本日11日は日本の成人式である。若者に関する中国のニュースを探したら、同日付の広東省広州市共産党機関紙『広州日報』に興味深い記事があった(中国の新聞は地方の小新聞までほとんどすべて電子新聞化されているので非常に便利である)。
http://gzdaily.dayoo.com/html/2016-01/11/content_3094958.htm
北京大学社会調査研究センターが計31の省・自治区・直轄市及び香港・マカオ・台湾で行った「2015年中国人結婚恋愛状況調査報告」を紹介したものだ。年齢や地域、学歴別の恋愛観や結婚観を調べたもので有効回答は約8万人。同記事の見出しは「間違っていた!女性博士こそ恋愛の達人だ!」。センスのいい着眼点だ。研究室に閉じこもって、遊びも知らないと思われていた高学歴者、しかも女性こそ、恋愛の回数が多いという常識を打ち破るニュースである。
ちなみに中国での「淡恋愛(恋愛をする)」は、片思いや秘めた淡い感情を指すのではなく、ずばり「付き合っている」状態を指すのが一般的だ。
学歴別の恋愛回数調査で博士が学部や大学院を超えてトップの6・87回にのぼった。これは「学部生が1回恋愛を経験するうちに、博士は2回を終え、3回目に入っている」計算だという。うち女性博士の方が7・12回と多いというから驚きだ。
性行為の初体験は香港・マカオ・台湾が19・24歳と早く、それに北京、広州などの先進都市が続き、内陸部は22歳以降となっている。年齢別では1980年以前の世代は平均22・17歳、80後が22・10歳、90後が19・78歳と徐々に早まり、95後はすでに平均17・71歳になっている。高校生というわけだ。おそらく都市別でみれば大都市はほぼ日本並みなのだろう。
中国的特色もある。初恋の年齢について半数以上が成人(18歳)前と答え、90後は15・18歳、95後は12・67歳と中学生世代にまで早まっているが、興味深いのは地方別だ。都市部が早いのかと思えば、全体的には内陸部の後発地域が早く、陝西省は最早で15・08歳だという。早く、多く子供を産んで家業の助けとするという農村部の伝統が色濃く残っているのだ。中国は昨年、撤廃を発表した一人っ子政策の中で、遅く結婚し、遅く出産することを奨励していたが、上からの号令だけでそう簡単に庶民の生活は変わらない。
ちなみに陝西省は習近平総書記の父親が生まれ育った地で、習近平自身も文化大革命時代は下放され、農作業を経験している。「習大大(シー・ダー・ダー)という愛称も、陝西省の方言で「お父さん」といった親しみがこもった呼び方だ。
結婚後3~5年は夫婦ともに結婚生活に対する不満がピークに達し、11・1%が「今度生まれたら同じ相手とは一緒になりたくない」、8・9%は「結婚もしたくない」と答えた。「7年目の浮気」(マリリン・モンロー主演作)は「5年」に短縮された、と同記事は評している。離婚理由のうち「不倫」を理由に挙げたものはは男女とも20%(うち10%はW不倫)で、「男女平等」が貫かれているのは、強い中国女性を象徴しているようで興味深い。もっとも育児を受け持つのは女性が29%、男性が2・1%で、この辺は伝統が残っていると言うべきだろう。
急速な経済成長、社会の変化によって、世代間、地域間の生活や価値観に大きな落差が生まれている。これに経済格差が加わっているのが中国の現状である。一つにまとめることはできないが、とにかくある共通の目標を立ててまとめなくてはならない。そう使命感を持っているのが「中国の夢」を掲げる習近平だ。かなり過酷な使命である。
http://gzdaily.dayoo.com/html/2016-01/11/content_3094958.htm
北京大学社会調査研究センターが計31の省・自治区・直轄市及び香港・マカオ・台湾で行った「2015年中国人結婚恋愛状況調査報告」を紹介したものだ。年齢や地域、学歴別の恋愛観や結婚観を調べたもので有効回答は約8万人。同記事の見出しは「間違っていた!女性博士こそ恋愛の達人だ!」。センスのいい着眼点だ。研究室に閉じこもって、遊びも知らないと思われていた高学歴者、しかも女性こそ、恋愛の回数が多いという常識を打ち破るニュースである。
ちなみに中国での「淡恋愛(恋愛をする)」は、片思いや秘めた淡い感情を指すのではなく、ずばり「付き合っている」状態を指すのが一般的だ。
学歴別の恋愛回数調査で博士が学部や大学院を超えてトップの6・87回にのぼった。これは「学部生が1回恋愛を経験するうちに、博士は2回を終え、3回目に入っている」計算だという。うち女性博士の方が7・12回と多いというから驚きだ。
性行為の初体験は香港・マカオ・台湾が19・24歳と早く、それに北京、広州などの先進都市が続き、内陸部は22歳以降となっている。年齢別では1980年以前の世代は平均22・17歳、80後が22・10歳、90後が19・78歳と徐々に早まり、95後はすでに平均17・71歳になっている。高校生というわけだ。おそらく都市別でみれば大都市はほぼ日本並みなのだろう。
中国的特色もある。初恋の年齢について半数以上が成人(18歳)前と答え、90後は15・18歳、95後は12・67歳と中学生世代にまで早まっているが、興味深いのは地方別だ。都市部が早いのかと思えば、全体的には内陸部の後発地域が早く、陝西省は最早で15・08歳だという。早く、多く子供を産んで家業の助けとするという農村部の伝統が色濃く残っているのだ。中国は昨年、撤廃を発表した一人っ子政策の中で、遅く結婚し、遅く出産することを奨励していたが、上からの号令だけでそう簡単に庶民の生活は変わらない。
ちなみに陝西省は習近平総書記の父親が生まれ育った地で、習近平自身も文化大革命時代は下放され、農作業を経験している。「習大大(シー・ダー・ダー)という愛称も、陝西省の方言で「お父さん」といった親しみがこもった呼び方だ。
結婚後3~5年は夫婦ともに結婚生活に対する不満がピークに達し、11・1%が「今度生まれたら同じ相手とは一緒になりたくない」、8・9%は「結婚もしたくない」と答えた。「7年目の浮気」(マリリン・モンロー主演作)は「5年」に短縮された、と同記事は評している。離婚理由のうち「不倫」を理由に挙げたものはは男女とも20%(うち10%はW不倫)で、「男女平等」が貫かれているのは、強い中国女性を象徴しているようで興味深い。もっとも育児を受け持つのは女性が29%、男性が2・1%で、この辺は伝統が残っていると言うべきだろう。
急速な経済成長、社会の変化によって、世代間、地域間の生活や価値観に大きな落差が生まれている。これに経済格差が加わっているのが中国の現状である。一つにまとめることはできないが、とにかくある共通の目標を立ててまとめなくてはならない。そう使命感を持っているのが「中国の夢」を掲げる習近平だ。かなり過酷な使命である。