お産・育児ママネットワーク パム

皆様の周産期医療・産科医療に関するご要望、ご意見をお聞かせください。合わせて私達の活動記録です。

信州の赤ひげ先生 色平哲郎先生「長野モデル」の現在

2006-04-29 13:54:08 | お知らせ
★++++僻地医療で頑張る信州の赤ひげ先生からのメールをいただき掲載させていただきます。++++★

「長野モデル」の現在

先だって『長野県の医療の現状及び問題点と長野県政』というフォーラムが開かれ、
長野県民主医療機関連合会・湯浅健夫事務局長の講演を聞いた。

小泉首相の口から「長野モデル」という言葉が発せられたように保健・医療分野における長野県の「指標」は高い。
平均寿命が男性全国一位、女性は全国三位。
高齢者の就業率は、農業従事者が多いせいもあってこれまた全国一位。
さらには高齢者一人当たりの老人医療費は全国で最も低い。
いわゆる「健康余命(65歳の人が介護を必要とせずに自立して生きられる期間の平均年数)」
は男性が全国二位で女性は四位、と厚労省が喜びそうな数字がずらり。
つまり「県民が健康長寿で医療費も少ない」というわけだ。

わが県を自慢したくてこんな数字を並べたわけではない。
「長野モデル」という言い方がいつもひっかかっていた。
確かに「結果」として医療指標は高いのだが、その理由が何か、となるとボヤけてしまう。
「原因」がつかめないのだ。
ひと口に「長野モデル」といっても他の都道府県が容易に真似ることはできない。
固有の歴史や文化によって形成された特性なのだ。
普遍性のないものが果たしてモデルと呼べるのか。
湯浅氏の講演は、このあたりの事情を改めて整理してくれたので、その概要を紹介したい。

じつは医療指標の高さとは裏腹に、長野県の人口10万人当りの医療施設数は、
病院、診療所、歯科診療所、薬局とも全国平均を下回り、医療圏別でも地域的偏在が著しい。
病床数は全国三五位、診療所数は三六位、県内の全一般病床に占める民間病院のベッド比率たるや全国四五位。
施設面では全国最低レベルの「手薄さ」なのだ。
おまけに医師数は三七位で看護師の数も三〇位と下から数えたほうが早い。

では手薄いところをどうやって補ってきたか?

民間病院が少ない分を、準公的病院がカバーしている。
厚生連病院は14ヶ所あり、全県の一般病床比率の18.4%を占め、これは秋田に次いで全国二位。
医師や看護師が少ないのに対して保健師の数は全国四位。
助産師数も八位にランクされている。
ここに「地域」と密接につながった医療の片鱗がうかがえる。
保健師が医師や看護師とともに地域のなかに入っていって、住民の保健意識を喚起し、医療情報を提供してきた。
経験を積んだ助産師が、少ない産科医の代わりにお産に立ち会ってきた。
そうしたひとつひとつの積み重ねが指標の高さに結びついている。


医療資源に恵まれていなかったから、地域で知恵を出しあって医療を支えるしか方法がなかったのだ。

ここを取り違えてはならない。
医療費を低く抑えることを目的として長野の医療体制が構築されたわけではない。
医療資源の貧しさを人と人の連携で懸命に補ってきたら、たまたま、というべきか、結果として医療費が低くなった。

ところが、長野をモデル県と持ち上げる勢力のなかからは、こうした経緯をしっかりとらえることなく、
「健康長寿で医療費も低い」という結果にのみ目を奪われ、長野の上っ面をなでればよしとする意見も聞こえてくる。
いわく「もし、長野県並に医療費を抑えることができれば、約10兆円規模の医療費の削減が期待できる」とか……。
馬鹿も休み休み言ってもらいたい。
ただでさえ大赤字で呻吟している地方の医療機関は軒並みつぶれ、大破綻するだろう。

国保中央会のレポートは、長野の高齢者医療が低い要因として
『在宅医療を可能にする条件が整っており、その結果、平均在院日数が他見よりも低い』『自宅での死亡割合が高く、終末期医療における入院医療費が低い』と指摘している。

終末期の在宅医療についても、これまた「在宅医療」という言葉だけを先行させて
他地域に普及させようとしたら、大きな落とし穴にはまるだろう。

重要なのは在宅医療を可能とする「条件」とは何か。
その内実をしっかり整えなければ、患者を嵐のなかに放り出すような事態を招きかねない。

長野の平均寿命の高さを「がん死亡率の低さ」と関連づける報告もある。
独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの井上通敏名誉院長は
「日本一長寿の長野県の年間がん死亡(10万人対)は全国平均をわずかに上回るが、年齢補正後のがん死亡率は、飛びぬけて低い。
このことが長寿と関係している」と述べている。

一般にがんは「高齢化」とともに増える。
長野は高齢化が進んでいる県だ。
はたして「がんの死亡率が低い」と断定できるのだろうか。
社会疫学的な分析が待たれる。

さて、公的医療費の伸びを抑えたくてたまらない財務省や小泉首相周辺のブレーンから 「見当違いのラブコール」を送られている田中康夫長野県知事は、あちこちに頭をぶっつけながらも、
「公共事業費の削減」「医療・福祉・教育・産業・環境等への傾斜投資」の路線は堅持している。
04年度予算では、大赤字を抱えていることから公共事業費を前年度比-22.2%、 県単独事業費-35.3%とする一方で、民生費は-1.6%、衛生費-4.2%にとどめた。
05年度県予算は四年連続のマイナス予算となり、公共事業費を削減しながらも福祉・医療等には重点配分。
田中知事就任前の二〇〇〇年当初予算案と比較すると、公共事業費が20%以上カットされたのに対し、民生費は+2.5%、衛生費は+0.2%となっている。

