■【あたりまえ経営のすすめ】1-3-42【組織編】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
それが露呈したのが、東日本大震災の福島原発事故ではないでしょうか。
その対応においても、事後対応においても、専門家と言われる人達な何もできず、口を閉ざしてしまっだではないですか。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
40年余の経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 1-3章 【組織編】 あたり前のように「組織で動く」には
「組織で動く」「組織的な活動」等々という言葉を、しばしば耳にしたり、口にしたりします。しかし、それには、どうしたらよいのでしょうか。
頭ではわかっていても、言葉にして、他の人に説明しようとすると困惑してしまいます。そのような、お悩みの参考にしていただければと考え、連載しています。
また、これまで【第1章 経営編】、【第2章 心 de 経営編】をお届けしています。そちらのバックナンバーも掲載していますので、併せてご覧下さると幸です。
■ 1-3-42【組織編】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか
【組織で動く】
ICTの世界では「集合知」という言葉がしばしば使われます。これは、「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と【Wikipedia】では定義づけされています。
私は、企業や組織が、自社のために構築した集合知を、「共用智」と呼んでいます。一般的な、ICTの世界におけます集合知と、ここでいいます共用智には違いがあります。その違いを含めまして、「共用智」とは何かについてご紹介します。
すでに、関連用語につきましては、その意味合いをご説明いたしました。しかし、言葉だけでは理解しづらい面がありますので、簡単なチャートで追加説明をしたいと思います。
知識や情報というのは、目的に応じて最適に組み合わせますと、さらに質が高まります。これを、むつかしい漢字を用いた「智識」と定義しています。すなわち「知識+情報=智識」と表すことができます。
この「智識」という言葉の意味は「正しく教え導く作用を起こすもの」といえます。
【智識+経験】
この智識に、経験という味付けがなされると「智恵」になります。
智恵とは、すでにご紹介しましたように、経験から導きだされる智識のことです。
【智恵+集合】
その智恵を一カ所に集め、整理しますと「集合智」とか「集智」と呼ばれるものになります。
ここで、ちょっと視点を変えてみたいと思います。
皆様は、後期印象派のスーラという画家をご存知と思います。点描画という技法で知られています。
点だけですと、単なる点にしか過ぎませんが、それらが集まるにつれ、まとまった像が浮かび上がり、やがてまとまりのあります絵へと変身してきます。
【浮かび上がる智恵】
私たちの智識を集めていきますと、あたかもスーラの絵のごとく、次第に浮かび上がってきて、やがて自分の会社だけの智恵が出現します。
もともとは単なる知識や情報に過ぎなかったものが、智恵という点の集まりから浮かび上がってきたもの、これが、自分の会社のノウハウであり、特質なのです。それを会社の財産として活用すべきなのです。
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