信濃毎日新聞 20080420/朝刊/東信/掲載記事
地域医療をどうする 揺らぐ上田の救急・産科医療 立て直しへ住民の役割は 相次ぎシンボ・講演
上田市で二十日と五月二十四、二十五日、住民団体や青年会議所が主催し、地域医療をテーマにしたシンポジウム、講演会が開かれる。上田小県地域の中核病院、国立病院機構長野病院(上田市)は約二年間常勤麻酔科医がおらず、夜間と休日の救急患者を受け入れられない状態で、産科医引き揚げ問題にも直面。こうした現状を踏まえ、地域でできる取り組みなどを考える。いずれも参加無料。
「上小の地域医療を支える住民の会」は二十日午後一時半から、市丸子文化会館でシンポジウム「どうする上田地域の医療」を開く。県厚生達佐久総合病院(佐久市)の北沢彰浩地域ケア科医長らを招き、東信の救急、産科医療の現状を紹介。住民らの尽力で内科医と整形外科医を確保した信越病院(信濃町)の例や、住民運動で診療所と特別養護老人ホームを誘致した上田市豊殿地区の例を基に、住民が協力できることを考える。
上田東口ータリ-クラブは、五月二十四日午後一時半から上田市の東急インで、産科医や助産師の現状に詳しいジャーナリスト河合蘭さんを招いて講演会「産科医療の実態と、安全な出産のための生活習慣」を開催。危険度の高い出産を減らし産科医の負担を軽減するために必要なことについて話す予定だ。
上田青年会議所は、五月二十五日午後二時から上田商工会議所で、地域の中核病院の充実をテーマにシンポジウムを計画。上田市の医療関係者らを招き、中核病院や地域の病院の医師、行政、住民が連携し、地域全体で医療を支える態勢づくりを話し合う予定。大野一太郎副理事長は「住民は長野病院の現状に強い危機感を持っている。住民がどう活動したらいいか、手掛かりを探りたい」と話している。
===◆===東信ジャーナル掲載記事===◆===
2008年(平成20年)4月24日休曜日)
どうする長野病院
上小地域の中核病院である長野病院が危機的状況にあるとして、上小の地域医凛を草える住民の会(半沢悦子代表)はこのほど、上田市丸子文化会館で「どうすを上田地域の医療」をテーマにンシポジウムを開いた約300人が参加。
平成9年に開院した長野病院は設立の時、周辺整備などに市は巨費を投じている。昨年11月、同病院に4人の産科医全員を派遣し
できた昭和大の医師引き揚げ方針が出ている。先月には1人減り、現在3人。
7月までにどうなるのか、常勤麻酔医の不在も加わり長野病院問題は地域の最大の関心事となっている。(→新聞掲載記事 上田の国立長野病院、産科医3人に1人が引き揚げ)
シンポでコーディネーターの依田発夫さん(県高齢者生協理事)が医師不足の原因として△1997年橋本内閣の時「医学部定員の削減にとりくむ」閣議決定をした。このため人口10万人当たりの医師数は198人で世界19つカ国の中で63位。先進国の中で医師数が日本より少ない国はない△
過酷な労働環境で開業がラッシュ などを伝えた。
パネリストの北沢彰浩さん(佐久総合病院副診療部長)は、佐久総合病院の入院者数は平成16年度、旧小諸佐久・上小地区から30%が、同18年度には40%に増えている。外来では旧小諸佐久・上小地区が31%と上小地区の患者が多いことを指摘した。(→新聞掲載記事 佐久総合病院・年明けから満席急患受け入れピンチ 患者集中「非常事態」)
またパネリストの永原和男さん(信濃町立信越病院事務長)は、永原事務長自ら先頭にきって医師確保に奔走した結果、昨年は4人、
今年は3人の医師が決まったと発表した。「国、県や大学病院など行ったり、広告、ホームページを開いたりしたが、一番力になったのが住民の協力で多くの情報を得たことだった」と、述べた。
一方、バネリストの田中公雄さん〔前上田市豊殿地区振興会長)
は平成15年に開所した厚生連の豊殿診療所は「5年にわたる地域ぐるみの住民運動の成果」と語った。いま「安心の地域づくり」へ活動を活発化している。