長野県では、いま、厳しい財政状況のなかで、何とか福祉や医療、教育、雇用、産業創出にお金を回そうとしている。
田中県政への批判はさまざまあれど、少なくとも中央政府の公的医療費削減とは反対の方向を目指しているようだ。
「長野モデル」とおだてられて悦に入っているようでは県民の付託には答えられない。

ワンフレース゛・ポリティクスの「長野モデル」に騙されてはいけない。
ポスト小泉を狙う政治家が従来の路線を継承するのなら、対抗する政治勢力はそろそろ 「もうひとつの軸」の旗色を鮮明にするべきではないだろうか。
選択肢はひとつではない。


色平哲郎
コメント

各種新聞社からの長野県の動きと「長野モデル」の現在

2006-04-29 00:35:27 | 新聞記事
→上田市産院存続活動資料はこちらから

最新記事
大変遅くなりました1月15日勉強会の報告です


→県シンポ3・21
    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→最新号『紙REBORN』に掲載
→守りたい最後のとりで県立こども病院
→「4/16信州で産みたい!育てたい!母の会合同意見交換会」開催報告

→4月30日『いいお産から始まるいいママ育ち』勉強会のご案内


++++★信濃毎日新聞 4/19社説より掲載★++++
4月に入り各新聞メディアで長野県の今までの動きと現状をまとめてくれています。私達にとって大変ありがたいことです。ご参考までに


産科医不足 お母さんの声を、もっと
 産科医不足から、全国で病院や診療所の産科休止が相次いでいる。県内も例外ではない。

 産科がなくなるという問題に直面して、上田市などで母親らがお産の在り方を考える会をつくり、活動している。医師不足解消への特効薬はない。助産師、看護師など、出産にかかわるマンパワーを結び付け、母子を支える仕組みをつくることから、取り組みを始めたい。

 県産婦人科医会が昨年12月に行った調査によると、回答があった107施設のうち、5年間で20施設が産科を休止した。お産を受け入れている施設は53カ所あった。さらに15施設が産科休止や医師減少の可能性があると答えている。出産の場はこれからも減りそうだ。

 産科は、いつ始まるか分からない出産に備えて当直が多く、緊張を強いられる。ほかの診療科に比べて、訴訟が多いという事情もある。厳しい労働環境から、産科をやめて婦人科診療に切り替える医師が増えており、若い医師も産婦人科を敬遠している。

 こうした事態に、厚生労働省は、地域の中核となる病院に医師を集める「集約化」で対応しようとしている。下伊那地域では、主に飯田市立病院が出産を担当し、地域の診療所が妊娠中の健診を行うシステムが今年から始まった。

 「集約化」で医師の労働条件は良くなり、お産の安全性も高まるだろう。同時に、子育ての原点であるお産に「安心」を求める、産む側の視点を忘れないようにしたい。

 安曇野市で先日、お産の在り方を考える会が開かれた。産科医が足りないという状況に、「産む側が何を求めるか」「地域で何ができるか」を話し合った。

 安曇野市のグループは、助産師を中心に、看護師、薬剤師、栄養士が加わって妊娠、出産、子育てを支援する「母子保健センター」作りを提言していた。医師に頼りすぎず、「産むのは自分」と主体的にお産に臨めるように、母親を支える仕組みをつくろうという主張だ。

 上田市のグループは、「集約化」した場合でも、身近な場所で、助産師に継続して支援してもらえるシステムが必要だと訴えていた。

 5月には下伊那郡松川町で、秋には上田市で、母親らが地域のお産や産科休止について考える催しを企画している。こうした動きが各地に広がることを期待したい。

 まず、お産の当事者が声を上げることだ。そして、医師、助産師、行政関係者らとともに、病院の配置など、地域の実情に合わせた対応策を考えていきたい。



★++++読売新聞 長野 4月15日掲載記事より掲載++++★

深刻な産科医不足 集約化加速

「分娩」受け入れ施設 5年で14減

 産科医不足を背景に、県内で「お産」のできる病院が減っている。下伊那赤十字病院(松川町)と安曇野赤十字病院(安曇野市)が、4月から出産の受け付けを休止した。辰野町の町立辰野総合病院、池田町の県厚生連安曇総合病院でも昨年、受け付けをやめている。この5年間で県内14施設が分娩(ぶんべん)受け入れを休止または停止した。住民の働きかけで受け入れが継続された例もあるが、出産可能な施設の減少は全国的な傾向だ。「少子化対策」が叫ばれる今、減っていく産科施設の問題を追ってみた。

(服部牧夫、浅子崇)

●受け入れ休止

 松川町にある下伊那赤十字病院(134床)の2階。ナースステーション隣にカーテンで仕切られた一室がある。ピンクの内装で統一された10畳ほどの中に、白い布で覆われたままの分娩(ぶんべん)台が2つ。3月までは3日に2人のペースで新生児が取り上げられていた。今月から同院はお産の受け付けを休止、赤ちゃんの産声は3月21日を最後に聞かれなくなった。

 同院では3月末、2人いた産科医の1人が退職した。これまで産科医を派遣していた愛知県の藤田保健衛生大は医師不足を理由に後任を送らなかった。

 多数の妊婦を抱える医療機関がお産を受け入れるには、急な分娩、万が一の事態に備えて24時間体制を採る必要がある。それには最低でも2人以上の産科医がいることが望ましい。

