■【あたりまえ経営のすすめ】1-3-41【組織編】 組織の財産「共用智」の源は「集合知」に 3116
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
それが露呈したのが、東日本大震災の福島原発事故ではないでしょうか。
その対応においても、事後対応においても、専門家と言われる人達な何もできず、口を閉ざしてしまっだではないですか。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
40年余の経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 1-3章 【組織編】 あたり前のように「組織で動く」には
「組織で動く」「組織的な活動」等々という言葉を、しばしば耳にしたり、口にしたりします。しかし、それには、どうしたらよいのでしょうか。
頭ではわかっていても、言葉にして、他の人に説明しようとすると困惑してしまいます。そのような、お悩みの参考にしていただければと考え、連載しています。
また、これまで【第1章 経営編】、【第2章 心 de 経営編】をお届けしています。そちらのバックナンバーも掲載していますので、併せてご覧下さると幸です。
■ 1-3-41【組織編】 組織の財産「共用智」の源は「集合知」
【組織で動く】
オリンピックやプロのスポーツの世界で活躍する人の多くが、「基本を大切にしなさい」ということをいいます。
往年の名選手、王貞治氏は、ホームラン王として知られていますが、彼の宿舎の畳は、ボロボロになっていたという有名な逸話があります。
毎日、バットの素振りを繰り返した結果というのです。素振りという、基本を大切にしていることが、毎日の生活の中にも滲み出ているのですね。
経営管理も、コンサルティングも、やはり基本が大切です。
ここでご紹介しています「組織の財産」におきましても、基本となる用語の共通認識ができていませんと、ここでお話しますことを軽視して、「そんなこと、わかっている。いまさら学ぶべきことではない」と考える方が大半ではないでしょうか。
すでにご紹介しましたが、組織の財産をだれもが活用できるようにしたノウハウ集を「共用智」といっています。ここでは、共用智に関連しますと、類似語についてご紹介します。
たとえば、知るという意味の「知」という文字に類似した言葉はいろいろとあります。
「知」とは、「ある事項について知っていること」と広辞苑で説明されています。
この字とよく似た漢字に【智】という字があります。 「知る」という字の旧漢字体でもあります。この「智」は、仏教用語としてよく知られていますが、「物事を理解し、是非・善悪を弁別する心の作用」という意味でもあります。
仏教では、前者のやさしい漢字の「知とは、一般の分別・判断・認識の作用」であり、後者の複雑な漢字の「智とは、高次の宗教的叡知の意味に用いる」と説明されています。
知識という言葉も、現代仮名遣いでは、当用漢字にあります、やさしい字の「知識」という漢字を用います。
後者の旧漢字の持ちます「叡智」というニュアンスを重視しますと【智識】という旧字体は、洗練された「知識」のことを指しますので、ここでは、後者の旧漢字体の「智識」と表記します。旧漢字体の「智識」とは、「正しく教え導く作用を起こすもの」のことです。
智恵は、経験から導きだされた智識のことです。「智慧」とも書きます。
これらを集合したものが、【集合知】です。集合知は、さきほどご紹介したWikipediaのような知の集合体を指します。
集合知とは、「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と【Wikipedia】では定義づけされています。
あたかも、仏教や難しい哲学でも学んでいるような感覚をお持ちになった人も多いでしょうし、そこまで、厳密に理解しなければならないのかと反発される方もいらっしゃるでしょう。
言葉といいますのは、コミュニケーションの基本手段です。その部分を、おろそかにしたくないですね。
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