蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話 第412回
○新築祝いで本人のあいさつ
皆さま、本日は日曜日なのに遠路遥々ようこそ駆けつけてくださいました。*1
さきほどは新也君が構想15年とかいってましたが、ほんとうにそれくらいの時間がかかっているかも知れません。*2
いい家を造るのは男子一生の夢ですから、ひょっとしたら、ガウディの神聖家族聖堂くらい時間をかけないと駄目かもしれませんね。そして住みながら絶えず手を入れていく、というのが家と人間の正しい関係なのかもしれません。*3
私は古い人間なので、昔の家とか庭の良さが他人よりは分かる積りです。しかしその古い良さを後世に残すことがいかに大変か、今回身に沁みて分かりました。でもここで引き返したら、先祖代々の歴史的遺産が自分の代で永久につぶれる。ゼネコンの真似だけはしたくない。そう思ってひたすら頑張りました。*4
わがままな施主に最後まで付き合っていただきました建築家の﨑藤唯男先生、棟梁宮大工の石毛金兵衛さんをはじめ大勢の方々に、改めて厚く厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
○アドバイス
- 1「親戚の新築祝いでのスピーチ」を参照。
- 2 アントニオ・ガウディはスペイン・カタルニアの建築家。未完の代表作「神聖家族聖堂」は、彼の死後も制作が続けられている。
- 3 最近京都の町屋や飛騨白川郷の切妻合掌造りなどの価値が再認識され、古家の柱などを再使用した建築が人気を集めている。
- 4 家は、家族を含めて多くのスタッフの協力をえて完成する。この家は豪華メンバーが建てたのであろう。
アメリカはろくでなしだがその上をロシア中国北朝鮮 蝶人