 同院は、信州大や県にも医師の補充を要請したが、回答はなく、今月から出産受け付けを休止した。

 桜井道郎院長は「医師を確保し、一刻も早く再開したいが……」と話すが、めどは立っていない。

●分業体制導入

 同院は同町のほか、下伊那郡北部の大鹿村や豊丘村、上伊那郡南部の中川村や飯島町の住民も利用する。さらに周辺15市町村を見渡すと、飯田市の産科医院1か所も出産の受け付け休止を決めるなど、これまで5か所だった産科施設が今春は3か所に。こうした事態に対応するため、15市町村の「南信州広域連合」と県飯田保健所、地元産科医らで「産科問題懇談会」を結成し、お産は中核病院の飯田市立病院(403床)が引き受け、出産前の検診は開業医で――との「分業体制」導入を決めた。

 医療機関が連携しやすいように共通カルテも導入。信州大医学部の協力で、同市立病院に医師1人が派遣され、産科医は3人体制は4人に増強された。

●根強い不満

 これに対し、女性たちの間で不満が渦巻いている。下伊那赤十字病院で出産を経験した母親たちは、同院でのお産受け入れ継続を求め、約4万7千人分の署名を集めた。先月20日の飯田市役所での意見交換会では、市立病院への集約化に批判が相次いだ。お産にあたって多様な選択肢を求める母親たちと、「産科医が不足する以上は集約化が避けられない」とする行政の主張は平行線のままだ。

 下伊那赤十字病院での出産受け付け再開を要望する「心あるお産を求める会」の会長、松村道子さん(34)は、「検診とお産を1か所でしたいという私たちの思いが後回しにされた」と訴える。しかし、飯田市立病院の分業体制は4月、本格的にスタートした。

●苦しい医局事情

 県内ではこの1年で産科医不足の問題が急浮上。これまで、県内の病院は信州大をはじめ県内外の大学の医局から産科医が交代制で派遣され、不足はなかった。しかし今、どの大学でも要員確保に苦労し、余裕がない状態。信州大医学部産科婦人科教室も「『空白地区』が出ないよう県全体のバランスを考えているが、産科医が増える見込みはなく、すべての要望に応じられないのが実情」としている。



●医師不足 過酷な勤務実態背景

 厚労省によると、2004年時点の全国の医師は約25万7000人、10年前と比べて約16%増えた。ところが、産科または産婦人科に勤務する「産科医」は逆に7%減少し、約1万6000人。県内では、産科医は過去10年間、180人前後で横ばい状態が続いてきたが、県によると、産科施設のうち出産を取り扱う病院や診療所は、2001年の68か所から、05年には54か所に減った。

 県産科婦人科医会によれば、県外の大学から県内の病院に派遣される医師の引き揚げや退職がここ数年増え、産科医の派遣数は2年前よりも30人ほど少なくなったという。

 産科医不足は全国的な傾向だ。産科医の仕事は過酷で、病院では出産に備えて24時間体制で待機する必要もあり、当直勤務や休日出勤が多い。医療訴訟全体の3割以上が出産がらみということも、なり手が少ない要因になっている。


閉院危機から存続へ 上田市産院

署名短期間で8万人、市側 派遣元の信大に配慮も

 県内で、お産が出来ない産科施設が続出する中、上田市産院の場合は、閉鎖の危機から一転、存続が決まった珍しい例だ。
 発端は2005年8月、信州大学医学部が2人の常勤医師の派遣を06年6月末でやめる方針を市側に伝えたことだった。産科医不足を受け、県内全体の派遣体制を見直し、危険の伴うお産に対応するために小児科や麻酔科を備えた病院に産科医を集めたい、というのが理由だった。

 同産院は、1952年に開設された。東御市と長和、坂城両町、青木村を含めた「上田地域」の住民が主に利用し、同地域の新生児の約4人に1人にあたる、年間約450人がここで産声を上げている。

 同産院では、〈1〉妊婦の希望に添った出産姿勢の採用〈2〉へその緒がつながったまま新生児を母親が抱く「カンガルーケア」導入〈3〉母乳指導重視――などの方針を掲げ、県内では唯一、国連児童基金などが認定する「赤ちゃんにやさしい病院」にも選ばれた。

 医師派遣停止による閉院の危機に、同産院で出産した母親らが存続のための署名活動を開始。20日足らずで約8万人分が集まった。

 母親らは「私たちの意思を生かした形でのお産ができるのはここだけです」「産んですぐ『もう1人産みたい』と思えました」などと、市長に直接訴えた。

 同市は、こうした声を受けて、信州大学に医師派遣中止の再考を求め、閉院は回避された。

 だが、これが他の施設のモデルケースになるかどうかは疑問だ。

 派遣継続の見返りとして、同市が信州大に危険な出産に対応する体制の整備を約束したり、派遣中止になった場合に同市が行おうとした産科医公募に、同産院の広瀬健副院長(56)が応じる考えを表明するなど、恵まれた事例が重なった。

 お産受け入れを休止している南信地方の病院関係者は「上田市産院は特別だ。住民運動で存続できるわけではない。やむなく我慢しなければならないこともある」と話している。


●激務、訴訟・・・ 国は処遇改善を

信州大医学部産科婦人科学教室・小西郁生教授

「ここ数年、産科医を目指す医師の卵が減った。原因は、厳しい仕事と訴訟の多さだ。国は処遇改善に努める必要がある。万が一の時に、医師に過失がなくても患者に一定額を補償する『無過失補償制度』導入も検討してほしい。産科は生命の誕生に携わり、非常にやりがいがある仕事だ。長い目で見れば、産科医は増えるはずだが、今は緊急の対策として、医師の集約化を図るしかない」


