そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

徒歩の旅 第50日 朝日町  料理旅館 有磯へ

2009年04月20日 | 2008年日本海側の旅
5月30日(金) 曇のち晴 (「浜黒崎キャンプ場」~富山県・朝日町 「料理旅館 有磯」)



4時40分、出発。
「浜黒崎キャンプ場」にある「富山県観光案内図」。


空は曇っており、灯台の灯りがしょんぼり。


地方道1号線を行き、常願寺川にかかる今川橋、白岩川にかかる浦の橋と渡って行く。
5時、コンビニで食事。牛乳、おにぎり2個。
滑川市に入り、道路にゴミが全くといっていいほど落ちていないことに驚く。これまで歩いてきた道路の中で最もきれいであった。萩市も確かにゴミがなくきれいだったが、随所に「ゴミ捨てるな」の看板があった。滑川にはそれもない。
滑川市のマンホールには、北アルプスの山々を背景に、ホタルイカ漁の様子がが描かれている。


5時45分、滑川市加島町、「立山 大岩道しるべ」。立山、大岩への登拝者のための道案内で、江戸時代に作られたもの。「大岩道 是より四里」とある。


6時、神明町にある「延喜式内社」の檪原(いちはら)神社には、芭蕉の「しばらくは花のうへなる月夜かな」の句碑がある。「延喜式内社」とは1200年前に決められた延喜式神名帳に記載された神社ということだそうだ。


滑川は、往時北国街道の宿場町として賑わったが、当時を語る「なめりかわ宿場回廊」という説明板がいくつも立てられている。
6時10分、「ほたるいかミュージアム」の先にある「道の駅ウェーブパークなめりかわ」にて小休止。早朝ゆえ人の気なし。
6時40分、海浜公園を過ぎ、海岸線の松並木を走る「しんきろう自転車道」に出て、富山湾沿いを行く。
7時10分、海釣りをしている人などを眺めながら10分小休止。空が曇っているので、海の色も今一つ冴えない。
7時40分、三ケ(さんが)にて1号線に戻り、早月川を渡って、滑川市に別れを告げる。


滑川市のシンボルは「ホタルイカ」。


早月川は剣岳西面からの水を集めて富山湾に注いでいる。澄んでいかにも冷たそうだ。


そう言えば、10年ほど前の5月に、早月川上流のブナクラ谷から、残雪の剣岳北方稜線を大窓まで3人で縦走したことを思い出す。その先剣岳本峰にまで行けるだけの力量は、われわれのパーティーにはなかった。ザイルを使って大窓の雪渓を下り、雪解け水に臍まで浸かる徒渉でちぢみあがったっけ。そんなことも懐かしい思い出である。
早月橋の上から、剣岳方面を望むも、雲に覆われて剣岳は見えず。
橋を渡り、魚津市に入る。


7時55分、空は相変わらず曇ったままで、目をこらせども剣岳は見えず。


8時05分、富山地方鉄道本線と並行して進む。


魚津駅周辺の案内図。


8時55分、魚津高校の前を通過する。魚津高校山岳部は、幾多の岳人を輩出していることで有名。


9時10分、江口にて国道8号線に合流する。
9時30分、片貝大橋で片貝川を渡る。ここからも剣岳は見えず。白銀の剣岳展望を期待していたが、どうやら今回は縁が無かったようだ。残念無念なり。
片貝川は、剣岳北方稜線の毛勝三山(毛勝山、釜谷山、猫又山)の雪解け水を集めている。こちらも澄んで冷たそうである。


9時40分、黒部市に入る。


10時40分、コンビニにて食事。飲むヨーグルト、菓子パン。
11時25分、黒部大橋を渡る。


黒部川は、広い川幅に北アルプスからの大量の清水が流れている、飛騨・越中の大河である。


黒部大橋は、572メートル。


黒部川は長さ85キロで、上流には、「下の廊下」、そして黒4ダムを挟んで、「上の廊下」や「東沢谷」と、かつて遡行を楽しんだルートがある。


黒部川を渡ると入善町である。


気温が高くなり、暑さに耐えて黙々と国道を歩くが、ついにたまりかねて自販機でペットボトルを買う。
直後に、呼び止められたので振り返ると、金沢ユースで一緒の部屋に泊まったFさん。滑川市の交通公園でSLの写真を撮ってきたとのこと。ペットボトルの差し入れをいただく。ありゃ、今さっき買ったばかりだ。
12時10分、入善黒部バイパスとの合流点の上野にて10分間の小休止。
12時55分、椚山口(くぬぎやまぐち)交差点で、県道60号線方面へ左折、JR北陸本線に沿って行く。
13時20分、麦が黄金色に実って刈入れを待っている。


13時35分、朝日町に入る。


赤川橋を渡り、泊(とまり)の市街地を抜け、
14時20分、水田の向こうに防砂林を見つつ進む。


防砂林の向こうは日本海である。


14時40分、「親鸞聖人御假泊之古跡」がある。岩には親鸞聖人の作と伝えられる「越路なる 宮崎浜の 岩かげに 宿りて弥陀の 思こそしれ」の文字。


宮崎港、ヒスイ海岸を経て、
15時、「料理旅館 有磯」に到着する。この宿は、登山の帰りなどで以前に二度ばかり泊まったことがある。女将さんと雑談をしていたら、Bさんも到着する。
4階の展望風呂でゆっくりと汗を流した後、
夕食は宴会場で、Bさんと二人で豪勢な海の幸をいただいた。
カニ、鯛のかぶと煮、天ぷら、刺身、海老と野菜の蒸し煮、ホタルイカの沖漬、ホタルイカのぬた、焼き魚、香の物、そして当地名物のタラ汁とご飯にビール。この旅で一番の贅沢で大いに英気を養う。宿泊料8925円。
(この写真は2人分)


今日で歩き始めてちょうど50日目、新潟県まであと5キロの地点に来ている。
半分の地点まで来たということは、この先宗谷岬まで行く距離も、Uターンして鹿児島まで戻る距離も同じということ。でも、とても戻ることはできない。この先に困難が待っていようとも、前へは行ける気がする。しかし戻ったら途中で歩くのを止めてしまうだろう。行程の半分までと我慢してきた50余日ぶりのビールにほろ酔い気分で、そんなことを語り合いながら心地よい時間を過ごす。

経費  824円      累計  181,148円
歩数  6,1165歩    累計  2,357,466歩
距離  42km      累計  1,547km

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