信濃毎日新聞 2007年6月21日朝刊東信欄 掲載記事
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上小の「医師不足」考える
関係19団体 対策協議会が初会合
県上田保健所は20日、上田小県地域の病院や医師会、市町村など19団体による「上小地域医療対策協議会」を発足させ、上田市の上田消費生活センターで初会合を開いた。今後、「産科・小児科」「救急医療」の2分科会を設け、医師不足対策などを話し合っていく。
上田保健所が、県内10医療圏ごとに「連携強化病院」を選び、医師を重点配置すべき-とした県産科・小児科医療対策検討会の提言を紹介。上小地域では、長野病院(上田市)に常勤麻酔科医がおらず、産婦人科の連携強化病院が選ばれなかった-と説明した。
さらに、長野病院の常勤麻酔科医の不在などで、上小地域の2006年の救急搬送患者7499人のうち、前年より0・8ポイント多い16・9%、1266人が地域外に搬送された-と報告した。
意見交換では「パート医師の所得が常勤医よりおおくなることが問題」(依田窪病院)などの発現があった。
◆関連記事
医療タイムス記事(ある産科医のひとりごとブログより)http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/06/post_d6f6_7.html
最近更新が滞っており大変申し訳ありません。
先生の記事を参考にさせてください。
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信濃毎日新聞 2007年6月21日朝刊 掲載記事
出産受け入れ 佐久総合病院も一部制限
扱い数増加「限界超えた」
全国的な産科医不足の中、これまですべてのお産を受け入れてきた県厚生連佐久総合病院(佐久市)も、一部で制限を始めたことが分かった。医師1人当たり月間24件を扱い、「物理的に限界を超えた」状態。医療態勢が充実しているとされる佐久地方だが、主な病院が満杯になり、厳しい状況だ。
佐久地方 主な病院満杯
佐久病院は、4月に87件、5月に98件の出産を扱い、ともに前年同月の1・3倍。入院ベッドが足りず、産科以外も使ってしのいでいる。今月と7月も80件を超える見通しだ。医療関係者の間では「医師1人年間200件(月17件)が限度」とされるが、産科医4人の同病院では1人当たり20件を超えている。
このため月間予約70件を目安に、現場で状況判断しながら「県外から電話で申し込んでくる里帰り出産者はお断りしている」という。他病院からリスクの高い出産が転送されたり、婦人科の診療を兼ねていることもあり、夏川周介院長は「物理的に限界を超えている。1人倒れれば現状も維持できず、一病院の努力を超える」と説明している。
出産を扱う医療機関が減り、昨年から増加傾向だったが、4月から佐久市立国保浅間総合病院が出産受け入れ制限を始めた影響が大きい。同病院は産科医が1人減って2人になり、月40~55件だった出産扱いが4、5月は20~30件になった。「従来通りでは安全を保てない。過重労働による事故を防ぐやむを得ない措置だ」(佐々木茂夫事務長)とする。
小諸市の県厚生連小諸厚生総合病院も、今年になり、出産件数が月45~53件余の1・5倍以上だ。産科医は2人で、1人当たり25件前後になる。渡辺康幸事務長は「医師が休む時間がない。受け入れ制限を考えざるを得ない」と話す。
8月に2人目を出産予定の佐久市内の主婦(36)は、佐久地方の病院をあきらめ、夫の実家がある松本市の医院に予約した。しばらくは義父母の送迎で通い、検診を受ける。「医師不足は分かるが、納得できない。少子化問題が論議されるが、産科医確保が最優先では」と訴えている。
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saito私見
昨年9月に開催された、佐久市医師会の主催の佐久市圏域で開催された医療シンポジウムに参加したことを思い出しました。シンポは、佐久・浅間・斉藤産科医・保健士・助産師の8名から発表があり、周産期に関わる健康・福祉の連携が感じられた。目的は、「佐久の産科医がこのままではつぶれてしまう。そのために現状周知と地域の理解を深めること」を目的で、南で行った理由としては、小海日赤から産科が引き上げがあった現地で、今の産科医不足の厳しい現状を地域に理解を深めてもらいたいという佐久医師会や佐久病院の強い願いがあったと伺いました。
その中で、「私達は、救急車を一回も断ったことがありません。すべて受け入れさせてもらってる」と、激務の中の良心的な受け入れ態勢の話をしてくださいました。私も貴重な発言の場をいただき、「産院存続の内容や、今進める予防医学の推進、消費者の意識の向上の努力をお話させてたいただき『上田地域は、佐久病院なしでは上田の周産期医療は成り立たない』を深くお礼を言えました。
大変厳しい状況の中、半年本当によくこの地域の周産期を支えてくださったことに感謝するとともに、とにかく医療圏ごとの対策を1日の早く構築しなければならない、急務だと深く思います。
私達医療消費者は、こういった現実を知ると、あせるばかり。悪循環です。
急いでといっても、麻酔科医・産科医の先生がどんどん増えるわけではありません。
今自分達ができる健康や、お産に関する自分自身の意識の向上や、予防医学の取り込みなどは、明日からも少しずつできるはず。
それを無理なく取り組めるような母達がいる地域だったらいいな~と思いますが、上田地域で、高次医療の充実が1日の早く実現することを強く願います。