【記者から】「望むお産」思い切実

 「私たちの望むお産ができる産院を残してほしい」――。上田市産院が閉鎖の危機に陥った時、乳児を抱いた母親たちが、涙ながらに訴える姿を目の当たりにした。お産に対する女性の切実な思いを感じた。

 全国的な産科医不足は、県、市町村レベルだけでは解決できない。国は対策を急ぐべきだ。だが、現実には、医師が少なくてもお産ができるよう、工夫が必要だろう。病院と開業医が連携して「分業」するのも一つの手かもしれない。

 安心で、満足のいくお産が出来るにはどうするべきか、男性も含めてよく考え、実現しなければならない。

(服部牧夫)

★++++僻地医療で頑張る信州の赤ひげ先生からのメールをいただき掲載させていただきます。++++★

「長野モデル」の現在

先だって『長野県の医療の現状及び問題点と長野県政』というフォーラムが開かれ、
長野県民主医療機関連合会・湯浅健夫事務局長の講演を聞いた。

小泉首相の口から「長野モデル」という言葉が発せられたように保健・医療分野における長野県の「指標」は高い。
平均寿命が男性全国一位、女性は全国三位。
高齢者の就業率は、農業従事者が多いせいもあってこれまた全国一位。
さらには高齢者一人当たりの老人医療費は全国で最も低い。
いわゆる「健康余命(65歳の人が介護を必要とせずに自立して生きられる期間の平均年数)」
は男性が全国二位で女性は四位、と厚労省が喜びそうな数字がずらり。
つまり「県民が健康長寿で医療費も少ない」というわけだ。

わが県を自慢したくてこんな数字を並べたわけではない。
「長野モデル」という言い方がいつもひっかかっていた。
確かに「結果」として医療指標は高いのだが、その理由が何か、となるとボヤけてしまう。
「原因」がつかめないのだ。
ひと口に「長野モデル」といっても他の都道府県が容易に真似ることはできない。
固有の歴史や文化によって形成された特性なのだ。
普遍性のないものが果たしてモデルと呼べるのか。
湯浅氏の講演は、このあたりの事情を改めて整理してくれたので、その概要を紹介したい。

じつは医療指標の高さとは裏腹に、長野県の人口10万人当りの医療施設数は、
病院、診療所、歯科診療所、薬局とも全国平均を下回り、医療圏別でも地域的偏在が著しい。
病床数は全国三五位、診療所数は三六位、県内の全一般病床に占める民間病院のベッド比率たるや全国四五位。
施設面では全国最低レベルの「手薄さ」なのだ。
おまけに医師数は三七位で看護師の数も三〇位と下から数えたほうが早い。

では手薄いところをどうやって補ってきたか?

民間病院が少ない分を、準公的病院がカバーしている。
厚生連病院は14ヶ所あり、全県の一般病床比率の18.4%を占め、これは秋田に次いで全国二位。
医師や看護師が少ないのに対して保健師の数は全国四位。
助産師数も八位にランクされている。
ここに「地域」と密接につながった医療の片鱗がうかがえる。
保健師が医師や看護師とともに地域のなかに入っていって、住民の保健意識を喚起し、医療情報を提供してきた。
経験を積んだ助産師が、少ない産科医の代わりにお産に立ち会ってきた。
そうしたひとつひとつの積み重ねが指標の高さに結びついている。


医療資源に恵まれていなかったから、地域で知恵を出しあって医療を支えるしか方法がなかったのだ。

ここを取り違えてはならない。
医療費を低く抑えることを目的として長野の医療体制が構築されたわけではない。
医療資源の貧しさを人と人の連携で懸命に補ってきたら、たまたま、というべきか、結果として医療費が低くなった。

ところが、長野をモデル県と持ち上げる勢力のなかからは、こうした経緯をしっかりとらえることなく、
「健康長寿で医療費も低い」という結果にのみ目を奪われ、長野の上っ面をなでればよしとする意見も聞こえてくる。
いわく「もし、長野県並に医療費を抑えることができれば、約10兆円規模の医療費の削減が期待できる」とか……。
馬鹿も休み休み言ってもらいたい。
ただでさえ大赤字で呻吟している地方の医療機関は軒並みつぶれ、大破綻するだろう。

国保中央会のレポートは、長野の高齢者医療が低い要因として
『在宅医療を可能にする条件が整っており、その結果、平均在院日数が他見よりも低い』『自宅での死亡割合が高く、終末期医療における入院医療費が低い』と指摘している。

終末期の在宅医療についても、これまた「在宅医療」という言葉だけを先行させて
他地域に普及させようとしたら、大きな落とし穴にはまるだろう。

重要なのは在宅医療を可能とする「条件」とは何か。
その内実をしっかり整えなければ、患者を嵐のなかに放り出すような事態を招きかねない。

長野の平均寿命の高さを「がん死亡率の低さ」と関連づける報告もある。
独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの井上通敏名誉院長は
「日本一長寿の長野県の年間がん死亡(10万人対)は全国平均をわずかに上回るが、年齢補正後のがん死亡率は、飛びぬけて低い。
このことが長寿と関係している」と述べている。

