡大、新規事業開拓で著しい。


●競争力急速に低下

 昨年まで、14年連続で世界携帯電話市場トップの座を維持してきたノキア。

 しかし、スマートフォン事業の出遅れや、起先回生を図って没入したウインドウズ・フォン「Lumia(ルミア)」の予想外の不振、さらに従来型携帯電話(フィーチャーフォン)の価格下落で競争力は急速に低下。

 業績も大幅に落ち込んでおり、1-3月の携帯電話・サービス事業の売上げは前年同期比で40%減少。営業損益は2億ユーロの赤字を計上した。

 スティーブン・エロップCEOが10年9月にCEOに就征して以来、ノキアは既に3万人をレイオフしているが、今回新たに1万人を削減する。

 これは、フィンランド・サロの携帯電話工場や、ドイツ・ウルムとカナダのバーナビー市に置くR&D施設を閉鎖、さらに高級端末を扱うVertu事業の売却などを通じて実施するもので、関連費用として13年末までに10億ユーロを計上する予定。

 携帯電話・サービス事業では今後、ルミアに注力する。新素材、新技術、さらに位置情報サービスなどで差別化を図つた製品を幅広い価格帯で提供していく方針。

 ルミアの画像技術強化に向け、ノキアでは今回、スウェーデンの画像処理ソフト開発企業スカラドを買収する計画も発表した。

 一方、フィーチャーフォンでは「シリーズ40」や「同30」など、低価格端末の開発を継続する。このほか、位置情報サービス事業への投資を拡大し、携帯電話だけでなく、ほかの産業向けにも技術を提供していく考え。


●経営陣も刷新

 今回のリストラでは、経営陣も刷新するとして、携帯電話事業のマリー・マクドウェル副社長やマーケティングの最高責任者など3人の退任も明らかにした。

 一連のリストラによりノキアでは、13年末までに携帯電話サービス事業で16億ユーロ(約1600億円)のコスト削減を実現。これにより、13年の年間営業経費を30億ユーロまで圧縮するとしている。




【記事引用】 「電波新聞/2012年6月18日(月)/1面」


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