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荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

大沢在昌の巻、ふたたび。

2015年04月01日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を



過去の記事。
大沢在昌の巻。

大沢在昌著【雨の狩人】をようやく読了しました。

昨年7月に購入したものの、面白くなかったので放置していたためです。

過去、【北の狩人】【砂の狩人】【黒の狩人】とありました。

全て読了しておりますし、シリーズ自体も好きなのです。

なのに『面白くない』。これは由々しき事。

実は近年の作品には退屈な事が実に多いのです。

【闇先案内人】【語りつづけろ、届くまで】そして【雨の狩人】。

いや【絆回廊 新宿鮫X】も、です。

どうも、こねくり回した会話が続きキャラクターが動かない印象が強い。

おそらく大沢在昌本人がいちばん苦しんでいるトコだと思いますが。

なんでも【闇先案内人】は上梓までに8年もかかったとか。

超難産です。

もちろんサクサク読める作品もないではない。

【海と月の迷路】【罪深き海辺】あたりはスピーディーに読めました。

ま、僕も歳取りゃ大沢在昌も歳取りますから、そんなもんかも知れません。

読み手と書き手のバランスが未来永劫変化しない、なんてぇ事はないのです。


さて、大沢在昌作品で気になってしまうのが【新宿鮫シリーズ】とのリンク。

【北の狩人】では
『佐江は煙草をとりだした。(中略)確かにあの時も新宿にいたが、刑事課でなく防犯課だった。今の防犯は、キャリア崩れの訳の分からない野郎が、でっかいツラをしている。骨はあるらしいが、協調性のない、嫌な野郎だという話だ』
と、鮫島を示唆する表記があります。

これは嬉しかったですねぇ。

一方【帰ってきたアルバイト探偵】では、リュウくんが通う高校の社会科教師が鮫島のいとこだったり、冴木涼介が『鮫の旦那がなんちゃらかんちゃら』とブツブツ言ったりと、少々“鮫”ネタがしつこ過ぎましたな。

今回【雨の狩人】にもありました。“鮫”ネタが。

P370に『銃に詳しい新宿署の鑑識係』とあります。

これは藪英次っすよね


【新宿鮫シリーズ】もここんトコ、キャラの断捨離が続きました。

【狩人シリーズ】も【雨の狩人】にて整理機構送致なのでしょうか。

黒川博行の【堀内・伊達シリーズ】の様に、刑事を辞めた佐江の物語も読んでみたいです。

好きなシリーズなので今後が気になって仕方ありません。


あ、あと何が“雨”だったのでしょう