一般にがんは「高齢化」とともに増える。
長野は高齢化が進んでいる県だ。
はたして「がんの死亡率が低い」と断定できるのだろうか。
社会疫学的な分析が待たれる。

さて、公的医療費の伸びを抑えたくてたまらない財務省や小泉首相周辺のブレーンから 「見当違いのラブコール」を送られている田中康夫長野県知事は、あちこちに頭をぶっつけながらも、
「公共事業費の削減」「医療・福祉・教育・産業・環境等への傾斜投資」の路線は堅持している。
04年度予算では、大赤字を抱えていることから公共事業費を前年度比-22.2%、 県単独事業費-35.3%とする一方で、民生費は-1.6%、衛生費-4.2%にとどめた。
05年度県予算は四年連続のマイナス予算となり、公共事業費を削減しながらも福祉・医療等には重点配分。
田中知事就任前の二〇〇〇年当初予算案と比較すると、公共事業費が20%以上カットされたのに対し、民生費は+2.5%、衛生費は+0.2%となっている。

長野県では、いま、厳しい財政状況のなかで、何とか福祉や医療、教育、雇用、産業創出にお金を回そうとしている。
田中県政への批判はさまざまあれど、少なくとも中央政府の公的医療費削減とは反対の方向を目指しているようだ。
「長野モデル」とおだてられて悦に入っているようでは県民の付託には答えられない。

ワンフレース゛・ポリティクスの「長野モデル」に騙されてはいけない。
ポスト小泉を狙う政治家が従来の路線を継承するのなら、対抗する政治勢力はそろそろ 「もうひとつの軸」の旗色を鮮明にするべきではないだろうか。
選択肢はひとつではない。

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第3回 勉強会のお知らせ 430

2006-04-19 23:51:48 | お知らせ
最新記事→3・21県シンポ    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→最新号『紙REBORN』に掲載
→守りたい最後のとりで県立こども病院
→「4/16信州で産みたい!育てたい!母の会合同意見交換会」開催報告

『いいお産から始まるいいママ育ち』勉強会のご案内
貴女のお産はどんなお産でしたか?
   どんなお産をしてみたいですか?
・・・『お産』について考えてみたことありますか?
様々な立場のお産を経験したお母さんたちの声を聞き、
『お産』について一緒に考えてみませんか?

特別ゲスト ファシリテーター 熊手麻紀子さん
著書 となりのミドワイフ -お産を元気にしてくれる人-』 
3人の子どもの出産を通じてお産と母乳育児の重要性を痛感し、以来「ケアを受ける側」としてさまざまな市民活動を行って、優に10年。私達が産院存続活動で芽生えたさまざまな疑問やこれからについて、元気なアドバイスを期待しています。今回ご好意ではるばるお越しいただけます。多謝!
どうする?産科産院が減っていく ディスカッション大会 実行委員
・長野県上田大会 秋企画中
===============
日時:2006年4月30日(日)13時半~15時(13時受付開始)
場所:上田市中央公民館(上田市文化センター内)
    長野県上田市材木町2丁目
     ・yahoo地図より
テーマ『いいお産から始まるいいママ育ち』
  参加費無料 自由参加(託児事前予約)

(問い合わせ) keep-s@mail.goo.ne.jp
   電話:42-7810(事務局 村松)
●託児希望の方は上記電話まで事前にご連絡ください。

===============
こんなお母さんたちのお話を伺う予定です。

亀井智泉さん(長野県安曇野市在住)
著者 陽だまりの病室で――植物状態を生きた陽菜の記録
出産時のトラブルで
お子さんが仮死状態となってしまったお母さん。
それをきっかけに「お産」について考えるようになりました。

山本由紀さん
自宅出産で出産したお母さん
自分で考え、自分で選びました。
自宅出産ってどんなお産?

鷲巣志保さん
上田市産院で出産したお母さん
(母の会メンバー)
カンガルーケアを経験しました。
勉強会を通して「お産」について一緒に考えましょう。

皆様のご参加をお待ちしています。

私たち母の会のメンバーはお産についての勉強の必要性を強く感じ、この点について引き続き活動を続けていきます。










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4/16 合同意見交換会 ディスカッションまとめ

2006-04-19 12:31:59 | 活動報告
最新記事→3・21県シンポ    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→最新号『紙REBORN』に掲載
→守りたい最後のとりで県立こども病院
→◆430勉強会のお知らせ



Special Thanks usiki@篠ノ井 さん
レポートをまとめていただきました。

→開催報告 PDF資料

 「4/16信州で産みたい!育てたい!母の会合同意見交換会」

これがそのまま公式見解というわけでもないと思いますが、参加者一人一人が真剣に自由闊達に意見交換をした充実した話し合いが行われました。参考までに白熱のディスカッションの内容を抜粋でご紹介します。

