トライアンフTR3A

　３年生の時の担任は生徒と距離を置いたまま転任した。４年、５年と２年続けて担任となった男の先生は、話が面白く、生徒に人気があった。
　先生が当直で泊まりの日は、宿直室に級友と気軽に遊びに行った。
　先生は喜んで、「これでお菓子を買ってきて。」と子供にお使いを頼んだ。
　親も公認だったので、夜遅くまで、宿直室で、お菓子を食べながら、話をしたり、トランプをしたりして楽しくすごした。
　この頃、私は誰とでも仲良くなり、放課後も草野球をしたり、陣取りをしたり、パッチンをしたり、遊びには事欠かなかった。家庭でも勉強を強いられることはなかった。
　６年生になり、厳しいと評判の男の先生が担任となった。
　最上級生としての緊張感を持つには都合が良かった。
　そして先生と打ち解ける間もなく、運命の４月１７日を迎えた。
　この日を境に、私は悲劇のキャラクターに転向しなければならなかった。
（続く）