猫の気持ちになってみろ

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ノルウェイの森

2010-12-12 23:13:17 | 

ノルウェイの森(上・下)
刊:講談社(1987/9) 著:村上春樹
★★★☆☆

1987年。37歳の僕は、ハンブルクの空港に着陸した飛行機の中で流れてきたビートルズの『ノルウェイの森』を耳にし、18年前の記憶が蘇る。
18年前、大学に入学し東京で生活を始めた僕は、高校時代の友人直子と再会する。
彼女といると、不思議と落ち着き、混乱した。
やがて僕は大学でミドリと知り合う。直子とは対照的な彼女と過ごしていると、少しずつ惹かれていく僕がいた。
そして、僕は・・・
∞∞∞∞∞

う~ん・・・違う・・・あらすじを書いてみたが、違う。でも、うまく書けない。
それほど、つかみどころない作品であり、それがこの作品の魅力であり、映画化困難、と言われる由縁だろうと思う。

風邪を引いて寝込んだので、買ったままでほったらかしにしてあった、文庫を一気に読了しました。
実に23年ぶり。この作品を初めて読んだのは、初版発行のときでした。

主人公のワタナベと同じ大学生の頃。
学生運動こそありませんでしたが、まだ携帯電話も、パソコンもない時代。恋人に電話をするのに、親に取り次ぎを頼んだり、連絡が取れないと手紙を書いたり、恐ろしく汚い寮があったり・・・1987年は、まだそんな時代だったことを思い出しました。

23年ぶりに読んだ感想は、「あれ?こんな話だっけ?」と言う感じ。
時代も、自分も変化して、薄れゆく記憶の中で、薄暗い光の中に直子が浮かび上がるシーンだけしか、頭に残っていなかったことに気づきました。

唯一「生」を感じることのできるセックスと、「死」を自ら選択する自殺。
この「生」と「死」がテーマのようだけれど、なんだかんだ言って、モテモテのワタナベに、当時は感情移入ができなかったことも思い出しました。

今読むと、そこそこ理解はできるような気がするものの、まだよくわからない。
いろいろな書評を読むと、何度か読み返して、やっと理解できるようなので、もう少し、読み込んでみたいと思います。