<医師不足・医療体制の危機について>
■産科医側から出た意見
・医師の人事権はそんなに大きくはない。大学の医局所属の医師だけで問題を解決しなければならず大変だ。
・産科医の育成が必須。産婦人科医療を(研修制度や勤務体制など)魅力あるものにしていかなければいけない。
・問題発生時に送られる(搬送先の)立場の病院の存続確保が使命である。
・この病院でしかいいお産ができない。という考え方ではなく、どこの病院でもいいお産を実現していくという環境作りの方法を考えていきたい。信大でも会陰切開は減ってきている。カンガルーケアやフリースタイルも取り入れている。私はいいお産は総合病院でも実現できるという信念を持っています。
・集約化は自宅出産を否定するものではないと思う。
・母親の声に上がってくる「近くに産婦人科が欲しい」という時間的・物理的距離を具体的に何分・何キロということを具体化することが必要。県内をいくつのエリアに分けていくかどう設定するかということに役立つ。
■助産師側から出た意見
・行政や病院でやっているマタニティーセミナーにもっと人的・金銭的な投入をして妊婦の自己管理をもっとしっかり行えば医療現場の負担を減らすことができるはず。
・医療体制を考えていくときに、救急搬送システムについてもっと本格的な体制を構築することで安全性を確保してくことも手段として考えられる。
■報道側から出た意見
・集約化された2段階診療は、里帰り出産と似ていると感じた。
■母親側から出た意見
・長野市で活動しているお産を語る会うむうむネットというグループで上田市産院の見学会をさせてもらえることになった。BFHといっても今まであんまり注目されず、視察も来なかったと聞いた。BFHのことなど、いいお産を県内に発信していく開かれた病院になって欲しい。
・女性の気持ちに寄り添っていく医療であって欲しい。そのためにもお産を経験した女医さん・助産師さんが増えていけるようにして欲しい。
・赤ちゃんも妊婦も少なくなって、自分自身の妊娠ではじめての体験という人が増えました。自分は一人目の出産で、雑誌などでずいぶん慎重に勉強したつもりだったけれど、終わってみてもっとこのことをわかっていればということが沢山あった。産む当人が意識を持つということはとても大切。妊娠中に知るべきことを知れるようにして欲しい。お産のことを色々学び始め、母親たちのお産の振り返りの会も毎月開いていく中で、二人目のお産は「やれるだけのことはやった。ここから先何か起きるのならそれはもう神様の領域で受け入れるしかない」と思えた。妊婦が「自分が産む」という自覚を持てるように妊娠出産子育ての情報はマイナスの情報を隠そうとしないで伝えることが大切。お母さんたちの井戸端のようなものだって実践的でとても役にたつ。もっと産める女性を作ることに力を注いで欲しい。

<助産師の活躍について>
■産科医側から出た意見
・プライマリ助産師の制度は実現するために経営的な課題が大きいだろう。
・産婦人科医が少ないから助産院(院内助産院)という考えで良いのか。
■母親側から出た意見
・助産所の開業は大変なことだということも聞き、産婦人科医の危機も知り、ずっとずっと考えてきた中で院内助産院という存在を知った。医師に頼りずぎず助産師さんにもっと活躍してほしいという考えは安易だろうか。
・開業助産院でも助産学校の生徒さんなど、自然分娩の学習の場として開かれて行って欲しい。
■助産師側から出た意見
・地域の独立助産システムを作りたい。助産院で産むには産む側のかなりの決心と自覚が必要です。豊科日赤の分娩休止後、流れてきたと思われる相談の方に「自分で産める人しか受けない。おまかせの方はお受けできません」と伝え助産院での出産について説明しているが助産院での出産をするという方は今のところ一人もいない。しかし助産院で産みたいというニーズは確実にあるので、現在年間10数件のお産数だが断る方がいる状況だ。地域の若手の助産師さんと一緒に自分の助産所を使ってお産の受け皿を増やしていきたい。
・開業助産師と病院側との顔の見える連携関係を強くしていく必要がある。
・正常分娩にも全部ドクターが立ち会うようになったが、それでますます大変になっているのでは。異常産を察知し正常産と見極めることができて、分娩をできる助産師を育てていかなければならない。
・アンケートの結果を見ても、妊娠中の不安の解消のために医師に相談している人がいるが、診療時間の制約の中でお互い大変だ。助産師外来など身近なところで相談できるシステムを作る必要がある。
・産科医が十分足りても、助産院や自宅出産を必要とする人はいると思っている。
・病院、開業助産院問わず、お産では良い人間関係の構築が必要である。
・助産院のマンツーマンのケアは大変なこと。病院の8時間労働・給料制の中で実現していく場合採算性は厳しいことを覚悟して。
・病院の中で自然なお産や母子への十分なケアをすることに限界があると感じて、自分で助産院を開業して1年が経つ。病院勤務で2000例以上のお産にかかわってきたが、担当者も時間で変わっていく、ベルトコンベア式のお産で母子とじっくり接することがとても厳しかった。平成9年にはプライマリ助産師の制度を試験的に経験し、二人の妊婦さんを受け持ったが当時は自分の休日を利用して家庭訪問するような状態でこのシステムではとても難しいと感じた。

<行政への要望など>
■産科医側から出た意見
・理想を語っていくことと、現実にできることをやっていくことの、同時進行で進める必要がある。
・豊科日赤の中で院内助産院のシステムを確立できないか模索しているが、「院内助産院の開設には常勤医が1名以上いなければならない」という法律的なハードルがあり、医者探しに奔走している。分娩はいつでも再開できるように人・設備は用意している。ドクターが確保できたらシーツをはがそうね。とスタッフと言い合っている。法律など、運用面でももうちょっとなんとかならないかこれからも努力を続けていく。
■母親側から出た意見
・上田市で母の会の活動をやっていたり、今回の学習会の準備の中で、行政や医療側の人たちにアクセスすることがなかなか大変と痛感している。今回は信州大学の金井先生も来てくださってとても感謝している。南信の産科問題懇談会のように、医療者・行政・母親ぐるみで顔の見える関係でホットラインでつながっていければと希望を持った。
・妊娠中・子育ての時にほんのちょっとしたことでも聞ける環境が必要。先生の確保とはまた違った、母親同士の相互扶助みたいな関係でも、草の根的にでもつながっている環境が欲しい。
・安曇野で行ったアンケートの中からは、主体性なくお産の場を選んでいる人が実に沢山いることが見えてくる。豊科日赤でお産した人の中にも、総合病院だからなんとなく安心でしょ。近いし。という回答が何人もある。じゃぁどこが良くて、ということに答えられない。でもきっかけがあって、情報がちゃんと与えられれば「私がやりたいのはこれだ。して欲しくないことはこうだ」気づく人は沢山います。行政の母親学級(妊娠5ヶ月前後)よりもっと前の段階で、母子手帳の交付の時に公平で誠実な情報提供をすべきだと考えます。セミナーや、母親たちが市民セクターとしてそれを行うこともできないか。とにかくきっかけが必要。