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上小の「医師不足」考える
関係19団体 対策協議会が初会合
県上田保健所は20日、上田小県地域の病院や医師会、市町村など19団体による「上小地域医療対策協議会」を発足させ、上田市の上田消費生活センターで初会合を開いた。今後、「産科・小児科」「救急医療」の2分科会を設け、医師不足対策などを話し合っていく。
上田保健所が、県内10医療圏ごとに「連携強化病院」を選び、医師を重点配置すべき-とした県産科・小児科医療対策検討会の提言を紹介。上小地域では、長野病院(上田市)に常勤麻酔科医がおらず、産婦人科の連携強化病院が選ばれなかった-と説明した。
さらに、長野病院の常勤麻酔科医の不在などで、上小地域の2006年の救急搬送患者7499人のうち、前年より0・8ポイント多い16・9%、1266人が地域外に搬送された-と報告した。
意見交換では「パート医師の所得が常勤医よりおおくなることが問題」(依田窪病院)などの発現があった。
◆関連記事
医療タイムス記事(ある産科医のひとりごとブログより)http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/06/post_d6f6_7.html
最近更新が滞っており大変申し訳ありません。
先生の記事を参考にさせてください。
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信濃毎日新聞 2007年6月21日朝刊 掲載記事
出産受け入れ 佐久総合病院も一部制限
扱い数増加「限界超えた」
全国的な産科医不足の中、これまですべてのお産を受け入れてきた県厚生連佐久総合病院(佐久市)も、一部で制限を始めたことが分かった。医師1人当たり月間24件を扱い、「物理的に限界を超えた」状態。医療態勢が充実しているとされる佐久地方だが、主な病院が満杯になり、厳しい状況だ。
佐久地方 主な病院満杯
佐久病院は、4月に87件、5月に98件の出産を扱い、ともに前年同月の1・3倍。入院ベッドが足りず、産科以外も使ってしのいでいる。今月と7月も80件を超える見通しだ。医療関係者の間では「医師1人年間200件(月17件)が限度」とされるが、産科医4人の同病院では1人当たり20件を超えている。
このため月間予約70件を目安に、現場で状況判断しながら「県外から電話で申し込んでくる里帰り出産者はお断りしている」という。他病院からリスクの高い出産が転送されたり、婦人科の診療を兼ねていることもあり、夏川周介院長は「物理的に限界を超えている。1人倒れれば現状も維持できず、一病院の努力を超える」と説明している。
出産を扱う医療機関が減り、昨年から増加傾向だったが、4月から佐久市立国保浅間総合病院が出産受け入れ制限を始めた影響が大きい。同病院は産科医が1人減って2人になり、月40~55件だった出産扱いが4、5月は20~30件になった。「従来通りでは安全を保てない。過重労働による事故を防ぐやむを得ない措置だ」(佐々木茂夫事務長)とする。
小諸市の県厚生連小諸厚生総合病院も、今年になり、出産件数が月45~53件余の1・5倍以上だ。産科医は2人で、1人当たり25件前後になる。渡辺康幸事務長は「医師が休む時間がない。受け入れ制限を考えざるを得ない」と話す。
8月に2人目を出産予定の佐久市内の主婦(36)は、佐久地方の病院をあきらめ、夫の実家がある松本市の医院に予約した。しばらくは義父母の送迎で通い、検診を受ける。「医師不足は分かるが、納得できない。少子化問題が論議されるが、産科医確保が最優先では」と訴えている。
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saito私見
昨年9月に開催された、佐久市医師会の主催の佐久市圏域で開催された医療シンポジウムに参加したことを思い出しました。シンポは、佐久・浅間・斉藤産科医・保健士・助産師の8名から発表があり、周産期に関わる健康・福祉の連携が感じられた。目的は、「佐久の産科医がこのままではつぶれてしまう。そのために現状周知と地域の理解を深めること」を目的で、南で行った理由としては、小海日赤から産科が引き上げがあった現地で、今の産科医不足の厳しい現状を地域に理解を深めてもらいたいという佐久医師会や佐久病院の強い願いがあったと伺いました。
その中で、「私達は、救急車を一回も断ったことがありません。すべて受け入れさせてもらってる」と、激務の中の良心的な受け入れ態勢の話をしてくださいました。私も貴重な発言の場をいただき、「産院存続の内容や、今進める予防医学の推進、消費者の意識の向上の努力をお話させてたいただき『上田地域は、佐久病院なしでは上田の周産期医療は成り立たない』を深くお礼を言えました。
大変厳しい状況の中、半年本当によくこの地域の周産期を支えてくださったことに感謝するとともに、とにかく医療圏ごとの対策を1日の早く構築しなければならない、急務だと深く思います。
私達医療消費者は、こういった現実を知ると、あせるばかり。悪循環です。
急いでといっても、麻酔科医・産科医の先生がどんどん増えるわけではありません。
今自分達ができる健康や、お産に関する自分自身の意識の向上や、予防医学の取り込みなどは、明日からも少しずつできるはず。
それを無理なく取り組めるような母達がいる地域だったらいいな~と思いますが、上田地域で、高次医療の充実が1日の早く実現することを強く願います。