長野病院せどうするか現場の声も出て盛り上がった。
地域医療をどうする 揺らぐ上田の救急・産科医療 立て直しへ住民の役割は 相次ぎシンボ・講演
上田市で二十日と五月二十四、二十五日、住民団体や青年会議所が主催し、地域医療をテーマにしたシンポジウム、講演会が開かれる。上田小県地域の中核病院、国立病院機構長野病院(上田市)は約二年間常勤麻酔科医がおらず、夜間と休日の救急患者を受け入れられない状態で、産科医引き揚げ問題にも直面。こうした現状を踏まえ、地域でできる取り組みなどを考える。いずれも参加無料。
「上小の地域医療を支える住民の会」は二十日午後一時半から、市丸子文化会館でシンポジウム「どうする上田地域の医療」を開く。県厚生達佐久総合病院(佐久市)の北沢彰浩地域ケア科医長らを招き、東信の救急、産科医療の現状を紹介。住民らの尽力で内科医と整形外科医を確保した信越病院(信濃町)の例や、住民運動で診療所と特別養護老人ホームを誘致した上田市豊殿地区の例を基に、住民が協力できることを考える。
上田東口ータリ-クラブは、五月二十四日午後一時半から上田市の東急インで、産科医や助産師の現状に詳しいジャーナリスト河合蘭さんを招いて講演会「産科医療の実態と、安全な出産のための生活習慣」を開催。危険度の高い出産を減らし産科医の負担を軽減するために必要なことについて話す予定だ。
上田青年会議所は、五月二十五日午後二時から上田商工会議所で、地域の中核病院の充実をテーマにシンポジウムを計画。上田市の医療関係者らを招き、中核病院や地域の病院の医師、行政、住民が連携し、地域全体で医療を支える態勢づくりを話し合う予定。大野一太郎副理事長は「住民は長野病院の現状に強い危機感を持っている。住民がどう活動したらいいか、手掛かりを探りたい」と話している。
===◆===東信ジャーナル掲載記事===◆===
2008年(平成20年)4月24日休曜日)
どうする長野病院
上小地域の中核病院である長野病院が危機的状況にあるとして、上小の地域医凛を草える住民の会(半沢悦子代表)はこのほど、上田市丸子文化会館で「どうすを上田地域の医療」をテーマにンシポジウムを開いた約300人が参加。
平成9年に開院した長野病院は設立の時、周辺整備などに市は巨費を投じている。昨年11月、同病院に4人の産科医全員を派遣し
できた昭和大の医師引き揚げ方針が出ている。先月には1人減り、現在3人。
7月までにどうなるのか、常勤麻酔医の不在も加わり長野病院問題は地域の最大の関心事となっている。(→新聞掲載記事 上田の国立長野病院、産科医3人に1人が引き揚げ)
シンポでコーディネーターの依田発夫さん(県高齢者生協理事)が医師不足の原因として△1997年橋本内閣の時「医学部定員の削減にとりくむ」閣議決定をした。このため人口10万人当たりの医師数は198人で世界19つカ国の中で63位。先進国の中で医師数が日本より少ない国はない△
過酷な労働環境で開業がラッシュ などを伝えた。
パネリストの北沢彰浩さん(佐久総合病院副診療部長)は、佐久総合病院の入院者数は平成16年度、旧小諸佐久・上小地区から30%が、同18年度には40%に増えている。外来では旧小諸佐久・上小地区が31%と上小地区の患者が多いことを指摘した。(→新聞掲載記事 佐久総合病院・年明けから満席急患受け入れピンチ 患者集中「非常事態」)
またパネリストの永原和男さん(信濃町立信越病院事務長)は、永原事務長自ら先頭にきって医師確保に奔走した結果、昨年は4人、
今年は3人の医師が決まったと発表した。「国、県や大学病院など行ったり、広告、ホームページを開いたりしたが、一番力になったのが住民の協力で多くの情報を得たことだった」と、述べた。
一方、バネリストの田中公雄さん〔前上田市豊殿地区振興会長)
は平成15年に開所した厚生連の豊殿診療所は「5年にわたる地域ぐるみの住民運動の成果」と語った。いま「安心の地域づくり」へ活動を活発化している。
長野病院せどうするか現場の声も出て盛り上がった。