<長野のお産のこれからについて>
■産科医側から出た意見
・今回具体的に聞けたような母親たちの声を、地域の8割、9割といった世論として具体化して盛り上げていけば(行政が動いて)体制の実現に近づくだろう。
・地域に応じた形があると思うので、地域ごとの対応が必要。
・こと、お産に対する母親のパワーというのはすごいと改めて感心した。産科医でよかったと思えます。
■助産師側から出た意見
・産科医も診療所の医者と総合病院の勤務医の間で意見の相違がある。助産師も開業と勤務では違う。当事者の母親たちも含めて、これからの体制づくりを決めていくときに意見集約の間口はもっと広くとって欲しい。今やらなければならないことを考える場を全員参加でもっと作っていかなければならない。
■母親側から出た意見
・さまざまなお産がある。お産を考えるときに、自分の家族の経験だけでいい、悪いと考えることはして欲しくない。それでも、どんなお産でも、「赤ちゃんが生まれたとき、医師や助産師は祝福してくれましたか」「自分らしいお産、幸せなお産でしたか」「赤ちゃんをかわいいと思えましたか」との3つの質問にいいえと答える母子が誰一人いないように、そういうケアを医療者は目指していって欲しい。私の子どもに出産時の重症仮死から生還して元気になってきている子がいますが、その子の誕生を、私以外の家族や、社会、医療者の中でも、あってはならないこと、と祝福できない空気を感じてしまい辛かった。
・母親たちが声を上げていくことはすごいと思うが、組織をネットワークとして広げていく(参加しやすくする)ことが必要。
■報道側から出た意見
・安心して産み、子育てできる社会にという提言は、行政・マスコミへと活発に出していって欲しい。

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守りたい 最後のとりで 県立子供病院

2006-04-18 06:47:10 | 守りたい!子供病院
信濃毎日新聞 4月16日掲載記事


長野県立こども病院の一般診療化 県医師会会長が反対

こども病院専門医療「維持できぬ」県方針に医師会反論

->SBCニュースより(4/16)
->SBCニュースより(4/17)
県医師会の大西雄太郎会長らは15日、長野市内で会見し、県が、県立こども病院(安曇野市)で、小児科と産科の一般診療を開始するとの方針を示したことに反対する考えを表明した。大西会長は「一般診療を始めれば、こども病院の高度専門医療の水準は維持できず、県民や国民のためにならない」と述べた。

 田中知事は7日の会見で、同病院について「いつでも、誰をも拒まない小児の開かれた医療機関にしていく。救急診療中心の診療から始める」と発言。救急搬送でなくても、子どもが重症だと家族が感じた場合は同病院で受け入れ、軽症の場合はその後、患者のかかりつけ医師らに診療を委ねる考えを示した。

 知事の方針に対し、大西会長は「こども病院は設備、医療とも全国トップクラスで、県外からも難病の子どもたちがたくさん来る。一般診療を始めれば、医師の負担は増える」とした。

 同席した松本市医師会の須沢博一会長は、中信地区では初期、二次救急の小児患者の24時間受け入れ体制が既に整っているとし「こども病院は(生命の危機にある救急患者の)3次医療機関の役割を維持してほしい」とした。県小児科医会の松浦敏雄会長は「現在のこども病院の体制を維持するべきとの見解で一致している」と話した。

 医師会は同日開いた、県内21の郡市医師会長連絡協議会で、県方針に反対することを決定。県の高山一郎衛生部長は2月県会代表質問の答弁で、一般診療開始の方針について「医師会ともよく話をしている」と述べたが、大西会長はこの日、「何の説明も相談もない」と否定した。

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こども病院一般診療に反対続出 保護者ら意見交換
 県立こども病院(安曇野市)の患者の保護者らでつくる「ひだまりの会」(田口誠会長)は16日、県が同病院で小児科と産科の一般診療を始める方針を示したのを受け、意見交換会を院内で開いた。地元住民や医療関係者も含め約160人が出席。「こども病院でしか救えない命がある。現在の診療体制を維持するべきだ」など、県の方針に反対の意見が相次いだ。

 幅広く意見を聞き、高度専門医療を担ってきた同病院の今後のあり方を考えようと開いた。父母らは「一般診療を始めれば現在の受け入れ体制は保てない」「元気な母子の姿は、難しい病気の子を抱える母親には苦痛」などと指摘。同病院の役割を県民に理解してもらう方策を考えるべきだとの提案や、「田中知事は病院の現場を見るべきだ」との声もあった。

 患者の家族以外からも「一般診療を始めるなら新たな病棟とスタッフが必要」「他の県立病院の小児科と産科を充実すべきだ」「県は患者の家族や医療関係者らの声を聞くべきだ」などの意見が挙がった。

 県の方針に反対して3月末に退職した石曽根新八前院長は、県方針の問題点として、高度医療が必要な患者の受診に支障が出る、院内感染の危険が生じる―などを挙げた。

 ひだまりの会は今後も意見交換会を開くとしている。


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「近くでお産」率直な思い

2006-04-17 19:19:02 | 新聞記事
最新記事→3・21県シンポ    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→最新号『紙REBORN』に掲載


<信濃毎日新聞 4月17日朝刊(中信版) 掲載記事より引用>


安曇野で母親グループ意見交換会
 助産師・産婦人科医も参加


県内の病院で産婦人科医の不足から産科休止が相次ぐ中、安曇野市と上田市でこの問題に取り組んでいる母親グループが16日、「信州で産みたい!育てたい!」と題する意見交換会を、安曇野市堀金保健センターで開いた。母親、助産師、産婦人科医ら約30人が参加し、各グループ代表者の意見発表と、出席者全員によるディスカッションを行った。

安曇野赤十字病院(安曇野市)では7月から、常勤の産婦人科医がいなくなる。「安曇野のいいお産を作る母の会」の亀井智泉代表(39)=安曇野市=は、「赤十字病院に新しい医師が来ない場合は、別の方法を考えなければならない」と問題提起。市内の母親に対するアンケート結果を基に、「妊産婦は気軽に相談できる場所を近くに求めている」とし、助産師をはじめ看護師、薬剤師、栄養士らが妊産婦と家族を支える「母子健康センター」が必要と提言した。

上田市産院の存続運動をした人たちでつくる「いいお産を求める母の会」の鷲巣志保会長(36)=上田市=も、「産婦人科医が足りない地域で医師の中核病院への集約が避けられないとしても、妊婦健診や育児相談は近くの病院で受けられるといったフォローがほしい」と訴えた。

ディスカッションに参加した安曇野赤十字病院の荻原院長は、「常勤産科医確保のめどは立たないが、『近くの医療機関で産みたい』というのが妊産婦の率直な思い」とし、「安曇野赤十字でも院内助産院を設けられるか、検討したい」と述べた。
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上田 ・安曇野・下伊那 合同意見交換会 開催

2006-04-08 08:58:06 | お知らせ
最新記事→3・21県シンポ    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→最新号『紙REBORN』に掲載

信州で 産みたい!育てたい!
上田 ・ 安曇野 ・下伊那 合同意見交換会


今、長野県内のあちこちでお産ができる施設が閉鎖しています。
お産をするお医者さんが減っていることが原因なのですが、
「どこからかお医者さんを連れてくればよい」
というような単純な問題でもないようです。
そんな状況でも、わたしたちの望むお産を残すためには、安心して赤ちゃ
んを迎えるためにはどうしたらよいでしょうか。
だれかに一方的に助けを求め、責任を押し付けるのではなく、
今わたしたちにできることをそれぞれの立場で考えてみませんか?



平成18年4月16日(日)13時~16時
  安曇野市堀金保健センター

地図 Yahoomapsより

参加費 無料 (カンパ歓迎)

第一部 各地区からの報告・発表
1・上田「いいお産を求める母の会」
2・下伊那「心あるお産を求める会」
3・安曇野「安曇野のいいお産を作る母の会」
第二部 ディスカッション


わたしたちが望むお産ってどんなお産?
それを実現するにはわたしたちには何が出来るの?
過労に苦しんでいるお医者さん・助産師さんが人間的な暮らしを取り戻すには?
お産がしたいお医者さん・助産師さんを増やすには?
リスクのある妊婦さんはどうすればいいの?
思いがけないお産を迎えたときは?
お医者さん・助産師さん・おかあさん・おとうさん・保健福祉に携わる人・育児支援者・市政・県政・国政に携わる人......
様々な立場の人が輪になって、自分のかかえている問題、望むもの、今自分が出来ること、それを実現するのに必要なものを出し合いませんか?
様々な立場の人たちが、地域でつながることが出来ればきっと光は見えてくる!
みんなで一歩を踏み出そう!
<主催> 上田「いいお産を求める母の会」
     下伊那「心あるお産を求める母の会」
     安曇野「安曇野のいいお産を作る母の会」
<問い合わせ> 「安曇野のいいお産を作る母の会」
         事務局  高嶋真由美
        MAIL manamayu@sea.sannet.ne.jp

託児はありませんがお子様連れでどうぞ!
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最新号『紙REBORN』に掲載

2006-04-06 17:09:35 | お知らせ
最新記事→3・21県シンポ    
麻酔科医ゼロの恐怖 
→4月16日「信州で産みたい!育てたい!上田・安曇野・下伊那合同意見交換会 開催決定!
詳細は近日公開



女性主体の優しい妊娠・出産・母乳育児を支援する情報サイト「REBORN」の最新号『紙REBORN』第16号(2006年/SPRING)に
◆巻頭特集 <緊急!ウェブ同時掲載企画>
守られたベビーフレンドリーホスピタル
上田市産院(長野県)の閉院危機から存続決定まで

が掲載されました。WEBでご覧いただけます。


なお、この存続運動にはREBORNの運営スタッフの皆様から厚いご支援をいただき、大切なREBORNのトップページに「上田市産院の危機」と題し、HPへのリンクを張っていただきました。そのお陰で全国からの署名が届き、この運動も全国展開することができました。この場をお借りしまして、心からお礼申し上げます。
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